Archive for 9月, 2008

俺とプリンター

私がニコニコ技術部に投稿している動画の中にときたまカラーインクジェットプリンターが出てくることがある。
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コイツがその CANON iP90v 小型のモバイルプリンターである。
ニコニコ動画でこのプリンタが出てくるシーンにて「なんでモバイルプリンターなんだ?」というコメントが割と頻繁にポストされている。おそらく、コンピューター環境は充実している人っぽいのにプリンターだけはなんでこんな今ひとつな奴を使っているんだろうという意味なのではないかと思うのだが。
もちろんそのあたりには理由がある。理由と言うほど大層なものではないけれども。
私はインクジェットプリンターがあまり好きではなく、レーザープリンター(ページプリンター)派なのだ。ラジオネーム風に言うと「レーザープリンター大好きっ子ちゃん」である。なのでプライマリプリンターはレーザープリンターなのであった。でもたま−にカラーが必要な時があるので、必要な時だけ机にあげてプリントをする目的で iP90v を所有していた、という次第。普段は部屋の隅に転がしてある。

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これがプライマリで使用していたレーザープリンター&ADF付きスキャナ DCP-1000J。コピー機としても使える。

プリンターに触れた一番最初は X1turbo の頃だっただろうか。あの頃はドットインパクトプリンタが主流で、主な用途と言えばソースコードをプリントアウトしてデバッグするとかそんな感じであった。
X68000 の頃は感熱リボンによるプリンターが主流になっていた。モノクロだけでなく三色リボンによるカラーもできるということで当時は大流行であったがいかんせんランニングコストが高かった。この頃私は大学生さんであったので、大学のレポートを印字して提出するためにプリンターを使うというのが目的となっていく。コンピューターでリポートと書くといっても理系さんにとって(当時の)ワープロは不向きで、使用していたのはもっぱら TeX(LaTeX) であった。LaTeX による数式や表組みが綺麗に早く、かつ安価で印刷できるプリンターと言うのが当時の私にとっての目的となっていく。
そんなころCANONのバブルジェットが出てくるのだが今ひとつ高くて手が出ない。それに若干遅れるようにして、YHP(横河Hewlett-Packard)が初の個人向けインクジェットプリンタ DeskJet-500J を出してくる。当時、周辺では私以外ヒューレットパッカードという名前を知らないような状態であったのだが発売と同時に購入。以後長らくご愛用の品となった。
大学も4年生になり研究室に入るとそこには当時100万円近くもした(いくらかは忘れた) PsotScriptプリンター、Apple LaserWriterII が置いてあったのである。こいつの印字を見て一目で惚れた。本と変わらないくらいのクオリティで文字が印刷されるではないですか。以後、レーザープリンター良いよね派として今に至る。
新卒で会社勤めを始めた年に、個人向けレーザープリンターが遂に 10万円を切った。あの憧れのレーザープリンターが手に届く値段になってきたと分割払いで購入したものだ。新卒初年で10万円というとかなりきつい買い物だったけれども、初めて自分の部屋にレーザープリンターが来た嬉しさはそれを上回る物があった。
この頃、同人コピー誌を作る事も多かったのでその為にもレーザープリンターは最適な機器であった。
その後アルプスの昇華型リボンなども挟みつつ、レーザープリンターとインクジェットを交互に所有しているような感じ。
結局のところ、自分は写真をプリントしない人なのでカラーインクジェットを買っても使わないというのが大きいっぽい。面の中での階調の豊かさよりも、文字や画といった線が綺麗な出力を好む様だ。

で、先のレーザープリンターに話を戻す。
数えてみると購入したのが 3年半前か 4年近いくらい前。流石に最近印刷が擦れて使い物にならなくなってきた。トナーを交換しても駄目で、ドラムが寿命な様だ。んじゃ交換するべ、とドラム+トナーの値段を調べると2万円をオーバーしてしまう。確か本体を1万9千円くらいで買ったので、それより割高になってしまいちょっと面白くない。といっても、発売当時はそれなりに高価な機種で、値下がりしたところを買ったのでそんなものかもしれない。最近の廉価型として設計されているレーザープリンターならサプライもそれなりに安いので、そっちはバランスが取れているよなあとは思う。

そうなると、いっそのこと新しいプリンターを買うかという考えも出てくる。
そこで久々にレーザープリンター好きのもう一つの憧れが鎌首をもたげてくるのである。
「カラーレーザープリンターを個人で所有したい」
カラーレーザープリンターが10万円を切って久しい。以前モノクロレーザープリンターが10万円を切ったときと同じくらいの衝撃を、カラーの時も受けたけれどもそのときは特にカラーを扱う用途を持っていなかったので特に検討はしなかった。だが、最近はカラーを使う機会もそれなりにあり、物によっては5万円を切っているじゃないですか。
色々と検討を重ねた結果、「えいや」っと奮発することにした。
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我が家にカラーレーザープリンター&コピー機がやってきた。お値段 7万円弱ほど。
プリンターだけなら両面印刷付きとかも買えるのだけれども、スキャナやコピーもたまに使って便利なので複合機からは離れられなかった。イーサネットインタフェース内蔵で、LAN経由でのプリントだけでなく、スキャナの共有もできるのがポイント。
これで、自宅にいながらカラー表紙のコピー誌が作れるね!って最近はそういった同人誌を作るような活動していないけれども。
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前面メンテナンスで、各ユニットが取り外しできるのでがちゃがちゃと合体変形おもちゃで遊んでいるみたいで楽しい。しかし、トナーセットの手間とかを考えても、一般家庭向きじゃないよなあとは思う。レーザープリンター自体メンテナンスが必要だから誰にでもという商品ではないのか。

昨年の機種だけれども、印刷スピードはなかなかなもの。本当に、モノクロ印刷とカラー印刷が同じ速度なのはちょいと感動した。その辺がこいつのエンジンの売りなんだけれども。
他にも色々機能向上していて、新しいのを買って良かったなあと満足できた次第。

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実のところカラーの画質はそんなに良いわけでもない。傍らにあったラノベ表紙をコピーして比較。
4色カラーであることを考えればこんなもの?といった感じ。ただディザリングがインクジェットプリンタのほとんどで使われている誤差拡散ではなくて、30度格子のオーダードディザマトリクスなのが特徴的。個人的には誤差拡散よりこっちの方が好き。
(訂正:上質紙にグラフィック綺麗モードで印刷したら十分使える画質だった)

まあ、値段の他にも筐体の大きさとか、重さとか、それらによる設置の手間とかが結構あって実際はそれらが障害になってなかなかカラーレーザープリンターの購入に踏み切れないというのがあると思う。
本当にこの重さはきついわ。



絵本「こねこのパヤパヤ」とファンブック

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アマゾンさんからお荷物届いた。
説明の必要もなさそうな絵本とファンブック。「こねこ」が絵本で、「子猫」がファンブックね。

しかし、「子猫のパヤパヤ」とタイトルは付いているけども中身は本当に「ワンカップPの」ファンブックですな。ファンは買うとよいよいよい。
最近流行の「ニコニコ動画からメジャーデビューしたアーティスト」という風でもなく、「みんなのヒーロー」でも「有名人」でもなくて、「にんきもの」なんだよなあ。だから昨今のネット上の著名人とはベクトルが違っていて、妙にふんわりとしている。


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続・サーバーが不調だったのこと

前日、サーバー不調がありいくつか対策を施したが、寝て起きたらまた不調でおかしくなっていた。しょんぼり。
今回は主にDBとのコネクションがとれなくなっていたので症状としては、一山越えてまた丘があったくらいな感じ。どうせならとサーバーの元から停止して、各種アプリのアップデートなど徹底的にメンテナンスする事にした。330日くらいノンストップで動いていたらしいですよ。
先ほど一通り完了して、13日18時を持って通常運用再開。

原因は何かというと、今は更新停止して放置してある fuwa2factory へのコメントスパム大量投下によるシステムバランスの崩れといったところ。
fuwa2factory は1年ほど放置しているのだけれども、スパム避けのためコメントのポストはアカウントユーザーのみとして、なおかつ投稿コメントは全て管理者が承認しないと掲載されないようになっていた。まあ、基本コメントが投稿されても載せないよというわけだ。そんな状況なのにわざわざアカウントを作成してコメントスパムを投稿しにくる海外のたわけが居たわけです。承認なしなので掲載されないのだけれども、それでも2万個以上ものスパムをポストし続けていた。誰の目にも触れないのだからあきらめればいいのに。
取りあえず放置していたのだけれども、スパムポストのアクセスでもそれなりにサーバーリソースを消費する。fuwa2factory は xoops で運営していたので、httpd 側の PHP 処理と mysql 側の DB 処理がそれぞれに負荷となっている。
今回は、コメントスパムの投稿があまりにも高速、大量になってリソースのバランスを崩してしまった事が原因にある。まあ、管理者が放置していたからというのが一番の理由だけれども、なんかの参考になるかもしれないので書いておく。
fuwa2factory は httpd と mysql が実は別々のマシンで動いている。xoops への集中大量アクセスで、もってどうやら PHP タスクのためのメモリが足りなくなったらしい。それでメモリスワップを使い始めて、httpd 側の処理速度が酷いものになってしまった。まあ、それだけなら重たいだけで終わるのだけれども、mysqlのセッションがすんごく長くなってしまったので別マシンの mysql プロセスが埋まってしまった。(多分同一マシン上だったら一緒に重たくなるのでそれなりに復帰していくと思うんだけれども)
後は、バランスが取れなくなって両者ともどうにもならなくなってしまった。らしい。
まあこのへん、このマシンならこれくらいのセッションを回せるという数字をみてリクエスト上限を決めるのだろうけれども、個人持ちサーバーではそこまでのアクセスが(滅多に)来るわけでないのであふれてみて初めてわかるのだわさ。
というか、今回は明らかに特定IPからのコメントスパム投稿なので、IP制限ではじいちゃうことにした。こういった制限はやりたくないのだけれども、今度だけは特別にかけちゃう。というか、昨日も書いたけれどもfuwa2factoryは消してしまいたい。まあ、あと4ヶ月だけど。

結論としては、コメントスパムうざい。
最近みょーに増えたよなあ。まあ、スパムメールも相変わらず大量にとどきますが。


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サーバーが不調だったのこと

2008年9月11日の夕方あたりから、12日の夕方にかけて断続的に当サイトおよび同じサーバーにあるコンテンツへアクセスが困難な状態となっていた。ごめんなさい。
途中対処して復活していることもあったのだけれども、しばらくするとまた不調になる感じ。
会社行っている時に不調になったので手が出せなくて歯がゆかった次第。

取りあえず理由がわかって、クラックとかウィルスとかじゃなかったので安心。
でも適当に対策しておかねば。勝利の鍵は mod_cband だ。たぶん。

不調で停止したのでついでにバックアップなんかもとったりしていたので、無駄に停止時間が長かったりしたのはご容赦。
しかし、昔はHDDの寿命が1年しかもたなくてハードウェアトラブルがしょっちゅうだったけれども、最近はHDDで壊れることが少なくなったなあ。もちろんHDDクラッシュに出会っていない訳ではないので、気分的にそう感じるだけっぽいけど。

そういえば、今年いっぱいくらいで fuwa2factory.net のドメインが切れるはずなのでそれ以降はサイトがなくなります。ご了承ください。どちらかというと、とっとと閉じちゃいたい気分。


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ハードウェア音源がDTMの中心だった

せみこん娘でQY-70の音を聞いていたらハードウェア音源がなつかしくなって部屋の中を漁り始めた。
確かXG音源はMU500を持っていて、それがどっかに埋まっているはず。はず。はず、なんだけれども発掘することができなかった。むうどこにいったのだろう。まあ、無理に探すものでもないけれども。

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代わりに出てきた音源の写真を撮っておく。
下のラックサイズが KORG の 03R/W。01と同じAI2 synthesis 音源でKORGのGM初対応機種。KORGらしい、野太い音に魅了されまくったけれどもGM音源としてはバランスが悪く、GS音源とMIDIが中心の当時のDTMでは使いにくかった次第。マルチトラック音源として使わないのであればいけてるんだけどね。
上にのっている箱がモバイルシーケンサのQY-8。QY-20の頃に出た廉価版で、入出力が簡素化されているもの。制限があるなりに結構面白い奴なんだけれども、データをPCに送る手段が無いに等しいのでスマートメディアが扱えるQY-100やデータリンクができるQY-70とちがってイマイチ使う場面がないというあたり。

せみこん娘を 03R/W で演奏してみた。音色サンプルに。
semicon-girl_03rw.mp3


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「♪万能文化の半導体娘」支援

撮影できますPのミクうた「♪万能文化の半導体娘」は毎度のことで結構気に入っている楽曲。
氏の音源はQY-70なんだが、かの音源を今聞くとドラムあたりが割と残念な感じがしてしまう次第。このへん、我が家のソフトウェア音源コレクション(=宝の持ち腐れ)で鳴らし直してみたいなあと常々思っていたのでした。
で、今回バッキングのMIDIデータが公開されたので「キターー!」とばかりにDAWに読み込ませて演奏してみた。

♪万能文化の半導体娘 Remix: semicon_girl.mp3

リミックスといっても本当に音を鳴らし変えただけで、譜はそのままなりよ。
「ひとりでできるもん」感は残したつもり。
参考までに使用音源一覧
 EzDrummer, D-Pro, Rapture32 LE, z3ta+, wavestation, KORE2

なんかアレンジもやってみようかと思ったけれども、元のデータが Tempo=100 の曲を Tempo=200 で鳴らしているためサンプルを加えたりするのがちと面倒。


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Nico-TECH: Takatsuki Meeting おつかれさまでした

ちと遅めのエントリ。
大阪は高槻で行われた「ニコニコ技術部関西勉強会」は大成功と言っても良い感じの盛り上がりとスムーズな進行で、単純な「ニコニコ技術部オフ会」よりもちょっと良いモノとして終了。
そもそも、オープンソース系の地方ユーザーグループ勉強会のノリで10〜20人くらいの規模でもってなにかとかいった感じで話が始まったものの、最終的には77人という人数に。

始まる前に2点ほど、個人的に気になっていたところがあって眺めていた次第。
1点は、ソフトウェアとハードウェアのバランスは十分かという点。
もう1点は、工作物展示者(うp主の人数)とそれ以外(閲覧者、または将来のニコ技部員)の比率。
まあ、結論から言うと気にする必要も無かった感じ?
ソフトウェアとハードウェアの両方が混ざっている割と類を見ない(しかも業務に結びつかない)勉強会なんだけれども、みんな真剣にプレゼンを見てくれていたし、後で数えてみると発表内容もソフトとハード半々だったりもする。閲覧メインできている人はソフト屋が多そうだなあと思って訪ねてみると「組み込み系ソフトウェアエンジニアです」という絶妙な答えが返ってきて、ああなるほどと思ってみたり。

ハードウェアでいえばニコニコ技術部FPGA班であるアルテラマスターPと撮影できますPが現在進行しているプロジェクトの説明をして、そのレベルに皆が驚いていたけれども真に賞賛すべきはそのスキルの高さのみではない。
発表の内容はそれぞれ「ポータブルゲーム機を目指します」「ポータブルシーケンサーを目指します」といった感じなのだけれども、それを作ることでスキルを誇示したいわけじゃない。次に続くのは「個人でもこれくらい作れるんですよ」だから「みなさんもやってみましょう」であり、そのための登山口を作ろうとしている。
このへん勉強会に集まっている人たち皆共通でもっている意識で、「どうしたら入門やステップアップに役立つ動画が作れるだろう」「どうやったら投稿者を増やせるだろう」といった話がしょっちゅうでてきていていた。
そういうマインドをもつ人たちが「ニコニコ技術部」というタグには多く集まっているらしい。

ちゅーことで、やっぱ「勉強会」というくくりで丁度良かったのかもしれないね。
みんななんらかの刺激を受けて解散したので、今後の動画うp状況に期待が持てます。

私もライトニングトークを一席もらって適当に語ってきた。

撮影、ぉゅぅ氏。
これが結構うけているのだけど、オープンソース系のライトニングトークってみんなこんなノリなんでは?
ネタとしては3年前に書こうと思ったものの機を逃して埋もれていたもの。POPLとか、ういかとかのころ。
今回ソフトとハードどっちにも通用するネタということでチョイスしてみた。
でも正直、ハードウェアはモジュール化やIPコア化が既にあるためモデリングはあまりしないだろうし、ソフトウェア工学的にも設計としてのモデリング手法はとうに落ち着いちゃって最近は「チームを運営するための手法」が花盛りである。
んが、個人制作においては開発プロセスを問う必要はないし、設計をしっかり行わない事が多いからキャラクター指向モデリング開発はまだまだ通用しそうなところ。

というわけで、プレゼン資料をPDFにして置いておきます。なんかフォントがうまくいかなくてがびがびになっているけれども、ご容赦。
「キャラクター指向モデリング開発のすすめ」[PDF 13MB]




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