Archive for the 'フリートーク' Category

おっさんホイホイはもっと評価されるべき

はてな村のニコマスクラスタは今日も賑わっているなあと眺めながらぼんやりと考えたこと。
なぜにニコマス動画は未だに作り続けられるのかといった事を考えると結構興味深くは無いだろうか。また、はてな村で盛り上がって明らかに視認できるほどのクラスタを構成しているあたりも特徴的である。
なんでだろうと考えていたら、案外ファン層の年齢が高いことが関係しているのではないかというところに至った。おっさんホイホイパワーである。

なんかごちゃごちゃ書くほどの事でもないので飛ばしぎみに。
おっさんホイホイ的要素を持つコンテンツというのが成功の鍵なんではないか。UGC(ユーザージェネレーテッドコンテンツ)の形成と成功はおっさんが握っていると提唱してみる。

1) おっさんホイホイでおっさんがコンテンツにはまる
2) おっさんの豊富な経験と積み上げられた技術力でUGCや記事を生み出す
3) 技術競争でUGC盛り上がる
4) おっさんの経済力でUGC製作のための材料売れる
5) 凄いコンテンツが投稿されているらしいとヤング見に来る
6) 俺も作ってみたいと思わせる
7) いろんな層がコンテンツの作成を始める

おおざっぱに書いたが、初音ミクや東方プロジェクトも似たような感じなんじゃないだろうか。今はヤングが盛り上げているけれども、スタート時の牽引とレベルの上昇においておっさん達が担っていたものは大きい。
ここで重要なのが、クラスタ形成の前段階で驚くほどの技術力とそこそこの資金が投入されること。この技術力の投入というのが今までUGCがもてはやされるなかであまり語られなかった様な気がする。
単に人が集まればコンテンツが湧いてくるだろうと思っている人は絶対に成功することはできない。

だから「若者向けコミュニティ」を吹聴するマーケティングはうさんくさいものを感じるのである。
いや、ヤングが中心でも良いのだ。おっさんが紛れて楽しむことができる余地を残しておいてくれれば。



肥大したコミュニティに必要なのは新しくてカッコイイ名前

先日書いたニコニコ動画のクラスタリングに対する記事がessaさんのところで引用されていて少々びびる。まあ、確かに小さなスケールで納得させて同じ構造の大きな議題に誘導するというのはわかりやすいのだが、普段すげーと思いながら読んでいるところに自分の拙い文が載っているのは複雑な気分である。

さて、先の記事でニコニコ動画の大きさとクラスタリングについて書いたのはある記事というか問題を見たからである。後の方でそのことにつなげようと思っていたけれども忘れてた。というか、分離しておいてよかったような気もする。
もったいぶってもしょうがないのだが、その話題とは「オタクはすでに死んでいる」のかという話である。

essaさんの論に比べて世界が小さいので持ってくるのもどうかと思うのだが、今のオタクってどうよというのもスケーラビリティ問題である。なので、肥大化したコミュニティがアーキテクトへと変貌し、より小さなコミュニティの集まりとそれを構成するインフラストラクチャへと変わる様子をそのまま当てはめる事ができると考えている。
このあたり私一人の言葉だけだと足りなかったのだが、軽く一週したところですんなりと記事にすることができるようになった。

アニメ・漫画のファンのなかでも礼儀や態度がよろしくないといった「行動」を侮蔑する言葉であったオタクが、熱心な逸脱したファンといった「人となり」を形容する言葉へと変化していった。やがてアニメや漫画のファンすべてといった「コミュニティ」をさす言葉となり、趣味人全般をさす「アーキテクチャ」にまで拡張を続けた。そのうちコンテンツビジネスすべてを表す「インフラストラクチャ」になるのではなかろうか。
そのようにコミュニティ規模が変わり、意味も拡大している状態においてはたしかに80年代に確立された「オタク」という言葉とはまったく別のものになっているという意味で「死んでいる」と表現してもそう乱暴ではないと思う。
現在「オタク」と称されているものは、アニメ、漫画、ゲーム、萌え、エロゲ、コンピューターetc. 無数のコミュニティに別れ存在している。
その状況を嘆いているわけではない、進化しているのにいつまでも「オタク」という古くさい呼称で良いのですか?と疑問に思っても不思議ではないだろう。
今必要なのは「オタク」に変わってコミュニティを表現する新しくてカッコイイ言葉なんではないだろうか。「ニート」とかみたいに。

「オタクは『萌え』が登場したことで腐った」なーんて論も見かけるけど、着目点は正しい。正しくは、萌えオタとそれ以前では崇拝している物が異なる、である。
旧来のオタクはコンテンツこそが究極の対象でコンテンツを中心にみんなで語らい楽しむといったコミュニティであった。その構造が変わったということである。
この話はまた日を改めて。



技術系動画でウケを狙う

尻Pを始めとしてMTMでプレゼンを行ったメンバー全員が一目を置いている動画うp主、AYUMU氏。代表作となりつつある最近のヒット動画「バカだけどわたあめ機を作ってみた」が突然のブレイク。公開マイリストをたどって過去の作品も評価されているらしい。日の目をみてなにより。

やっていることは割と順当なんだけれども、その純粋さとチャレンジ精神に微笑みがこぼれる感じ。

最近めきめきと頭角を現している馬鹿ロボットの人tablv3氏。最新作「妹系おしゃべりロボつくってみた」が大ブレイク。お下品な内容なので心の広い人向け。

当初の目的からどんどん離れていくネタと構成が秀逸。最初から最後まで突っ込みを入れざるを得ない。

物を作ることで人を笑わそうという意志が明確で、なおかつ演出がうまいので両者とも相当なやり手である。こういった動画はなかなか作れない。
この二人が突然ブレイクしたのはどうやら自分でスイッチを切る究極のマシン、通称「働きたくないでござる箱」がおおウケして(これは普通に面白いからね)そのオススメ動画として表示されるかららしい。

こういった技術・工作系でウケを狙うためにはどうすれば良いんだろう。

Make: Tokyo Meeting の翌日は月曜日なのだけれども休みを取って、尻P、akura_you氏と秋葉原のパーツショップを歩き回った。3人して店頭であーでもないこーでもないと語りながら秋葉原を巡るのはこの上なく楽しい体験であったのですよ。
そんな感じでいろいろなパーツを見て回るのだけれども、会話のほとんどが「これウケるかね」「これでウケるためにはどう見せればよいかね」で占められていた。さすがは動画投稿者である、と客観的に感心してしまった。パーツをどう使うか、それを使って何を作るか、どんな動画を作るかといったことを常に考えながら歩いているのである。うp主ゆえのOFF会風景といったところか。

色々言葉を交わしているうちに「ウケを狙う」という単語の本当の意味が見えてきた。
尻Pもakira_you氏も視聴数を稼ぎたいわけでも有名になりたいわけでもない。動画をみて楽しんでもらうことにより工作の楽しさを知ってもらい、「自分でも作ってみたい」と思ってもらいたいのだ。なので私らの作る動画は大抵「アマチュアでもこれくらい作れますよ、みんなも作ってみませんか」といったメッセージが込められている。
そういった興味を持ってもらいたいという意味での「ウケ狙い」というと単純に笑いをとるのとはちょっと違っている。「どうやったらウケるだろうか」という言葉の真の意味は「どうやったらわかりやすく伝えることができるだろうか」なのである。

笑いをとったり人気を博すコンテンツというのは、結局のところ誰が見ても理解できるものである。
理解できる動画でありつつ、他にはない面白い要素を含んでいる。その他にはない要素が技術的なものであるというのが技術・工作系でウケる動画なのだろう。
秀逸な技術デモというのは、効果が一目でわかる理解しやすいデモの事なのだ。



工具が大好きということ

Make: Tokyo Meeting で聞いて最も印象に残っている言葉は

「男の子は工具が大好きなんだ」

という何気ない一言だったりする。

ソフトウェア系の女性が会場の熱気に当てられて Gainer を衝動買いしたらしく、それを手に「これでネギを振らせるにはどうすれば良いんですかっ!」と私らに質問してきた、という状況でのお話。
その質問に答えるべく6人くらいであれやこれやと説明していた時に出てきたのが「工具が大好き」という言葉。
これを聞いてその場に居る(工作大好きな)男性陣一同深く頷いた次第。

昔、文房具店というか画材店が大好きだった。
色んな画材を見て、手にして「ああ、これがあればアレが作れる、コレも作れるに違いない」と夢を広げるのだ。もちろん、それを買っても技術が伴わなかったりして思い通りに作れるわけではないのだけれども、どう難しいのかどういった道具があればより楽に作成できるのか見えてくるものだ。
もちろんそのように目を輝かせるのは画材だけでなく、工作道具や、コンピューター、ソフトウェア、すべてのツールに対してである。ある意味形から入っているのかもしれない。

とはいえ「コレがあればアレが作れる」という連鎖発想は割と重要で、逆を返せば「アレを作るにはコレが必要になる」といった思考もできるようになっていく物だ。実は何を創るかの「アレ」を見据えるのが最も難しく、それを据えたときにそこまでの過程を積み上げてスタートとゴールを結び付けるのが工具とその使い方、そして経験なのだろう。
不意に「アレ」が作りたいと思ったときに、十分な工具と材料が手元にあれば即座に作り始めて結果を出すことができる。ここで、工具をそろえておくことはその途中過程を万全な形で用意することに等しい。
だから工具に憧れるのだと思う。

そういった意味では、知識や経験も工具と同じで自分の中に揃えておくとイザというときに物を作るための道具になる。だから、色々なものを作って試してみたいという欲求は、ホームセンターで工具を眺めているときの気分と根は同じなのかもしれない。

〜〜〜〜〜
といっても、そういった工具にワクワクする心は「つくる」側の心理なのだろうと思う。
「つくる」側はそのような現象が全ての人にあるものと思ってやたら入門を勧めてみたり、楽しいよこっちおいでと勧誘してみたりするけれども、作ることよりも見ること消費することに楽しみを見いだす人も多いので無理に理論を引かぶせてもよろしくなかったりするのだよな。



日本における”Altoids”はなんだ?

Make: Japan の Blog で「Make用語の基礎知識 – Altoids」という記事があって面白かった。
Altoids はお菓子の名前なんだけれども、その昔ながらの缶容器が工作に最適なことからケースの代名詞みたいになっているというお話。日本で言うと牛乳パック工作とかそんなあたりか。
手に入りやすいとか部屋に必ず転がっているであろうメジャーさとかがポイントなのかな。

日本にもそういった Altoids の様な工作向けの箱はあるんかいな?
dsc06273.JPG
そう考えてふと思いついたメジャーな缶がこれ。せき・のど・たんに浅田飴。
メジャー度ではなかなかかと。

しかし浅田飴は漢方とは言え医薬品なので、のど飴みたいにもりもり消費するものじゃなかったりする。空き缶が沢山出るというわけにはいかないか。そういった意味では復刻版サクマ式ドロップスの缶の方がまだよいかもしれない。
と色々眺めてみて思ったのだけれども、こういった工作に使いやすい容器って今はほとんど無いのね。
下手にスーパーで何か買ってきてそれを容器目的で消費するのはあまり有効ではなくて、100円ショップで適当な箱を買ってきた方が良いのではないかという結論に達する。むしろ、プラスチック密閉容器最強。俗に言うタッパーね。(タッパーウェア自体は特定商品、会社名)
日本のラジオ工作少年においてタッパー容器工作はある種の帰巣的ポジションではないだろうかと思うわけである。



レポートをあげるまでがイベントですよっ!

俺の Make: Tokyo Meeting はまだ終了していないZE!!!(9月1日を過ぎても終わっていない夏休みの宿題的な意味で)

てなわけで

【まけたんソング】めーかー☆宣言!【Long ver.】 (mp3)

カラオケ(mp3)

曲だけ先行で公開しておく次第。
動画はいずれ……。



不在通知PのがっかりCD(超仮題)

なんとなく、自分がニコニコ動画のために作った残念なデキの楽曲をCD-Rにまとめてみたらどうだろうなんてことを思いつく。
流石にゲームミュージックのアレンジはアレなので、オリジナルだけで。まあ、これまでもぱらぱらと提供していたものなので、それを一箇所にまとめる的な意味合いでしかないのだけれども。
で、かき集めてみると、初音ミクのボーカル曲が6つの、BGMが22個で28トラック、41分ほど。
まずまず。

プレビュー版としてMP3(128bps)を置いておく36MBほど。
トラック名も楽曲名も入っていない不親切版。
https://www.fumi2kick.com/rrtalk/wp-content/uploads/2008/04/gakkari_cd.zip

本当にCDを焼くかどうかはしらん。



たまには振り返ってみようか

「ニコニコ技術部はこの人(不在通知P)が発祥か?」というコメントを貰うことがある。
これはその様でいて実はちょいと違う。
私の記憶している限りなので正確さは欠くのだが大体次のような流れだったと思う。(覚えている人がいたらフォローよろ)
9月の初音ミクブームまっただ中、突然独自路線で初音ミク(というかはちゅね)の動画を作成した人がいた。
初音ネギふり時計のひとである。

これを見て迅速に反応動画を作成したのが私とメトロノームの人。


この頃は「ニコニコ技術部」というタグはなく、これら工作系動画は「初音ミク実体化計画」とかいったタグがつけられたりしていた次第。
この工作系ムーブメントにいかにティンと来たかは2007年9月30日にも書いている。最初の動画から1週間もたっていない時に書いた記事だけれども、そのときの勢いがまさか今のニコニコ技術部にまで繋がって行くとはこのとき思っても居なかったですよ。
実のところ、これ以前にも「フィギュア作るよ系」は存在していたので、それとは違って工作といってもキャラクターグッズっぽくないなにかで萌えキャラ系アイテムを作るみたいなところが新しい流れの方ですな。
で、みんなで色々作って遊んでいたときにやはり実体化計画の一つである「初音ミク 実体化への道?」が投稿されたのだけれども、この動画に初めて「ニコニコ技術部」というタグがついたのだと記憶している。

なんでそんな事を覚えているのかというと「ニコニコ技術部」というタグがうらやましくて嫉妬していたから(笑)。まあ、そのうち自分の動画にもつけてもらえるようになってほくほくなわけですが。
一つタグが決まれば古い方の動画にも伝播していくので、今となってはどこが発祥かは実はわからないのです。
でもまあ、流れとしてはこのへんだよねというのは確かかと。そしてこの直後、青森の人が参戦してニコニコ技術部は独自の盛り上がりを見せていくわけです。
んや、それ以前は存在してなかったのかというとそんなこともなく。タグが固定化しないだけで、ぱらぱらと技術系動画のコロニーはありました。

さて、そんな頃の事を書いた記事を眺め返してみると意外に面白く。半年しか経ってないのに初音ミクブームは偉いことになったモノだなあと感慨深く。
例えば、初音ミク発売直後にあたる2007年9月3日の記事では「次に欲しくなるのは自由に踊るアイドルだろう」と書いていたが実現には半年かからなかった。
私が一番最初に初音ミクに言及したのが2007年8月16日で「ヴァーチャルアイドルというのは提供されて存在するのではなく、ユーザーの手によってなんとなく発生していく」と、ヴァーチャルアイドルと初音ミクをセットで扱っていたりする。
書いた本人でも読み返していて面白かったので、さらにさかのぼってMEIKOを買ったころの記事を掘り返してみる。これが2005年12月13日の記事と2005年12月15日の記事。「多少歌唱力に難があっても気にならない様なボイスを用意すれば良いんじゃないか?」とか「声には「デフォルメ」というものがほとんど存在しないんだよな。そこが確立していく必要はあるかも」とか書いてあって笑う。

未来は意外と遠くなかったんだね。



Make:日本語版を作っている人たち

野尻先生が東京を通過するとの事で、適当なところで顔合わせして 「Make: Tokyo Meeting(仮)」の打ち合わせでもしましょうかということに。
ついでなのでとMake:日本語版の編集者にも声をかけたら訳者やライターもわらわらと集まってきて、Make:日本語版制作者の座談会みたいな事に。あれー?なんでそんな場の末席に私が居るんだろうとか恐縮する次第。
なんでも前日に「CoreMemory」の著者来日イベントがあって、みんな集まっていたり終わって一息ついていたりとちょうど良いタイミングだったらしく。
余談だけれども、この「CoreMemory」というビンテージコンピューター写真集は買いです。本屋でぱらぱらと眺めた瞬間カッチョエーと脳天を殴られたような衝撃を受けレジにとんでいきましたモン。技術的なことは無くて、どっちかというと芸術的な写真集なのだけれどもね。なんというか、読んで楽しむというより本棚に飾って悦に入りたい、そんな本。

んでまあ、みんなでだらだらと Tokyo Meeting の話とか Make: の話とか。
飛び交う話題をぼんやりと聞いていて思ったのが、野尻先生も含めてみんな視点がユニバーサルというかワールドワイドだなあという点。まあ、オライリーで仕事をしている人々なので当たり前な気もするけど。
なんかここ最近そういったところから離れていたような気がして、こりゃいかんと身の引き締まる思いをする。
凄い人達に会って刺激を受けるのはやっぱり必要な事だなあ、とか。

「Make: Tokyo Meeting(仮)」の方は、まだなんか私の中でつかみ切れてなかったり。
なんか凄い参加者がいっぱいいるらしいんだけれども、それよりか一般来場者の層や人数が想像できないのでどういった切り口にするかが思い浮かばないといった感じで。
今回は私個人がどうこうより、野尻先生のフォローに回った方が良さそうな気がしております。



みっくみくなソフトウェアがOKに

「初音ミク」同人ゲームが解禁に(ITMedia記事)

長らく疑問視されていたクリプトン・フューチャー・メディアの二次創作ガイドラインのソフトウェアについての部分が改訂された。
初音ミク系のニコニコ技術部も何かにおびえなくて済むようになった次第。でもなんとなく感慨も無く。

私の方は数ヶ月前のメールに返事がもらえたわけではないため微妙かつ複雑な心境なれども、手探り的に頒布停止していたソフトウェアを再公開。様子見。




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