私がニコニコ技術部に投稿している動画の中にときたまカラーインクジェットプリンターが出てくることがある。
コイツがその CANON iP90v 小型のモバイルプリンターである。
ニコニコ動画でこのプリンタが出てくるシーンにて「なんでモバイルプリンターなんだ?」というコメントが割と頻繁にポストされている。おそらく、コンピューター環境は充実している人っぽいのにプリンターだけはなんでこんな今ひとつな奴を使っているんだろうという意味なのではないかと思うのだが。
もちろんそのあたりには理由がある。理由と言うほど大層なものではないけれども。
私はインクジェットプリンターがあまり好きではなく、レーザープリンター(ページプリンター)派なのだ。ラジオネーム風に言うと「レーザープリンター大好きっ子ちゃん」である。なのでプライマリプリンターはレーザープリンターなのであった。でもたま−にカラーが必要な時があるので、必要な時だけ机にあげてプリントをする目的で iP90v を所有していた、という次第。普段は部屋の隅に転がしてある。
これがプライマリで使用していたレーザープリンター&ADF付きスキャナ DCP-1000J。コピー機としても使える。
プリンターに触れた一番最初は X1turbo の頃だっただろうか。あの頃はドットインパクトプリンタが主流で、主な用途と言えばソースコードをプリントアウトしてデバッグするとかそんな感じであった。
X68000 の頃は感熱リボンによるプリンターが主流になっていた。モノクロだけでなく三色リボンによるカラーもできるということで当時は大流行であったがいかんせんランニングコストが高かった。この頃私は大学生さんであったので、大学のレポートを印字して提出するためにプリンターを使うというのが目的となっていく。コンピューターでリポートと書くといっても理系さんにとって(当時の)ワープロは不向きで、使用していたのはもっぱら TeX(LaTeX) であった。LaTeX による数式や表組みが綺麗に早く、かつ安価で印刷できるプリンターと言うのが当時の私にとっての目的となっていく。
そんなころCANONのバブルジェットが出てくるのだが今ひとつ高くて手が出ない。それに若干遅れるようにして、YHP(横河Hewlett-Packard)が初の個人向けインクジェットプリンタ DeskJet-500J を出してくる。当時、周辺では私以外ヒューレットパッカードという名前を知らないような状態であったのだが発売と同時に購入。以後長らくご愛用の品となった。
大学も4年生になり研究室に入るとそこには当時100万円近くもした(いくらかは忘れた) PsotScriptプリンター、Apple LaserWriterII が置いてあったのである。こいつの印字を見て一目で惚れた。本と変わらないくらいのクオリティで文字が印刷されるではないですか。以後、レーザープリンター良いよね派として今に至る。
新卒で会社勤めを始めた年に、個人向けレーザープリンターが遂に 10万円を切った。あの憧れのレーザープリンターが手に届く値段になってきたと分割払いで購入したものだ。新卒初年で10万円というとかなりきつい買い物だったけれども、初めて自分の部屋にレーザープリンターが来た嬉しさはそれを上回る物があった。
この頃、同人コピー誌を作る事も多かったのでその為にもレーザープリンターは最適な機器であった。
その後アルプスの昇華型リボンなども挟みつつ、レーザープリンターとインクジェットを交互に所有しているような感じ。
結局のところ、自分は写真をプリントしない人なのでカラーインクジェットを買っても使わないというのが大きいっぽい。面の中での階調の豊かさよりも、文字や画といった線が綺麗な出力を好む様だ。
で、先のレーザープリンターに話を戻す。
数えてみると購入したのが 3年半前か 4年近いくらい前。流石に最近印刷が擦れて使い物にならなくなってきた。トナーを交換しても駄目で、ドラムが寿命な様だ。んじゃ交換するべ、とドラム+トナーの値段を調べると2万円をオーバーしてしまう。確か本体を1万9千円くらいで買ったので、それより割高になってしまいちょっと面白くない。といっても、発売当時はそれなりに高価な機種で、値下がりしたところを買ったのでそんなものかもしれない。最近の廉価型として設計されているレーザープリンターならサプライもそれなりに安いので、そっちはバランスが取れているよなあとは思う。
そうなると、いっそのこと新しいプリンターを買うかという考えも出てくる。
そこで久々にレーザープリンター好きのもう一つの憧れが鎌首をもたげてくるのである。
「カラーレーザープリンターを個人で所有したい」
カラーレーザープリンターが10万円を切って久しい。以前モノクロレーザープリンターが10万円を切ったときと同じくらいの衝撃を、カラーの時も受けたけれどもそのときは特にカラーを扱う用途を持っていなかったので特に検討はしなかった。だが、最近はカラーを使う機会もそれなりにあり、物によっては5万円を切っているじゃないですか。
色々と検討を重ねた結果、「えいや」っと奮発することにした。
我が家にカラーレーザープリンター&コピー機がやってきた。お値段 7万円弱ほど。
プリンターだけなら両面印刷付きとかも買えるのだけれども、スキャナやコピーもたまに使って便利なので複合機からは離れられなかった。イーサネットインタフェース内蔵で、LAN経由でのプリントだけでなく、スキャナの共有もできるのがポイント。
これで、自宅にいながらカラー表紙のコピー誌が作れるね!って最近はそういった同人誌を作るような活動していないけれども。
前面メンテナンスで、各ユニットが取り外しできるのでがちゃがちゃと合体変形おもちゃで遊んでいるみたいで楽しい。しかし、トナーセットの手間とかを考えても、一般家庭向きじゃないよなあとは思う。レーザープリンター自体メンテナンスが必要だから誰にでもという商品ではないのか。
昨年の機種だけれども、印刷スピードはなかなかなもの。本当に、モノクロ印刷とカラー印刷が同じ速度なのはちょいと感動した。その辺がこいつのエンジンの売りなんだけれども。
他にも色々機能向上していて、新しいのを買って良かったなあと満足できた次第。
実のところカラーの画質はそんなに良いわけでもない。傍らにあったラノベ表紙をコピーして比較。
4色カラーであることを考えればこんなもの?といった感じ。ただディザリングがインクジェットプリンタのほとんどで使われている誤差拡散ではなくて、30度格子のオーダードディザマトリクスなのが特徴的。個人的には誤差拡散よりこっちの方が好き。
(訂正:上質紙にグラフィック綺麗モードで印刷したら十分使える画質だった)
まあ、値段の他にも筐体の大きさとか、重さとか、それらによる設置の手間とかが結構あって実際はそれらが障害になってなかなかカラーレーザープリンターの購入に踏み切れないというのがあると思う。
本当にこの重さはきついわ。