肥大したコミュニティに必要なのは新しくてカッコイイ名前

先日書いたニコニコ動画のクラスタリングに対する記事がessaさんのところで引用されていて少々びびる。まあ、確かに小さなスケールで納得させて同じ構造の大きな議題に誘導するというのはわかりやすいのだが、普段すげーと思いながら読んでいるところに自分の拙い文が載っているのは複雑な気分である。

さて、先の記事でニコニコ動画の大きさとクラスタリングについて書いたのはある記事というか問題を見たからである。後の方でそのことにつなげようと思っていたけれども忘れてた。というか、分離しておいてよかったような気もする。
もったいぶってもしょうがないのだが、その話題とは「オタクはすでに死んでいる」のかという話である。

essaさんの論に比べて世界が小さいので持ってくるのもどうかと思うのだが、今のオタクってどうよというのもスケーラビリティ問題である。なので、肥大化したコミュニティがアーキテクトへと変貌し、より小さなコミュニティの集まりとそれを構成するインフラストラクチャへと変わる様子をそのまま当てはめる事ができると考えている。
このあたり私一人の言葉だけだと足りなかったのだが、軽く一週したところですんなりと記事にすることができるようになった。

アニメ・漫画のファンのなかでも礼儀や態度がよろしくないといった「行動」を侮蔑する言葉であったオタクが、熱心な逸脱したファンといった「人となり」を形容する言葉へと変化していった。やがてアニメや漫画のファンすべてといった「コミュニティ」をさす言葉となり、趣味人全般をさす「アーキテクチャ」にまで拡張を続けた。そのうちコンテンツビジネスすべてを表す「インフラストラクチャ」になるのではなかろうか。
そのようにコミュニティ規模が変わり、意味も拡大している状態においてはたしかに80年代に確立された「オタク」という言葉とはまったく別のものになっているという意味で「死んでいる」と表現してもそう乱暴ではないと思う。
現在「オタク」と称されているものは、アニメ、漫画、ゲーム、萌え、エロゲ、コンピューターetc. 無数のコミュニティに別れ存在している。
その状況を嘆いているわけではない、進化しているのにいつまでも「オタク」という古くさい呼称で良いのですか?と疑問に思っても不思議ではないだろう。
今必要なのは「オタク」に変わってコミュニティを表現する新しくてカッコイイ言葉なんではないだろうか。「ニート」とかみたいに。

「オタクは『萌え』が登場したことで腐った」なーんて論も見かけるけど、着目点は正しい。正しくは、萌えオタとそれ以前では崇拝している物が異なる、である。
旧来のオタクはコンテンツこそが究極の対象でコンテンツを中心にみんなで語らい楽しむといったコミュニティであった。その構造が変わったということである。
この話はまた日を改めて。




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5 Responses to “肥大したコミュニティに必要なのは新しくてカッコイイ名前”

  1. BLACKBIRD Says:

    オタクに変わる名称として珍走団クラスの命名がマスコミからされて、neet的な差別用語として固定化されたりしてw。

  2. rerofumi Says:

    「フィギュア萌え族」ですね、わかります。
    たぶんマスコミから命名されても定着しないと思う。

  3. あり Says:

    「ニート」ってカッコイイ言葉だったんだ。
    記事見てて「オタク」と並べてみると「ニート」ってたしかにカッコイイ響きだなぁと思う。びっくりでした。

  4. rerofumi Says:

    意味はカッコ良くはないですけどね。
    こういうのは流行語なので新しい言葉ほど良いもんではないかと。

  5. 岩崎修 Says:

    「萌え」の要素を抜いたネーミングが必要なのかも.
    geekって、それにちかいかもしれないけれど、それはそれで、つまらない気もしてきますねえ、何故か.

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