Archive for the 'ゲーム' Category

WebVR と PanoSHOT!

https://game.fumi2kick.com/webvr-project/
WebVR の手習いで作成した小物ゲームを自サイトに置いた。試してみて欲しい。
VR HMD が無くても遊べるように作ってある。

PSVR は持っていて発売日以来楽しんでいたのだが、自分でコンテンツを作るということに関しては特に手を出してこなかった。
昨年末に発売された WindowsMR HMD +コントローラーを入手し、PC での VR ができるようになったとともに、これで楽しめるコンテンツの作成方法についてちょっと調べようという気分になってきた次第。

Unity とかだとビルド時にオプションスイッチつけるだけで VR コンテンツになったりして確かに簡単だったりする。

けど自分が面白いと思ったのは、ブラウザの WebGL と JavaScript で構成、配信されている WebVR の方だった。
WebVR は Sketchfab で使われており、VR HMD を用意した状態でコンテンツ表示の右下にある眼鏡ボタンを押すと 3Dモデルが VR 空間で閲覧できたりする。これがとても刺激的だった。

WebVR なら作ったものを httpd で配信できるというのも良い。ぜひ WebVR による VR コンテンツを作ってみたい、と思った次第なのである。

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WQHD版 komevader

WQHD (2560×1440 pixel) の PCディスプレイもずいぶんと安くなってきた。
5万円前後の WQHD ディスプレイがぱらぱらと現れるなか、IODATA も LCD-MF271CGBR を出してきたので「そろそろ買うべえか」と購入してみた。
なんで IODATA かというと、在庫があってすぐ届きそうだったから。

届いて設置して広さを味わっている所なのだけれども、どれくらい広いかをさらに楽しむために WQHD 版のインベーダーゲームを作るかと以前作成した komevader を改造して高解像度対応にしてみた。

元が 320×240 サイズのを 2500x1300pixel ほどに引き延ばしているので偉い無理があるけれども、そこがネタということでひとつ。

元のサイズ。

Windows版バイナリは以下
Download: komevader_wqhd.zip
WQHD のみだと利用できる人が少ないので 1920x1080pixel のパネルでも遊べる HD 版を同梱してある。
SDL を利用しているので SDL.dll も含んでいる次第。

ソースコードはこちら
Download: komevader_wqhd_src.7z
今回は VisualStudio でビルドしているけれども、純粋にソースコードのみでプロジェクトとかはないのであしからず。

クリアできるようには作ってないので、たぶん無理なんじゃないかな。

— Nov.24.2012 追記
上記 exe ファイルは実行時に Visual C++ 2012 のランタイムが必要なのを失念してました。
実行時はあらかじめ VC2012 のランタイムをインストールしておいてください。

手習いで VC2012ランタイムを含んだインストーラーも用意してみた。
自分でランタイムをインストールするのが手間だという方はお試しください。
Download: komevader_wqhd_setup.exe
Download: komevader_hd_setup.exe



過去ゲームのAndroid移植版


秋月かたね氏が拙作の古い SDL ゲームを Android で動かしてくれたよ、という紹介記事。

PSP や GP2X の homebrew 界隈でいろいろやっていたときに交流があった SDL 仲間。
SDL はマルチプラットフォームライブラリなので、それで作っておけば割といろんな環境に移植しやすかったりする。
でまあ、SDL for Android というライブラリがあるのでこれを使って拙作のあれこれをビルドしてみてくれたらしい。
ありがたいありがたい。こういうコード使い回しをだれかがやってくれるというのがオープンソースとかの醍醐味だね。

秋月かたね氏は特に配布ページを持っていないとのことで、public 設定の SkyDrive にて公開されている。
http://sdrv.ms/MlCmFF

apk で配布されているので、実際に Android機で動作させるには apk をインストールする手順が必要になる。パッケージマネージャを使うとか、adb を使うとか。
そのへんの技量がある方が扱ってくださいまし。


まあ、古いゲームはどうしても今見るとつらいものがある感じ。
あの頃は OpenGL が動かない様なハード(特にGP2X)用にシンプルなビットマップコピーメインだったからなあ。
なので、最近作ったもので TCGS-Cave と同じく OpenGL を使っている LasterShoot の移植もお願いしてみた。

良かったら遊んでみてください、と
単なる宣伝記事。



長時間ゲームをする理由を考える


『圧倒的遊戯ムゲンソウルズ』というゲームを久々に遊び込んでいる。
個人的な感覚では総プレイ時間が100時間を超えると「あ~遊びこんだな~」という手応えを得るようだ。それは多分、他の途中で投げ出したゲームが大体 20時間未満とかだから 100時間も行けたら存分に何かを超えていると判断できるからなんじゃないかと思っている。

ムゲンソウルズはジャンルとしてはRPGで、美少女絶対神『シュシュ』が8つの萌え属性を表現する姿に変化して世界各地を萌え落として全てを下僕にしていく、といった割とアレな感じの設定。シュシュのピンク色したちっこい姿は「わがまま」属性で、その他7つの属性に変化していく。そんな設定なので登場人物が全てアレな感じの性癖や性格を持っていてドタバタギャグとして結構楽しい。
実のところあまり情報を得ないで買ったので、そんな内容だったのかとプレイを始めてびっくりした経緯がある。これはこれでかなり楽しいので個人的に当たりではあったのだが。
そんなゲームをなんで買ったのかというと、キャラとかストーリーとかの前にゲームシステムが超ヤリ込み系でツボりそうだったからなんですな。
私をよく知る人は、日本一ソフトウェアのゲームが大好きで『魔界戦記ディスガイア』を良くプレイしていることをわかっていると思う。そのディスガイアシリーズとは関係がなく、制作会社も違うのだけれどもだいたい同じような路線で作られているシステムというあたりに興味を持ったのである。
佐藤天平氏が楽曲提供をしていたりするのでディスガイアとスタッフがかぶっているようなことを言われているようだけれども、実際は一部にゲスト参加的なニュアンスっぽい。佐藤天平氏の楽曲も OP/ED 以外は10曲と2割ぐらいの参加率となっている。
正直完成度とかお勧めしにくいところはあるのだけれども、そういったバランスの歪みってのは逆にゲームの魅力だったりするのでこれはこれで良いのです。後は自分が気に入るかどうか。

そんなこんなで始めたムゲンソウルズだけれども、ヤリ込みインフレゲーとしては割と期待通りでダラダラと遊ぶことができる内容になってる。
大体 50時間くらいかけて Lv100~200に達したところでストーリーモードを終えることができて通常EDで1周終了なのだが、ここまでがチュートリアルで本番はこれからといったディスガイア的な遊び方ができるようになっていく。
ゲームシステムやボーナス要素は正直複雑で全然理解できないし、それらを使わなくても1周クリアできるのだけれども、その先稼ぎや育成といったターンに入るとこれら無駄に見えたシステムやパラメータが全て必要になってくる。そして、おーそういうことかとか言いつつ新しい稼ぎルートを見いだして更なる高見へと上っていくのだ。
この手のヤリ込みゲーにはおなじみの汎用キャラクターと育成のための転生もあって、これがまた蟻地獄的な要素だったりする。転生はキャラクターを鍛えるために転職やパラメータ引き継ぎを行うのだけれども、そのときに育てたキャラクターのレベルが 1 に戻ってしまう。ヤリ込みに慣れていないと「レベルが1に戻るなんてとんでもない!」と思うかもしれないけれど、慣れた者にとってはレベル1からのやり直しなんて日常の行為である。
最初の1周のときは 50時間かけて Lv100 まで育てているけれども、それを超えて Lv1000 に達した頃には、Lv1からLv100まで育て直すのには 5分くらいしかかからないようになっている。そういった効率的な稼ぎや育てパターンが次々に確立していってガンガン転生してパラメータがずんどこ上がっていく作業を楽しむようになっていくのだ。ディスガイア3の時は最終的にカンストする Lv9999 のキャラをLv1から作るのに30分くらいしかかからない位になっていたしなあ。

そういう意味でヤリ込みゲーにおけるストーリーモードというのは幾分邪魔な存在である。
多くのRPGのストーリーはテイストが決まっているので、口に合わない時は結構つらい。しかし、汎用キャラクターを育てるというのはそういった枠から外れたところで楽しめるので全く別の存在である。
そしてその汎用キャラクター育成が楽しいのがヤリ込みゲーの良いところなのでは無いだろうか。
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それはとってもゲームだなって

昨年末に「『魔法少女まどか☆マギカ』は10年代の魔法少女を見せてくれるのだろうか」なんて事を書いていたのだけれども、その『まどか☆マギカ』が異色作として話題になっている。
これを書いている時点では第6話で、この後どうなるかはわからない。けれどもネット上で現時点でほとんどお祭り状態な感じであり、このアニメについての歓談は花開きまくっている。
それというのも、予感的中というか、なんというか『そ れ 魔 法 少 女 じゃ ね え よ』というハードな内容だったり、ふわふわきゃきゃっを期待させておいてたたき落としたりといったすごい展開を見せているから。
といってもアニメそのものが面白いというよりもそれを肴に皆で語り合ったり、契約ネタで盛り上がったりといった行為が楽しい感じ。
なので「そんなに流行っているならBDを買ってみてみるか」といったアプローチはオススメできない。できるだけ毎週リアルタイムで追いかけて、そのときそのときの盛り上がりについていった方が良い感じ。

傑作というのとは微妙に違うんだけれども、話題になっているので見ておきたいアニメというのが数年に1本のスパンくらいで存在しているように思われる。
そういった話題になっているアニメってのはレコーダーに録っておいて後で一気見とかじゃ駄目で、ましてタイムラグがある BD/DVD のリリース待ちでは味わえない何かを持っている。それは「この先どうなるのだろう」というわくわく感であり、それを皆と共有してこれまでの解析とこれからの予想を語り合うという、そういう体験が重要だからである。
なので、ときたま現れる話題のタイトルについては毎週リアルタイムで視聴し翌週までの間は皆と語り合ったりブログに書いたり、それを読んだりしたくなるものなのである。
そういう過程が楽しいアニメのうち何本かは終わってしまうと結末にがっかりするなどして綺麗に忘れ去られる事もあるけれども、その場合でも放映期間中のわくわくは本物なのだ。
今だとインターネット経由でほぼリアルタイムに情報や意見を交わせるので、そういう「語りたくてしょうが無い」アニメに出会ったときずいぶんと幸せな思いをできるようになった。ブログやTwitter、実況掲示板などで emotional を余すところなく共有できるのだから。
昔だと、「新世紀エヴァンゲリヲン」のTV版を放送リアルタイムで見ていたときなどがそうだったのだが、この頃はインターネット(所詮ダイアルアップ)の普及率も低く、まだパソコン通信が残っていた時代。なので、毎週の展開とこれからの予想を熱く語れるのはせいぜいで会社の同僚とか友人とかそういった近隣の数名程度であった。
そう考えると、ネットワークが発展したここ15年でコンテンツの消費の仕方がかわったもんだなあと思う。

そういう、皆と語り合いたいアニメ、コミュニケーションの中心にあるアニメというものを考えているとどこかでみた構造だなということに気がついた。
かつてゲームはコミュニケーションのハブであり、ゲームそのものを楽しむよりゲームを楽しむことで他者とコミュニケートが取れるようになることの方が重要であるという見解をしていた事がある。
ゲームというコンテンツそのものよりも、ゲームを取り巻く外側にある世界で楽しむ事も含めてゲームなのだというお話なのだけれども、「ゲームがオープンであること」というタイトルの記事の下の方にそのあたりが書いてある。11年も前に書いたものだけれどもね。
その後、ゲームの外側で語り合う事を前提として世に放たれ大成功を収めたのが「ひぐらしの鳴く頃に」だったと思う。これは作者自身も、ネット上で語り合うこと自体がゲームだと公言していた。
東方Projectもゲーム外のコミュニケーションが成功している例だが、これは狙ってやったというよりもゲームをハブとしたコミュニケーションから、キャラをハブとしたコミュニケーションへずるりとシフトした結果ゲームから離れて単独で大きくなっている感じがする。狙ってやっているかというと、ひぐらしほど意図的なものではないだろう。

ゲームはアニメと違うよ、インタラクティブコンテンツだよ!という声もあるかと予想されるが「ひぐらしの鳴く頃に」はほとんど選択肢も分岐もない読むだけのデジタルノベルであった。しかし、コレがゲームとして認知されているのは、先に挙げた『プレイヤーのゲーム外での行動』そのものがゲーム的だったからである。
「ひぐらしの鳴く頃に」というノベルを読んで、その感想を語り、その先の展開を予測し、それを皆と語り合って楽しむ。そういった行為そのものが推理ゲームであったのだ。
少しずつ展開していく話に一喜一憂し、話が進むたびに皆と語り合う。その、みんなの意見を読む、感想を書く、意見を述べる、そして自分の意見への感想を得る。そのコミュニケーションは十分にインタラクティブと呼べるだろう。
ならばアニメを見てその都度感想やネタで盛り上がるのも同じコミュニケーション体系であると言えるのではないだろうか。

楽しいゲームを創るというのはそういう事なのだと思う。
「魔法少女まどか☆マギカ」を観て感想を述べ、ネタを飛ばし、展開予想で熱く語り合うというのはマクロな視点では立派な推理ゲームである。下手をすればムービーが綺麗で映画のようなゲームよりも面白いかもしれない。
それがとても面白いのは語り合うというインタラクティブ性の向こうに人間がいるからである。同じコンテンツを観て語り合うことのできる同士が。
そういった同士とインターネット上で出会えるようになり、ブログ等のインフォメーションツールで容易に意見を交換できるようになっている。これは真の意味でのソーシャルゲームとなっているのではないだろか。
コアがアニメだろうがゲームだろうがこの構造は、あまり変わらない。
むしろ重要なのは、そのように周辺にコミュニティを構成したくなるようなタイトルであること。つまり、観た後プレイした後「誰かと語り合いたくてしょうがなくなる」アニメ/ゲームであることなのだ。
成功しているタイトルというのはそういった場作りが非常にうまい。
だが、クリエイター側がそれらを準備してやっても即座にコミュニティが形成されるわけでもない。ただ、そうしたくなるような物を提供するだけである。

そう考えると「魔法少女まどか☆マギカ」というアニメにネタを仕込んでくるスタッフ陣はやっぱり巧いなー、とうならざるを得ないところなのだ。



SIG-Indie 6 「同人シューティングゲームの潮流」いてきた

IGDA日本 同人・インディーゲーム部会第6回研究会(SIG-Indie6)
「同人シューティングゲームの潮流 – 80年代から現代まで、変化から学ぶ実践的な普遍性 – 」

IGDA日本が以前から同人ゲーム制作者を集めて色々発表やディスカッションを行っているのが SIG-Indie。以前からやっていることは知っていたんだけれども、ノベル系に偏っていたり(これは絶対数以上に型月やひぐらしのヒットが目につきやすいから?)商業との距離が近い感じがする雰囲気を漂わせていたのでちと静観していた次第。
だけど今回はシューティングですよ!シューティング!シューティングという文字を見てWEBをクリックしてみたら3D FPS戦争ゲームでひたすらがっかりする最近の流れとは全然ちがって、バッチリと2D段幕系の日本的なシューティングゲームですよ!

感想を先に言うと、思っていた以上に面白かった!
なぜか発表者全員「私の大好きなシューティングゲームは○○です」ともれなく宣言してるし、「開発中には○○をやり込んでいたので多分にインスパイアされています」という台詞もほとんどの人が言っていた。喋る方も聞く方も本当にゲームが好きで、好きすぎるから自分で作っているというのがビンビンに伝わってくる。プレゼンを通じて「うけるためには」「売れるためには」といった言葉がほとんど出てこなかったそんな勉強会。
後の方の若い人(といっても20代)ほどプレゼンはつたなくなっていくのだけれども、その分ゲームに対する熱意がだだ漏れ状態でもう聞いてて面白くてしょうがなかった。
「好きなゲームは○○でそれにインスパイアされて作りました」なんてノベルゲームの方じゃほとんど聞けないんじゃないかなあ。「○○は俺の嫁なので、その嫁に近づける様キャラクターを作りました」とかになっちゃうのかな。

意外に思われるかもしれないけれども「東方project」の名前はほとんど出てこなかった。みんな腫れ物に触れないようにさけている感じ。ようやく名前が出てきたのも中盤過ぎてからで、それも紅魔郷以前のPC98時代のものだったり。
これはその場にいるとなんとなく理由がわかる気がするのだけれども、説明するのがちょっと難しいなあ。
なんというか、今回の勉強会はシューティングが死ぬほど好きな「プログラマー集団」なのよね。これだけのプログラマー率が高いジャンルというのも同人ゲーム業界にとっては珍しいのじゃないかと思ってしまうほど。なので、弾幕そのものやゲームシステムに尋常じゃない入れ込みと考察、そして自分なりの実装を行っているといった具合。あんましキャラクターや世界には思い入れが無いというか、それで回っている世界はちと引いて見ている様な感じなんじゃないかと。
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Project DIVA は途中停車駅

あの熱狂につつまれた初音ミクの発売日から 1年と10ヶ月。満を持してのゲーム化ということで PSP用ゲームソフト「初音ミク -Project DIVA-」が発売された。まあ、皆さんご存じかと。
ゲームとして楽しむのはもちろんのことだけれども、人気ボカロ曲がPV付きでたくさん収録されたアルバムと考えてみても結構お得なアイテム。しかし、このソフトの真価はそこではなかったのです。
選ばれた人気曲だけでなく、いまや何万もあるボカロ楽曲すべてで楽しめるようにダンスエディットモードが付いているのですよ。
何かというとこれは「底辺Pが自作の曲にイカしたPVを(自分で)付けるチャンス」なわけです。選ばれた一部の人気クリエイターだけでなく、底辺、中堅含め全てのファンが主役のゲームだったというわけ。

メジャー化のメリットはなんだろうか。
おそらくそれはより多くの人の目に触れ、今まで以上の人数に手にしてもらえるということなんではないかと思う。しかし、それと引き替えに利権的なものが独占されたり、コミュニティーと対立したりと良いことばかりでもない。特に権利的なものが独占されることで、それまでの熱が一気に冷却化するというのは良く見かけた流れではないか。
CGM的なものがメジャーになり、商業ラインに乗ることはそこがピークで以降の発展が見えてこない状態。いうなれば、そこが終着駅といったところ。
実は Project DIVA もそんな「終着駅」なんではないかとちょっぴり不安に思っていた。「あの人気絶頂の『初音ミク』がついにゲームになった!」のは良いのだけれども、それが何かの終わりになってしまわないかといったことを恐れていたのである。
しかし発売されてそれが杞憂である事を知る。Project DIVA はクリエイターやファンがボカロコンテンツをよりいっそう楽しむためのツールであった。これまでとしてのアルバム集と、これからを作るツール。過去よりも未来を目指したそんなソフト。

権利者が益のために利権を主張するとそれは終着駅なのだが、そうではなくユーザーと同じ目の高さで熱狂の渦の中にいて共感を得ながら作るものは通過駅となる。渦中から何が必要かを見つめて、丁寧に企画されたのが Project DIVA というタイトルなんではないだろうか。
# DancexMixer は思いっきり埋もれてしまってかわいそうだのう


そんなこんなで、どんなもんかと手習いに作ってみた。
ヘンな歌でもきっちり踊らざるを得ないけなげな(仕事選べない)初音さんにご期待ください。

エディットセーブデータも用意したですよ。
MP3 も入っているので Project DIVA があれば手元で再現可能。うれしいかどうかはおいておくとして。
Download: divaed_kanikama.zip

しかし、公式サイトにエディットデータ配布の仕方が書いてあるとか、かなり本気っぽいな。

~~~~~
Project DIVA 下の方にある楽曲が、初音ミクブームを作っていった初期のタイトルなんだけれども妙に懐かしくてこみ上げるものがあったり。あのタイミングで「恋するVOC@LOID」と「みくみくにしてあげる」が投稿されたのは奇跡に近いものがあったのではないだろうかね。
そんなこんなで、初音ミクの楽曲を聞き返しているのだけれども、「私の時間」にある「もしかしたらオリコン1位も遠くないかもね」というフレーズに感慨を抱いてみたり。(関連ニュース:「音声合成ソフト「初音ミク」を使ったアルバムが初日2位に」



視線で演技するということ

実はみんな気になっているはずなんだけれども、ピュアかつジェントルメンなのでおくびにも出さないで居る XBox360 用ゲーム「Dream C CLUB (ドリームクラブ)」。
先日というには結構前なのだけれども、キャラが歌って踊っているステージムービーが2本デモムービーとして公開された。(続々公開予定)ダウンロードしながらテレビの前でわくわくしているのなんでなんだぜ?

あー、双葉理保が居ることで気づくべきだったんだがデベロッパーはTAM SOFTなのね。出来のかたさとか色々納得。
しかし、この理保のスカートはないだろう。これじゃ金太郎前掛けだよ。スリットがひどすぎるのか。
亜麻音もスカートのすそが凶悪だなあ。力のいれどころがまち……いや、これはこれで正しいのか。
と一見楽しんで見ているようだけれども、どうにも見ていて違和感がぬぐえない。モーションはちとぎこちないけどここまでできりゃ合格点だと思うし、別な声優の歌が聴きたいなあとかいうのは今は関係ないし。(水橋loidを早く出せ)
なんでだろうと考えていたのだけれども、なんとなくわかった。目線の動きがおかしいんだ。

この辺アイマスと比べると一目瞭然だろう。とか思ってアイマスPVなどを見返す。ううむ、ドリクラを見た後だとモデルが貧弱すぎる。つか棒人間?ドリクラのモデルは妙に力はいっているからなあ、肉感的だし。
でもアイマスのモーションと表情は今見ても逸品である。
まず何が気になるかというと、アイマス慣れしていると「カメラ目線」がないことに違和感を覚える。これだけで、ずいぶんとキャラの存在感というか意志の存在を感じるものなのだ。
ドリクラも目線がきょろきょろ動いていて一応振り付けの一部にはなっているのだけれども、どこを見ているのか、何を見ているのかといった「ストーリー性」が存在していない。なので、挙動不審に目を泳がせている様に見えてしまうのだ。
この辺アイマスはどうかというと、実はカメラ目線をしている時以外は正面しか見ていない。でもそれはちゃんと意味があって、ステージから客席を見ているので視線が正面前方になっているのだ。なのでそこに目的を感じ、不自然さはない。
そういった意味ではドリクラの設定がいまいちという向きはある。あそこはラウンジで、ステージの周辺にテーブルとお客様が居ることになっているからだ。じゃあ、誰を見ているのか、プレイヤーを見てくれないのかといったことになりなんとなくしょんぼりとしてしまう。
たぶん、グローバル座標の一点を与えてそこを見るという実装が入っていないんだろうなあ。モデルのローカル座標的な目の動きしかしていない様に見える。

アニメでも漫画でもゲームでも、キャラクターの目線の演技というのは重要である。
何気ない視線の動きが、キャラクターの内面描写となりそのことが何ともいえないキャラクターの存在感と奥の深さを生み出すことになるのである。



アルカナハート2に見る家庭用ゲーム機の世代交代時期

2D対戦格闘「すっごい!アルカナハート2」の PlayStation2 移植版が結構な劣化移植で話題らしい。
「ジャギがひどい」とか言われても、ゲーオタのいう「ジャギ」とCG用語のそれとは微妙に違うので今ひとつピンと来ないので見てみるしか。
実はアマゾンさんから届いていたのだけれども、後回しになっていたで段ボールからサルベージ。実際にプレイしてみると「あー、なるほどねー」といった感じ。
VRAMのテクスチャ領域に全キャラパターンが入らないので、あふれた分を「半分のピクセルサイズに縮小」して納めて、それを倍に拡大して見せているのね。横幅があるキャラはおしなべて入りきらないのでこの手法が使われている。倍なんでピクセルエッジが見えまくりなわけだ。せめてバイリニアがかかっていればまだ気にならない場面も多いだろうに、後述の描画フィルレート問題からフィルタがかかっていないのねん。
まず背景は完全に入らないので、標準で倍表示。静止時モーションだけは開始時に見えているものだから現物表示しているものの、他のモーションに入ったら半解像度になってしまう。なずなとか美鳳は歩くだけで半解像度なんだが、いちばんきついと言われるペトラはモーション(アニメ)の一部分だけ半解像度になるので気になりまくるわけですな。エフェクト群は真っ先に縮小されて「これはモザイクですか?」というくらい解像度が低くなっているし。
私は残念ながらアーケードでやったことないので、処理落ちで重いとかいうのはよくわからなかった。それ以前にへたれなんでコンボとかつなげられんし。まあ、実際プレイしていて重たくなるんだけれども、演出過多になるとスローになるゲームは過去に多くあったのでこんなもんだろうとか思ってしまった。アーケード版を知らないと、そんなものだよねで済ませて遊んでしまう感じかも。
重たくなる理由は主に 加算合成のエフェクトがたくさん出る場面で、もともと加算合成の速度が遅めのPS2では荷が重い演出だということですな。ピクセルフィルレートがあまりとれないので、かなりぎりぎりの描画になっている模様。
それよりもアーケード版にこだわるのであったら、24khz モニタ専用だったアーケード版アルカナハートを、インタレース表示の家庭用ゲーム機とテレビ受像器にもってきた時点でどっか納得のいかない表示になっているはず。
まあ、何かというと PS2 はもはやアクションゲームを作るには非力なマシンですなあということ。そして興味深いのが「XBox360かPS3で出しやがれ」という声が割と普通になっていること。XBox360やPS3が「そんな新しくて高いハード持ってねーよ」という時代ではなくアクションを遊ぶプラットフォームとして地に足がつきつつある時代になってきているということである。逆にPS2でこれほどのプレイアビリティを維持するためによくやった(ぎりぎりまで削って遊べる状態まで持っていった)、と言えなくもない。削りすぎではあるけど。
PS2はもはやギャルゲーや乙女ゲーといったマシンパワーを要しないジャンルでしか使われなくなりつつあるのだろう。SRPGとかでも複雑になってきていい加減メモリが足りなくきついはず。
マスを狙って無理に移植しても「劣化移植」と称されてたたかれるのでは、わざわざPS2をターゲットとする意味が薄くなる一方なんではないか。

しかしまあ、家庭用ゲーム機がアーケードゲーム機よりも遙かに性能が劣っていた時代。ゲームタイトルの移植なんてのは、必ず劣化移植で無理があるものであった。それでも、移植のニュースに沸き、ソフトを買っていたものだった。それはアーケードゲームが最先端であり、あの憧れが(劣化しても)家庭で楽しめるという事にわくわくしていたから。
その状況が変わるのは、PlayStationが発売され、アーケードゲーム基板よりもコンシューマの方がハード性能が良くなって以降である。具体的には以降のアーケード基板がコンシューマゲームと同じチップを使ったものになる。アーケードとコンシューマに技術的差異がなくなって、移植についての価値が大分変わってしまった。
今、アーケードゲーム機はPCと同じハードとOSになってしまい、またコンシューマ機とは微妙な違いを持ちつつある。じゃあPCならアーケードゲームが完璧移植かというと、汎用性の高いPC用OSと用途特化のゲーム機OSではタスク管理に差があって難しい様な気がする。
なかなかうまくいかないものだが、だからこそアーケードゲームは存在意義を持てているのかもしれない。

しかし、こういう場面での「総統MAD」(ニコニコ動画)ははまりまくるなあw



バーチャルコンソールとエメラルディア

任天堂のWiiで提供されているオールドゲームライブラリ、バーチャルコンソールにアーケードゲームの項目が新たに加わり日本のレトロゲーム愛好家を震撼させる。
というか、初っぱなのリリースに「ソルバルウ」はないだろ。今後のラインナップも凄いし、妙にマニアックなタイトルリストに狂喜乱舞せざるを得ない。
実際に買ってやってみると、ソルバルウの相変わらずな微妙さ……は、まあおいておくとして、スターフォースのシステムの出来だけが妙によろしくなくこれだけ安い理由がなんとなくわかった。

さて、イチオシは地味な名作パズル「エメラルディア」、と言いたいところだけれども実はアーケード基板を持っていたりする。
dsc06404.JPG
むしろ、バーチャルコンソールで手に入る様になってしまったので「ぴこぱこサイクル」のネタが一つ減ってしまったなあとかそんな状況。

って、エメラルディアの基板で遊ぼうとしたら起動しなくなってる。壊れちゃったのかなぁ。
うう、バーチャルコンソールで購入するか。

ちなみに、今後のラインナップで一番気になっているのは「ニューマンアスレチックス」だったり。
Wii の発表がもうちょっと遅かったら中古基板を購入してかもしれない。




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