総務省が、ネット社会での子どもの教育やコンテンツのありかたについて考えるシンポジウム「ネット・キッズ・ポップ」とやらを開いたとかで ITMedia に記事が載っている。
この中にあるアニメプロデューサー竹内さんの言葉が印象的。
「海外ではアニメを作っていれば、クリエイターとして尊敬されるが、日本はまず“オタク”という色眼鏡で見られる。オタクを無下にバカにするのはやめましょうと、学校で教育して欲しい」
よし!良いこと言った!
私が思っている事をすぱっと言ってくれた。
いつか一筆書こうかと思ってはいたのだが、長くなりそうというかなんとなくひがみっぽくなってしまうので置いておいたネタがある。
9月に Linux World があってそこでの講演でまたやってくれたのである。
日本におけるオープンソースの取り組み状況を見て「OSSの世界でもイチローや中田が出てきてほしい」とかいう台詞が飛び出した。これは世界で活躍することができるような優れた IT 技術者が出てきてくれないものかといったもので、それ自体は正当な言葉である。
しかし、私に言わせれば「ふざけるな」といったところでしかない。
イチローや中田といったスタープレイヤーが登場するためには、その業種が少年少女の憧れである必要がある。それに、少年期からそういった道へ進むことを皆が「奨励」しなければならないのではないか。
今の状況はどうだ?学生時代にずっとコンピュータに向かって一日中熱心にキーボードを叩いている少年に対し「勉強熱心だな、将来は大物 IT 技術者になってくれよ」と励ましているのか?「うちの子ったらフリーソフトを公開してダウンロード数ものびてますの」と近所のおばちゃんに自慢しているか?
大抵の場合は「コンピュータオタク」というレッテルを貼られ、外に出てスポーツでもせんかといぶしがられるのがオチではないか。ましてや、多くの人が支持し世界を揺り動かすようなソフトを作ったら逮捕され犯罪者扱いを受けるような国である。
そんな状況では自分の趣味や技術に対してコンプレックスを持ってしまうのが当然ではないだろうか。そしてそのコンプレックスに潰されないでいられる一握りの人たちだけがほそぼそと IT 業界を支えているが実情ではないのか。
わかりやすいところでコンピュータ技術者を題材にしたが、漫画、アニメ、ゲームにおいても大して変わらないところであろう。
もっとクリエイターの非凡さ凄さを知るべきである。そしてそういった人たちが胸を張って創作活動が行える国になるかどうかは、それ以外の多くの人たち認識にかかっていると私は思っている。
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