Archive for 3月, 2010

写真から3DCGモデルをつくる SurveyFromPhoto

カメラでリアル物体を撮影することで形状解析を行い、3DCGモデルを生成する技術というか手法がある。
職人技によるモデリングを行わなくても3DCGモデルが作れるということで、工数を減らしたい3DCGデザイナーや絵が苦手な人が主に注目しているように思われる。
レーザーレベルやスリット光を使った光切断方式ではDAVIDTri-Coderなどがあるし、業務用の3Dスキャナもこれの大がかりなものである。
最近人気なのが、カメラで撮影するだけで立体モデルが作れるといった手法。業務用のZScannerシリーズなんてのがこれにあたるけれども、2009年末にはWEBカメラで撮影するだけで立体モデルが作れる”ProFORMA”なる研究が発表されて話題になった(WIREDVISIONの記事)。
ProFORMAはマーカーレスAR(PTAM)を3Dスキャナに応用したような形だけれども、こういった3Dスキャナに使われている技術とか解析技術とか大本はだいたい同じようなところにある。
それをいかに簡素に自動解析で行うかというのがトレンドなんだけれども、物体の特徴点抽出や画像処理を行ったことがある人間にとっては汎用で行うことは難しいというのがなんとなく見えることだろう。平たく言えば使い物になるレベルかといったら少々難しいといったところで。

しかしまあ、どれくらい不完全なのかも含めて色々と試してみたくなるのが好奇心というやつですな。
問題となるところは特徴点の自動抽出とかなわけだからそのあたりを人間の手でやったらどんな感じなのだろうというのが以前から頭にはあったのです。そんな時に見つけたのが今回紹介するフリーウェア ”SurveyFromPhoto”
対象物をいろんな角度から撮影した写真を何枚か用意して、その複数写真内で共通している空間を点で指定することで立体形状のヒントとするといったアプリ。測量とか測定とかの方面からのアプローチらしいけれども、写真から3DCGモデルを作るといった部分をみても十分に面白いので試してみるのですよ。
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By rerofumi in CG,ソフトウェア   .::. (Add your comment)

叫ぶ黒いデジカメ

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CV若本規夫な黒いあいつがやってきた。
日本のベンチャーメーカー作成の CEREVO CAM をベースに各アクション時に声優のボイスをしゃべるというイロモノおもしろガジェット。
実際にしゃべっている様子は以下などを参照のこと。

ITMedia 『「うらぁぁぁッ!」「撮るぁーッ!」――若本規夫ボイスでしゃべる「CEREVO CAM」を見てきた』

白い方は予約開始から30分で完売してしまったので黒い方。しかしこれはこれで良いものだ。
正直やかましいけれどもな。

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シールは自分で貼る形。

単体で無線LANアクセス機能を持ち、メディアやケーブルの抜き差しなしにデータを転送できるあたりはすばらしいのだけれども、コンセプトやサービスとして Eye-Fi が先行かつ良質でありどうしてもそれと比べてしまう感じ。
そういうCyber-shotもあったしね。
率直な意見をいうと、1万5000円で買えるデジカメとEye-Fiをセットで買った方がカメラとしては楽しめると思う。

なので、カメラとして真っ向勝負せず、cerevotの様な変化球でがんばって欲しいところ。
面白そうなデバイスとしてのポテンシャルはなんだか見え隠れしているんだけどな。

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たまにはサーバーメンテナンスをするのこと

本日は断続的にうちのサーバーが停止していて、その間アクセスできなくなっていた。
ここ1〜2週ほど、サーバーの一つがなんだか不調になることが多く、その度再起動をしたりしていた。特にクラッシュとか停止とかじゃないんだけれども、特定のサービスだけ止まっていたり、なんだか不安定とかいった感じ。
たぶん、るりぺこ。や koruri が大きくなってきて負荷がかかるようになってきたからだと思う。

でまあ、そんな風に再起動とかしていたのだけれども、前回の起動やメンテナンスから 300日以上経っていることがわかったので、このへんで全部止めてフルバックアップや各種アップグレード作業を行うことにした次第。
そのメンテナンス中にアクセスしようとしてできなかった人がいたらごめんなさいでした。


By rerofumi in 連絡事項   .::. (Add your comment)

電子書籍端末は双方向化を目指せないのか

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いつものように通勤電車の中でラノベを読んでいた時に、ふと文庫に挟まっている「愛読者カード」に目がとまる。いわゆるアンケートはがきという奴だ。
書籍が紙の本という形態をとり続けることについては、実は読み手にとってもメリットが多いのでこのままでもある程度はかまわないのだけれども、この愛読者カードが読者の郵送によるものという形態をとり続けるのは果たして良いことなのだろうか。

作家さんにとって「ファンレター」なるものはうれしい存在であると聞く。そういった作品に対する反応というのはどんなジャンルの作者であっても気になるものだろう。
まあ、今ではWEB上にあるレビューサイトやBlogでの読後レビュー記事などを作家本人が読んで回るといったことも可能ではあろう。しかし、そういった記事はどこにあるかわからないし偶発的な存在でしかないことが多い。
そうではなくて、アンケートや感想といった読者側にある情報を出版社はもっと低コストで数多く集める努力をしてみても良いのではないだろうかということを考えたのである。
ラノベ界隈でざっくりと見たところでは、WEBやメールでファンレターを集めている出版社はなかった。かろうじて全部ひっくるめてのご意見フォームを設置しているのがファミ通文庫のFBオンラインのみであるという状況。電撃はBBSを設置しているけれどもあんまり稼働していないなあ、publicに見える場というのも使いにくいのかもしれない。

そこで考えた。KindleでもiPadでもSONY Readerでもなんでも良いから、本を読み終えたときに端末以上で読後アンケートをとってその場で出版社にネット経由送信してしまえば良いのではないかと。これなら、読者アンケートの敷居はグンと低くなるし、出版社も数多くの反響を手にすることができる。
そして、それが行えるというのがデジタル端末ならではな付加価値なんじゃないかと。
その後、アンケートを集計して再配信したり、作家からのコメントが寄せられたりといった風に展開すれば低価格なファンサービスにもなるのではないか。

この提供者と受容者の相互関連性というのが今後ことさらにクローズアップされていくのだと思う。
そんな中にあって、旧来然としたメディア提供者は一方通行であり続けようとしている。メディアによっては確かに一方通行になりがちなのはしょうがないのだけれども、デジタル化オンライン化によって相互通信が可能になってきている。そして、人々はその相互作用性に価値を見いだし、依存し始めている。
そのような流れを生かしてこそのデジタル化なんじゃないだろうか。

プロのメディアクリエイターであっても「視聴者の生の声が聞けるから」といってニコニコ動画に投稿している例は少なくない。それと同じで、読者の声を拾う手段がいつまでたっても現れないのであれば novelist.jp の様なネット上の作品発表空間が力をつけていくのかもしれない。

[追記 Apr.04.2010]
「ラノベ界隈でざっくりと見たところでは、WEBやメールでファンレターを集めている出版社はなかった。」と書いちゃいましたが、MF文庫Jが既にアンケートはがきを廃止してWEBでのアンケートフォームへと移行していました。おそらくは2009年10月以降の刊行本からだと思うのですが、奥付にQRコードがつくようになりました。それを経由してアンケートフォームへ飛べます。
アンケートに答えると、携帯電話用待ち受け画像がもらえるということでご褒美としても手頃で良いサービスだと思います。
ただし、このアンケートフォーム、携帯電話からのアクセスしか受け付けません。DoCoMo経由のAndroidでははじかれました。読者層を若いあたりに想定していると推測するに携帯電話(除くスマートフォン)のみというのでも良いのかもしれませんが、もうちょっと幅があった方がうれしい気がします。



るりぺこ。 Ver 0.4

1ヶ月ほどまえに突然「作ったよー」とアナウンスした拙作 Twitter bot の「るりぺこ。」ですが、出力を見ながら地味ーに改良を続けているところ。制作者的には手を入れるたびにどんどん進歩していくのがわかるので可愛くてしかたがないのだけれども、外から見てるとあんまり変化がわからず相変わらず残念なことを言う娘にしか見えないかもしれず。
けれども、今回のVer0.4では大きな機能が付け加わった。mentionに対して返事をする機能の追加。@ruripeco 宛になにかつぶやくと数分後にお返事が来ると思うので、非実在友達としてご利用ください。

一応返事はするけれどもあいさつ系は弱いというか返せないので、基本るりぺこへの挨拶はしない方向でひとつ。

人工無能みたいに自然な会話を目指しているのとはちょいとちがうので、定型パターンの返信とかは持っていないのですよね。

まあ、気が向いたらかまってやってください。

twilog (http://twilog.org/ruripeco) で古い発言と今の発言を見比べると結構違うことがわかるんじゃない、かな。



無友力の高いWEBサービス

『「無友力(むゆうりょく)」という言葉を流行らせようと思います』

ライトノベル作家の森田季節氏が無友力なる言葉を提唱しているtweetを見かけた。
いかに友人が少ないか。通常は多ければ多いほど良いとされる友人数の逆をして、友人の少なさとそれに伴う「何か」の強さ(自立性とかそんなの)を肯定的にとらえ評価するための指針なんだそうな。なんというか、この、実にそそられるものがある単語ではないだろうか。
ぶっちゃけ「非コミュニケーション」の事であり、コミュニケーション力の低い事を自虐的かつ憂い顔もなく語っているだけなのだけれども、恋愛至上主義と同じくコミュニティー至上主義になりがちな風潮においてちょっと一石を投じる可能性はないだろうか。なんて言ってみる。
この「友達が居ない」とか「非コミュニティー体質」の事を最近のコメディ界隈では「残念」と称して、ラノベや漫画での1ジャンル(属性か?)として定着しつつある。平坂読氏の『僕は友達が少ない』なんてのはタイトルまんまだし、瀬那和章氏の『レンタル・フルムーン』も帯に「残念なキャラたち」とこき下ろしていた。『レンタル~』の方は人付き合いが下手と同時に、恋愛に対して鈍感な主人公とヒロイン(両方)というダブルミーニングではあったのだけれども。
そんな感じでコメディ方面ではすっかり「変態系」から「残念系」へシフトしたのではないかと見ている今日この頃。
こういった「つきあい下手」が「残念」と称してステートにして笑えるネタに転じているのを見て、ああこれがまた新しいlifestyleとして定着したのだなと見る。その昔、侮蔑用語だった「オタク」が自虐ネタへ転じてその後ひとつのスタイルになったのと同じである。最近だと恋愛至上主義との決別を「非モテ」と自虐しステート化していたのが記憶に新しい。
そこにはもう非難的な意味は含まれていないのだ。
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出版社間での書籍広告

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買った漫画をたらたらと読んでいたりしていたら、「怪物王女 11巻」の帯に目がとまる。
作家の光永康則氏がビジネスジャンプ増刊にも書いているらしく、そっちの「シンバシノミコ 1巻」と同時発売というタイアップ広告帯になっていた。こういった異なる出版社で一人の作家を持ち上げるキャンペーンというのはそんなに珍しいことでもなく、ひよひよ氏の3出版社からの単行本同時発売なども記憶に新し…くはないのか(2001年だし)。
「怪物王女 11巻」でちょっとすげえと思ったのは、通常は既刊広告になっている巻末最後の見開きページも「シンバシノミコ 1巻」の広告になっていたこと。帯だけでなく本の中にも広告があって、講談社の漫画の中に集英社の漫画の広告がある状態になっているのだな。

「怪物王女」でひとしきり感心した後傍らに転がっているラノベの帯を見て再び「おやっ?」と思う。(上の写真)
「ゴミ箱から失礼いたします 2巻」(著者:岩波零/イラスト:異識)、の帯でイラスト担当異識氏の4コマ漫画単行本の広告がされているのだ。「あっちこっち」も普通に読んでいたりするので、こういう形で3巻の発売日を知ることができてありがたかった。
しかしこの漫画、まんがタイムきららなので芳文社の広告なのよね。
ラノベでイラストレーターを持ち上げるという企画としては理にかなっているというか、なんだかずるい気もする。
イラストレーターが大作家とかでイラスト集が出るとか言うときにこういった帯広告をうつのはあったような気がするのだけれども全然関係なくタイアップしているのは珍しい気がする。単に私が見慣れていないだけで今は珍しくないのかなあ。
「ゴミ箱から失礼いたします」については著者の岩波零氏が1巻あとがきにて「異識様ファンです」とか「『あっちこっち』と抱き合わせ販売なんてどうかなぁ」等と書いていたのが元になっての事だとは思う。

こういった出版社間の協力というのも徐々にやりやすくなってきているのかね?
読者にしてみれば作家の作品が読みたいというのが多いと思うので、出版社を気にしながら買っている人というのはそんなにいなさそうではある。この出版社ならこういった系統のものが多いとかはあるかもしれないけれども、同じ作家だったらこの出版社の編集の方が優れているのでぜひともこの出版社で買っていきたいという意見はまれなんであろう。
ラノベの底辺のほうとか、新人の佳作レベルのとかだと明らかに編集の力で底上げして商品にもっていってるというのが見受けられるので、そのへんで出版社というか編集部の力量が出ることはあるとは思うけれども。

まあ、なんにせよ、読者は作家で本を買っているところがあるので、こういう「別なところで同じ作家が本を出していますよ」という情報はありがたい。


By rerofumi in 書籍   .::. (Add your comment)


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