Archive for 12月, 2007

2007年もおしまいです

除夜の鐘を聞きつつ AT-XのARIA The animation 〜 The Natual の一気放送を鑑賞している、そんな大晦日。

2007年は私にとってどんな年?と振り返ると、もうまったくもって「ニコニコ動画の年」であった。
数えてみるとこれまでに47本の動画を投稿しているのであるが、おしなべてみると1週間に1本以上のペースだったりする。2〜3時間で作成したのもあれば撮影・作成にまる1週間以上かかっている動画もあった。
流石に会社勤めしながらそれらを作るのには結構な労力をつかうもので、ほとんどのパワーをニコニコ動画に費やしたと言っても過言じゃないかもしれない。ちょっぴり反省もしつつ。

なんでニコニコ動画なのかと言うとそれなりに理由もあったりする。
私は以前、時間差でチャットができるVirtual Synchro Chat なるものを作成して公開していたことがある。これは、アニメとかで実況チャットをやりたくても地方によって放送時間が異なっていたり、ビデオレコーダでタイムシフト視聴をすることが主流で通常の実況チャットがしにくい事に端を発する。
コンピュータとネットワークの発展で色々なものを超える事ができるようになったので、時間を超えて共有することができるであろうと考えての実験であった。
そんなことを考えていたほどなので、ニコニコ動画が発表されたときにそれを同じコンセプトのものだと感じた。自分のアイディアに自身もあったので、これ(ニコニコ)はいけている!と強い確信を得た次第。

んが、日本での Youtube 利用状況が抱えている問題をそのままニコニコ動画でも抱えることになる。権利コンテンツの無断掲載である。
Youtube での状況を踏まえ権利的に問題ないコンテンツだけを掲載しようという動画サイトがパラパラと出始めている頃であった。
そういった対違法コンテンツを扱うサイトを眺めて回ったが、どうにもつまらない。ニコニコ動画のあの面白さが存在していないのだ。
では、ニコニコ動画は違法コンテンツだから面白いのか?そんなことは絶対にないのである。あのシステムは秀逸だ。違法コンテンツじゃないと、あそこでは盛り上がることができないのだろうか?それもまた否定できそうな気がする。
そこで、自作の動画はニコニコで本当に受け入れられないものなのだろうかということを、実際に投稿することで実証・確認する事にした次第。
「ニコニコは自作コンテンツが楽しい場」となることをちょっと期待しつつ。

で、今日に至る。
初音ミクの発売以降はもう語る必要も無いほどで、ユーザー作成動画が楽しいニコニコ動画という空気はそれなりに存在しているのではないだろうか。
まだまだ解決すべき問題はあるだろうけれども、ご託よりもなによりも楽しいものなのだよということが感じて貰えることが重要かと。
同人誌即売会のオンライン版みたいな祭りを期待していたんだけれども、それとは異なるが負けてもいない独特なお祭り会場になっているんじゃないかなあ。

さて、次はどんなところを目指そうか。


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鏡音リンが歌う「お正月」

なんだか、まだまだかわいい歌声の鏡音リンが少ないみたい。
参考になるかどうかわからないけれども、私のデータを置いておくのです。

毎度のサンプル曲「お正月」
rin_newyear_mix.mp3
そのVOCALOID部分vsqファイル
rin_newyear_vocal.zip

VOCALOIDから出力した素の音声はこんな感じになる。
rin_newyear_bare.mp3
これにエフェクターをかけて加工してやると以下の様に
rin_newyear_effect.mp3
ここで使用しているエフェクターは、
ディエッサー→イコライザー→コンプレッサー→リバーブ→コーラス
といったところ。
もちろんエフェクトはかけなきゃいけないというわけではないし、どういったものをかけるかは各人のレシピがあるはず。

おまけ
rin_icon.png
リン生首
len_icon.png
レン生首
リンのヘッドバンドを描き忘れているあたりはご愛敬。
利用はご自由に。


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鏡音リン・レンをもうちょっといじってみた

まあ先日の記事だけで終わるのもなんだし、ニコニコ動画の「鏡音リンが来ない?来た?」タグでみんなひっそり遊んでいるのでそれにならって1曲作ってみた。

sm1896439このへん

前回の「初音ミクが届いたのでうかれているようです」ではグラディウスだったので、再度シューティングゲームを選択してパターンは同じ感じで。まあ、今回は誰かをDISったりしていないけれども。
ツインボーカルであることと、パワーボイスであることを生かせるというか確認できる様なチョイス。もっとも、この曲調が「熱い」と感じるのはオッサンだけなのかもしらんなー。

んでまあ、一曲仕上げる時に気がついた鏡音リン・レンの癖など。

  • 母音の「あ」だけ妙に音圧が高い
  • リンはきちんと歌わせてみるとかなりかわいい

後者の方は単なる感想だな。でも、ロボ声だとその良さが全然わからんのですよ。
ボーカロイドの出力は一語一語音圧がばらばらになりがちでそれを均一にするのが自然な歌声にするための作業となる。んでまあ、Dynを必死こいて弄ったりするんだけれども、鏡音リン・レンはそれが激しいのです。多分。
だから、いったんWAVに出力して、波形編集で音圧を整えた方が良いと思う。というか、私はいつもそうやっているんだけれども。あーちなみにV-Vocal使うというのはピッチを補正するためではなく、音圧を補正するため。普通の波形編集やエンベローブコントロールでも直せる。ピッチやタイミングは確かに微妙にずれてはいるんだけれども気になるほどずれる事はまれと思う。

後半が早口スキャットなのはグラディウスのときのビッグコアと同じでそれを繰り返しているだけなんだけれども、実はこれ特性をつかむための早口試験だったりする。「アマゾン」が「タマキン」に聞こえるのは、初音ミクが「ざじずぜぞ」の子音を強く発声できないから。今回もレンに「ちゅるりらー」と歌わせたのに「つるぺたー」にしか聞こえないとか。早口でつぶれる音はどれか、とか。
んで、これをやってナルホドと思ったところで本編の作成に入っているのです。

今回は来ない?来た?ではなく「ロードローラー」祭りですな。
乱数Pはデビュー作(こぎつねこんこん)からファンで追いかけているのだけれども、ハイセンスすぎて接点が持てないあたり。接点が持てないというと目玉Pも何か近しい物を感じ続けているけれども、こちらもなんとなく機会がなくて。


By rerofumi in DTM,ニコニコ動画   .::. (Add your comment)

鏡音リン・レンが届いたよ

発売日到着となるように発送されたものの、実際手元に来たのが21:30を回ってからだったのでほとんどいじれていません。まあ、宅配のおっちゃんも大変だったということで。
今日はニコニコ動画も怪しげなメンテナンス中だし、なんもできなかったなあ。

早速インストールして、ちょっとだけリン・レンをいじってみた感想。
本当にちょっとしかいじっていないので正しいかどうかはしらん。ファーストインプレッション程度に。

  • VEL中心の調整だとそんなに破綻してないかも、でも調整しなおし。
  • Pit中心の調整をしていた人だと泣くかもね。
  • RinはGenをいじるとちゃんと変化するし結構大きく動かしても聞ける、76あたりがお気に入り。
  • LenはGenをいじっても変化しない。あの声のまま使えるところで使っていく風味。
  • LenのGenを極端に上か下に張り付かせて生物ではないロボ声にしてしまったほうが、面白いかも。
  • Dynに敏感?というか音圧が変化しているのに倍音成分が変化していないように聞こえるので、しぼるとキンキンとした感じになってしまう。
  • Briが元々オープンに近く、高くしてもミクほど変化しない、逆に低くして倍音を絞るような使い方になると思うけれども、それだと溶けたような声になってしまう。個人的にはこのまま出力してDAW上でeqを使い高音を削るような形で整えている。

前に野暮用でミクに歌わせた「シャボン玉(童謡)」をリンに歌わせてみた。

rin_bubble.mp3

もちろん素の状態じゃなくて、いろいろなエフェクト(V-Vocalも含む)をかけた後のもの。


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ラジオサーバーをつくろう 〜 番組切り出し編 〜

前回は、24時間ノンストップでどんどん録音していくシステムを作成した。これだと、HDDがパンクするまでだらだらと録音していくだけなので、1日に1回これを整理し欲しいところを番組として切りだす仕組みを作成する。

このあたりはシェルスクリプトとrubyスクリプトでえいやと作成してしまえばよい。MacOSXにはrubyが標準で入っているあたりが極楽だのう。(むろんPythonやPerlも標準添付)
やることと設計としては以下のようになる。

■作業内容
・ビットファイルを作業領域に全ムーブ
・ビットファイル全てにwavヘッダーを付与
・プレーンwavをmp3に圧縮
・プレーンwavを全削除
・プレーンmp3を、全放送mp3フォルダにムーブ
・プレーンmp3で3日以上前の物を全削除
・録音リストからビットファイルを結合して番組ビットファイルを作成
・番組ビットファイル全てにwavヘッダーを付与
・番組wavをmp3に圧縮
・番組wavを全削除
・番組mp3をフォルダ分類

■作成するもの
1. cron起動する大家スクリプト (radio_works)
1.1. 作業フォルダの掃除
1.2. ビットファイルのムーブ
1.3. 各スクリプトの呼び出し
2. ビットファイルからmp3を作るスクリプト (str2mp3)
3. プレーンmp3管理スクリプト (radio_plane_mp3)
4. 番組リストワーク (radio_contents ruby)
5. 番組mp3のフォルダ分類スクリプト (radio_filing ruby)

録音リストというのは以下のような書式。

番組タイトル radio 1 21:30 30 AM

詳しくはLinuxのときの記事参照。
ちなみに録音ファイルには、月・日・時・分を8桁の数字にしたものがファイル名に付いており 01232330.str のようになっている。それを録音時間として扱っている次第。

細かい説明はすっとばして radio_works 以外のスクリプト。
radioserver.zip

これでおおよそそろったので一応のおしまい。



ラジオサーバーをつくろう 〜 録音編 〜

新しいラジオサーバーというか録音システムを作りたくて、制作を始めたというのがここまでのお話。
では、どんなものを作りたいと思ったのかというところから。

AMラジオをアナログで細々と録音するにはそんなにスペックが必要でもない。PCM録音で言うと 11025Hz 16bit mono といったあたりで十分なのです。そのビットレートで24時間丸一日録音したとすると 1GBちょっとになるのですな。
一昔前ならともかく、今時のコンピュータだと「どうということはない」数字。
そこで、富豪アーキテクトが発動するわけですな。
これまでエアチェックというと「何時から何時まで」と番組を狙い時間を決めてその間だけ録音していたわけです。ラジオサーバーはその「何時から何時まで」録音を自動化するためのシステム。これの問題は何かというと、スポーツ中継による延長に対応できない、ということと特別番組編成に弱いということ。別な言い方をすると、特別な状況に対応できず、録り逃したものは完全にあきらめるしかないということでもある。
これを富豪アーキテクトにかけると「じゃあ、24時間丸々録音すれば良いじゃん」という事になる。
「何時から何時まで」を録音するのではなく、全てを録音しておき「何時から何時まで」の部分を切り出すことでエアーチェックするというシステムを考えた。もし、時間移動があったとしても元の24時間の方から切り出し直せばいいだけだし、やっぱりあれが聞きたかったという要求にも1日以内であれば対応できる。

じゃあやってみようかー、と思ってもこの「24時間ノンストップで切れ目無く録音し続ける」といった部分が案外難しい。サーバーとしてコマンドラインから録音コントロールしたいという要求も相まって自作するしかなくなる。
Read more…



初音ミクはユーザーのエイリアスとして歩き続ける

なんとなくつっこんでおきたかったので屑エントリー。

初音ミクが最初に引っかかった問題はTBSでなくてアマゾンですよ。
はっ、もしかしてあのC-D交換日記は「初音ミクが来ない?来た?」のオマージュだったのか!!??


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ラジオサーバーをつくろう 〜 これまで編 〜

以前Linux萌え萌え大作戦の中で「ラジオサーバー」なるものを作成した記事を書いた事がある。記事その1その2
ラジオサーバーといっても大それたものではなく、24時間つけっぱなしにしているラジオをこれまた24時間起動しているPCの音声入力端子に繋いで、タイマーで定期的に番組を録音しようというだけの話である。
当初はLinuxサーバーにこの機能を実装して使用していたが、2〜3台のサーバーマシン入れ替えの後、余っていた初代MacMini(PowerPC機だよ)に代替わりをしていた。
そんな、MacMiniが2年間の運用の後ハードウェア的に故障して壊れてしまう。今年9月の事であった。
7年間連続で動作し、録音を続けていたラジオサーバーが停止の時を迎える。

いい加減地上波のアニラジも聞かなくなってきており、アニラジはWEBの方に大体以降してしまったよなあという昨今。さて、この地上波ラジオを録音するためのラジオサーバーを新しく立てるかどうか悩み続けていた。
色々考えたあげく、ちとやってみたい事があったので再度構築することにした次第。
ここからシリーズで新世代ラジオサーバー構築の記事が続くのだけれども、その前に直前まで動いていたMacMiniでのラジオ録音環境について書き残しておきたい。いつか紹介しようと思っていたのだけれども、なんとなく機を逸していた話題なので。

Linuxで動作させていたものをMacOSXに持っていくといっても、MacOSXにはcronとrubyあるので大して難しいことはなさそうである。だが、cronから「録音」をさせようと言うところが少々の障害となった。MacだとGUIを伴う録音ソフトは多くあるのだけれども、コマンドラインやシェルスクリプトから利用できるNonGUIな録音コマンドがなかなか存在しない。
色々考えた末に取った手段が、シェルスクリプトからAppleScriptを実行し、AppleScriptでQuickTimePlayerをコントロールするといった手順。これだと録音時にQuickTimePlayerが画面に表示されてしまうけれども、一応cron起動のシェルスクリプトから録音をコントロールすることはできた。
QuickTimePlayerで録音すると基本 .mov ファイルになる。録音後ファイル形式を選ぼうとすると変換に時間がかかってしまうので、.mov 形式でどんどん録音だけして行き変換は後で行うことにする。
変換は後で一括して行うが、これはQuickTimePlayerを再度AppleScriptで起動し、.mov を読み込んで .aiff で保存するようスクリプトでコントロールする。それで一括して .aiff にしたあと lame でMP3にするといった流れ。この変換だけで1時間以上かかる作業だけれども、全自動なので特に問題は無し。

とまあ、ちょっと面白い形で構成していたMacMini版のラジオサーバー。今は、マシンクラッシュのためそのスクリプトとかも失われてしまったのである。
さて、次はどんな構成でラジオサーバーを作るのか、それは次の記事にて。



ゲームニュースが報じてくれない据置型ゲーム水面下の戦い

体質的に3D酔い持ちでそれがかなり激しいが故に今どきのゲームタイトルにはさっぱりついていけないオールドタイプゲーマーな私なのだけれども、気がついてみるとXBox360、PS3、Wiiと据置型ゲームは一通り揃えていたりする。まあ、発売から1年以上もたっているし一時に買い集めたわけでもないのでこんなものか。
なんのかんのいってもゲーム自体は好きだし、3Dものが苦手なら苦手なりに遊ぶゲームを選んでいるだけの話。

据え置き型ゲーム機御三家で遊んでます?と聞かれる事がある。この質問の裏には「今時のゲームつまんなくないですか?」という事に対する同意を期待する向きが含まれている事が多い。
実は案外遊んでいたりする。ひょっとしたら意外なのかもしれないけれども、三台の中でPS3が一番稼働率が高かったりするのだ。
もちろん、この話にはひねりがある。PS3のゲームで遊んでいるといっても、パッケージソフトの事ではなくダウンロード販売の“Star Strike HD”をタダひたすらプレイしているといった状況なのだ。
StarStrikeHD はアタリの超レトロゲーである “Asteroid” のリメイクなんだけれども、とにかく撃て撃て、壊せ壊せで気持ちがよい。私が下手くそなのも相まって割とさっくりゲームオーバーになるので「良しもう一回」とついつい遊んでしまうのである。
実のところ、WiiもXBox360もダウンロード販売のゲームがお目当てで買っているところが大きい。Wiiの場合はヴァーチャルコンソールですな。正直、Wiiの通常タイトルよりも、ヴァーチャルコンソールの「パネルでポン」一本の方が熱中できると思う。パネポンのコストパフォーマンスの高さは異常。
PS3の方でも「出たら絶対買う」と心に決めていたPixelJunk モンスターズが発売になったので飛びついている。これは、昨年禁止令が出そうなほどに中毒者を排出したFlashゲーム“Tower Defence”とその亜流(たくさんある)をアレンジしたもの。案の状面白くて、夜を徹して遊びこんでしまうほど。(でも、ちと難しくないですか)
なにげにこのPixelJunkモンスターズ、PSPでのリモートプレイに対応した初のPS3ゲームだったりする。ちょっとしたときにPSPでリモート起動して遊べるあたりするところがもの凄いトラップ。でも、PS3のファームウェア2.10でPSソフト全部がPSPのリモートプレイで遊べる様になったのでインパクトは薄まったのだけれども。
PS3のダウンロードゲームと言えば“Dark Mist”も地味に良作。アクションシューティングなんだけれども、なんだかRPG要素の無くなったゼルダみたいな感じ。普通にアクション。でも、こういう手頃なのが遊びたかったんだよー、といった感じで好感触。イメージイラストだとピンとこないかもしれないけれども、主人公のアルテミスがあげる悲鳴とかいちいち可愛かったりする。
世間の評判を見ると「おっさんホイホイ」で固定されていたりして。今時のゲームと比べると変化が無くて地味に見えるのかなあ、やっぱ。というか、演出過剰に慣れすぎているのかもしれず。

てな感じで、各機種のダウンロード販売ゲームが色々とツボをついてくれるので、その方面で十分にビデオゲームを堪能している次第。むしろオンライン販売ゲームの方が各社の狙いとか、今後の展開をかいま見せてくれていて楽しいのではないかとも思う。
まあ、このへん私が単にパッケージソフトに見切りを付けた人だからというのもあるかもしれないけれども。
しかし、これらダウンロード販売ゲームはもっと取り上げられても良いと思うのになぜかゲーム系ニュースサイトや雑誌では小さくちょっとだけ紹介しておしまいとなっている。このあたり、様々な思惑があるので扱えないのだろうか。
一番影響がありそうなのは小売店の存在である。ダウンロード販売は直販なので、小売店や在庫、流通といった既存の販売網を全てスキップする事になる。
そういった既存の関係を意識すると大きく取り上げる事ができないのだろう。

ダウンロード販売は売る側としても数々のメリットが存在する。
在庫を抱えなくても良いし、パッケージ生産数の読みをしなくても良い。何より在庫切れで商機を逃すことが無い。そんな当たり前の事ではなく、もっと大きな理由がある。直販ゆえにお客様が見えるのだ。
据え置きゲーム機にはプレイヤーインフォメーションとしてユーザー情報が登録されている。その詳細とまでは行かなくても、何歳くらいの人か、男か女かといった情報くらいは購入履歴からバッチリわかる。いままで欲しくても詳細がわからなかったユーザー層のデータがはっきりとわかるのだ。
もっと極端な事を言うとスコアランキングの送信などにより、そのゲームがどれくらい遊ばれたかという販売後の追跡も可能になる。まあ、さすがにそこまでやるとユーザーの生活が透けて見えるため個人情報保護の意味合いで行わないであろうけれども。
逆にユーザーも個人情報保護の規約をちゃんと読んで、どういった情報までが収集されているかを把握しておく必要がでてくると思う。

そういった色々な状況から、据え置き型ゲーム機の戦場はダウンロード販売の方で繰り広げられているのではないかと思うわけだ。けれども、なぜかこのことは取り上げられない。水面下の争いなのである。
もっとも、購入者のどれくらいがネットワークに接続しているかという問題があるため、ネットワーク接続をするようにどれだけ誘導できるかといった壁がまずはあるんだろうなぁ。
そう考えるとトロは絶妙なポジションに存在している。



ジャンヌ・ダルクは捕らえられたのか

みくみくJASRAC【してやんよ】な話題。
経緯とかまとめとかは「初音ミクニュース」あたりのクリップを参照するのがよろしいかと。
実のところ、この事件(?)は当事者同士の言論が曖昧なところとか、周囲の危なっかしいほどに過剰な反応とかからどういった認識で居ればよいのか飲み込めないでいる。よくわからないが故の中立といった感じで静観しているといった状態。

でも眺めていると「許すまじ」派と「別に良いじゃない」派の温度差というか隔たりが凄い事に気がついてみる。そこに違和感を感じていたんだけれども、なるほどねというか。
「別に良いじゃないか」派は事象しか見ていないので今回の事件(?)に対しての的確なコメントしかできないんだ。「許すまじ」派が感情的にヒートしている理由は事象そのものとは別な所に論点がある。だからそれが見えていないとなぜあそこまで声高になるのかがわからないかもしれない。

何かというと、初音ミクは旧来メディアやJASRACといった権利者および権利者代行団体に対するアンチテーゼシンボルとして祭られて来ていたのだ。
これまでに「初音ミクとニコニコでCGMが花開く」という言葉がどれくらい記事の上に舞ったことか。まさに、メディアに対し戦いを挑む職人達のシンボルであり、旗を振り(歌をうたい)鼓舞するジャンヌ・ダルクであった。
その美しきシンボルが仮想敵であるJASRACに権利登録されてしまったのである。いままで御旗の元で歌ってきた歌が、仮想敵の権利で全て染まっていく。これまで信じて祭ってきた象徴が冷徹な権威に捕らわれると考えればどれくらい大きな事だったかというのは想像はできるかしらん。
# なんかそういうプロットでエロ漫画ができそうと思ってしまったのは秘密だ

お金を払いJASRAC経由で権利者、制作者に届くことは割とどうでも良い……と思ったけれども、現在該当楽曲が使われている動画の数が凄いから影響はあるか。
どちらかというと、ニコニコのJASRAC契約が怪しくない?(もう始まっているという話もあるけれども)
これって、私らががんばってオリジナル楽曲を作ってそれを盛り上げれば盛り上げるほど、ニコニコ市場で買い物をすればするほど、JASRACに支払われるお金が多くなるって事でもあるんじゃないの?
ほんじゃ、なんのためにオリジナルにこだわっているんだというところがちょっとだけ折れてしまいそうな気がしてみたり、そのお金は誰の所に届くんだという気がしてみなかったり。

ああ、そうそう、初音ミクでCGMすげーと目覚めた人は敢えてここで「伽藍とバザール」を読んでみるというのはどうだろう?いまここで読み返すというところに意味があるかもしれない。




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