つぶやき 09/29/2001
Otherwise の「未来にキスを」読了。
容赦無き元長節に陶酔。そして満足。
といってもこの満足は「フロレアール」「SenseOff」と順を追って付いて
来ている者としての満足であり、期待を裏切られなかった事に対する安堵
である。このタイトルで初めて元長節に触れた人の感想というのはまった
くもって見当がつかない。エロゲーとして買った人は騙されたと思ってい
ないだろうか?願わくはそれが良い意味で裏切られた、でありますように。
歴代のタイトルがそうであったように今回も煙に巻かれた様な内容であり
その中のテーマが見えるようで明確ではない。正直、SenseOffは一読で自
分なりの解釈が完成したが、今回はしていない。消化には時間と思考、そ
して再読が必要なようだ。
そして、その結果得られた「自分なりの解釈」というのは人それぞれで、
おそらく10人いたら10人とも違う受け取り方をしているに違いない。そし
てそれはどれもが正しい。
他人の解釈はどうあれ、自分が理解した物語というのは自分の心の中にあ
りそれを眺めていることは非常に楽しい。作者がなにを言いたかったのか
ということはさして大きな問題ではない。読み手としては作者とまったく
同じにはなれないわけだから、そこには壁がある。しかし、それは悲しむ
べき事ではなく、自分は自分で物語を読んでその感想を抱いていれば良い。
そこには圧倒的な楽園が広がっているのだから。
ま、も少し平坦に言うと、物語の字面を追ってそれを理解したつもりになっ
ているのでは「未来にキスを」というタイトルを楽しんではいない。
この物語が一体何を言いたいのか、それを皆で考えるところが「ゲーム」
であり、本体なのであろう。
……そして、その答えは何処にも存在はしない。