子供の頃に食べていたものが大きくなっても影響しているよね、というお話。
ときたま、マルシンフーズのハンバーグが食べたくなるときがある。
なんでも昭和三十五年からということだから、かれこれ48年も売られている超定番商品である。
ハンバーグといっても高いモノではないので、食べたくなったら3〜5個の束で買ってきて数日はハンバーグ三昧にひたれる。今日買いに行ったら 1個 88円であった。
ケチャップで良し、パンに挟んで良し、焼き肉のたれでどんぶりご飯にのせても良しである。
マルシンハンバーグの凄いところは「久々に食いてー」と買ってきてみると、記憶通りの味で「これだよこれー」と幸せな気分に浸れるところではないかと思う。表面にラードがまぶしてあって、フライパンを温めるだけで油をひかずに焼くことができるあたりとか。ヘルシー嗜好の今時にラードかと思わなくもないけれども、これがまたうまさの一端でもあるんだよな。
最も、時代の流れで合成添加物の使用量が減っており、大豆由来の分解物や化学調味料ぐらいになっているから味も変わっているはずなんだけれどもあまりそれを感じさせてない気がする。
一方、いつの間にか美味しくなっているものもあったりする。その一つ、魚肉ソーセージ。
久々に食べたら妙に旨くなってて、しばらく冷蔵庫に常備していたほど。昔は、添加物たっぷりで食べていると歯がぎしぎしするというまずくて謎な食品だったのにな。それでも、冷蔵庫から出してすぐ食べられるので子供の頃はおやつ代わりにもぎゅもぎゅ食べていた、そんな思い出。
最近の魚肉ソーセージはみんな旨いのかー、と思って適当に買っていたら実はそんなこともなかった。安売りの良くわかんないところの奴は、あまりにもまずくて辛かった。丸大食品ももう少しがんばりましょう。
うめー、と思ったのはやはりニッスイとかその辺の魚肉ソーセージのフラグリーダーなあたり。なんと、ニッスイはケーシングに金属で止めず全部プラスチックで封をしているという新技術を導入。前歯でビリッ、ビーーーッと剥く派の人もこれで歯欠けを恐れる必要が無いというすばらしさ。
こういった100円で買える食品の中にも進歩を感じると色々と嬉しくなってくるあたり。
安い食品であるからと軽んじて見る事は無いと思う。
子供の頃に、インスタントラーメン(袋麺)のスープを高級にしたら旨くなるのかと疑問に思ったことがあり、試したことがある。それなりに美味しい中華スープを調達し、そこに茹でたインスタントラーメンの麺を入れて食べてみたのだ。すごく不味かった。
この不味い麺は、安っぽい粉のスープで食べるのだから美味しいのだと言うことを理解した。
同じように、美味しいというか庶民的なカレーうどんというのも結構難しい。カレーが良くてもうどんが良くてもそんなに美味しくならない。安い茹で玉うどんにボンカレーをかけるのが一番合っていたりもする。
全てのモノが高級であれば良いというわけではないのだ。そこそこのクラスにはそこそこなりの価値がちゃんと存在している。
そこそこの幸せは見落としがちだけれども、案外大きいのかもしれない。