つぶやき 11/16/1999
数年前、CD-ROMというメディアが普及しはじめたころ、人々はこれに
熱狂した。マルチメディアタイトルという言葉が飛び交い、クリック
すると絵が換わるだけの紙芝居が乱造された。
その中の一つに「漫画がCD-ROM」になるという触れ込みがあったらし
い。またはCD-ROMクリエイターから新しいタイプの漫画家が誕生する
というのだ。
まあ、ある意味そうかもしれないが、今読むと「なんじゃそら」って
感じではある。
んが、現在でもそれは失敗と言いきれるのだろうか?漫画と同じ形態
をコンピューターにもってきているのなら失敗と言いきっても暴言で
はないだろう。やはりメディアにはメディアなりの形という物が存在
するのだ。TVで漫画は表現できない代りにアニメになっていった様に。
では、コンピューターではなにか?どうやれば漫画的な娯楽となりう
るのか。断言する勇気はないがおそらくは「ゲーム」というメディア
であろう。特にデジタルノベルというメディアは、ゲームの範疇とし
ては少々貧弱だがデジタル漫画としては最高の形態だと思う。現在は
ノベルが中心で絵が添付的だがその比率を逆転させることは十分可能
である。なおかつ分岐という概念はどのメディアにない物で、これが
受け手にとって最大のメリットとなる。
そう言った意味で「ゲーム」をデジタル世界の「漫画」と捕らえてもっ
と作家が参加して貰いたいものである。現状ではコンピューターの知
識がないとできないことなのでなかなか難しいのだが、そういったイ
ンフラは整っていくだろうし整うべきである。HTMLの様に誰でも書け
るような時代が来れば…。
まあ、現状でもHTTP(WEB, HTML)でもって実現されている世界ではあ
るのだけれども。