Archive for 9月, 2007

不在通知Pの目からみたあれこれ

すっかり一大ムーブメントと化した「初音ミク」。MEIKOのユーザーとして優待販売に申し込んだものの、ちと住所の記載を間違った関係で発売日当日に入手できないというアクシデントが起きる。「しまった祭りに乗り損ねた」と思ったのだけれども結局そのあとの広がりが大きくてファーストユーザー組に入ってしまっているのでした。
なんとか祭りに参加しようあせった所で「初音ミクが来ない?来た?」騒動(の萌芽)に飛び込んで楽しんでいる内に「不在通知P」とかいうプロデューサー名で認識されてしまった次第。
ちなみにプロデューサーというのは、ゲーム「アイドルマスター」由来ね。

普段あまりニコニコ動画に投稿した動画の事については語っていなかったりする。これは、ネタの解説をしても冷めるだけだろうから。
けれども、今回はちょっとだけ「不在通知Pとしての視点」から、周辺について書いて見たいと思う。

■初音ミク以前
初音ミクの前はMEIKO(とKAITO)という日本語Vocaloidがあって、一部がそれで楽しんでいた。それがニコニコ動画における人気の下地を作っていたし、MEIKO使いがその技を用いて高度な演奏を初音ミクに歌わせた事が初期の勢いを作っている。
それ以外ではアイマスの存在があったことについては、以前私も語っているし他でも同じ評を見かけるくらい当たり前の論である。
だがここで、もう1つヴァーチャルアイドルを語る上で重要なワードを書き残しておきたい。「僧侶」である。
「僧侶」というのはVSTiフォルマントシンセサイザーの「ディレイ・ラマ」のことである。ディレイラマは一種のボイスシンセサイザーだが「い〜あ〜お」の3種類の母音しか発声できない。その限定された母音で「お〜あ〜お〜あ〜い〜」とかお経みたく歌わせるのだが、個性的な絵面と中途半端な発声で笑いをさそいニコニコ動画でも定番となっていた。
問題は歌自体ではなく、キャラクターが創られていたことにある。
最も古くて最初に人気が出た動画「僧侶のアクエリオン」において、ディレイラマを3つ起動してそれぞれにボイスパートを割り当てていた。この3パートそれぞれ役割が違うことから、コメント達が「ヒ・ダリ」「メ・イン」「ハモ・リー」という名前を付けて親しまれることになる。
中でも「ヒ・ダリ」の活躍が少なく、おいしいところで仕事をすることから「これで給料同じなんだぜ」とか言って大人気に。そもそもで、便宜上付けた名前がだんだんとキャラクターとしての性格をも含むようになっていた。
バーチャルアイドル誕生である。
その後の動画も僧侶3人がニコニコにおける基本フォーマットとなり、「ヒ・ダリ」に笑いの要素を持たせるのがお約束であった。
楽器であっても絵と個性があればキャラクターとして存在できるといったオタク文化とニコニコ動画の空気は、この後初音ミクをヴァーチャルアイドルとして育てるのに重要な要素であったのではないだろうか。

■初音ミクが来ない?来た?騒動
初音ミクが来ない?来た?騒動は立役者であるワンカップP氏の一連の動画の事であるが、彼1人ではあそこまで引っ張れなかったのではないかと思っている。
一番最初の「初音ミクが届かないのでスネています」は確かに私も見て笑っていたけれども、それだけであった。それに応答する形で投稿された前日予約Pの「初音ミクが届いたのでスネていません」、これが凄かった。相手の動画に返信する形での連作という形にびっくりした。そして、視聴者が付けた「交換日記」というタグに激しく嫉妬した。動画間のリレーションをこんな形で実現したのだから。
そして「初音ミクが明日届くのでワクワクしています」という動画を作成して、このリレーションの中に飛び込んでいったのだ。まあ、もうちょっと多くの人が参加するだろうという思惑は外れてしまったけれども。
まとめ動画の最初の方で確実にワンカップPであろうと思われるコメントがあったのだが、ワンカップPもスペランカーのBGMを使う予定であったらしい。それを私に取られて非常に悔しい思いをしたのが、F1レースの時の「やりたかったネタも〜」のくだりとなる。ここで、始めてやりとりが双方向になりコミュニケーションがスタートすることになる。
ワンカップPがあそこで悔しさから歌を作らなかったら、以降は存在しなかったのではないかなあと考える次第。まあ、前日予約Pの火付けが見事だったからなんらかの反応はあったのかもしれないけれども。
ところで、前日予約Pと呼ばれている最初に返歌を作った奇才は、「ねぎミク」こと Ievan Polkka のはちゅねミクを描いたたまご氏と同一人物だと思うんだけれどもあまり話題になってないね。
[後日追記]前日予約Pは確かにたまごさんのアカウントでしたが、作者はOtomaniaさんだったそうです

ワンカップP氏はあれだけの人気を集めてしまったので、以降の作品作りが大変じゃないかなあと思っていたが順当に新作をリリースしており驚く限りである。やっぱり凄い人なり。
最近は歌そのものより、背景の写真の方でボケネタを仕込むというスタイルで確立しつつあるようだ。

■音声合成界隈
やっぱり語るに外せないのは「くまうた」の白熊カオスとそのプロデューサーであるサブ北島であろうか。
白熊カオスがちびちびと歌を作り投稿していたことは寡聞にも知らなかったので、出会ったのは「初音ミク」タグが付いてからである。他にも投稿者は居るのだけれども、その中で一番の人気者が白熊カオスというわけである。他の投稿者の作品もなかなか面白いので探してみると良いかと。
特に、初音ミク以降は新しいくまも参戦してきてちょっとした盛況となっている。特に、組曲『ニコニコ動画』をくまうたに歌わせているのなんかは、かなり無理があってつっこみを入れつつ最後まで見てしまう。もちろん歌詞だけで、曲は演歌なわけだよこれが。
他の音声合成だと、おしゃべりノートに無茶振りの人とか、テキスト読み上げ系の人達もいる。
ただ、こういったテキスト読み上げ系はイントネーションがおかしかったり機械音声だったりすることで笑わせてくれているので、初音ミクと比べるとネタの範囲が狭いのが難しいところ。なにか、あっと驚くネタで笑わせてくれることを期待している。

■その他
時計を改造してねぎミクを表現しようとしていた「初音ミク(はちゅねミク)のねぎ回しを実際に作ってみた」という動画があった。初音ミク祭りの中で1人PCから離れて工作という形で初音ミクを楽しもうとする姿にピコーンと来るものがあって、反応動画を作成した。「歌ってみた」「描いてみた」「3Dで作ってみた」といったそれまでとは違う流れだったのだよ。
まあ、それはともかく、「初音ミク(はちゅねミク)のねぎ回しを実際に作ってみた」の方で「メトロノームで作れば良いんじゃね?」というコメントが投稿されており、メトロノームが市場に貼られているのだが、そのメトロノームが 1つ売れていることには気がついているだろうか。
おそらくこの購入者が「初音ミクのメトロノーム」「初音ミクのメトロノーム その2」の作者じゃないかと見ているんだけれども、だとしたらネタとしてもうちょっと評価されても良いと思う。



初音ミクのPoserモデル

poser_model_hatsune_miku_04
先日語っていた初音ミクのPoserモデル(向けの衣装)もなんとかできて、それなりな動画も完成している。
前々から言うように、素体として「にあ☆みぃ」を使っているので、それ以外の部分であればパーツとして提供できると思う。一応、Poserモデル「もえたん」でも使えなくはないけれども、「にあ☆みぃ」の方がオススメ。

File: Poser7向けデータ
解凍したフォルダを
C:\Program Files\e-frontier\Poser 7J\Runtime\Libraries\Character
に置けば使える様になると思う。たぶん。
当然ですが「にあ☆みぃ」自体は有料で販売しているモデルなので含まれてはいない。使ってみたい人は「にあ☆みぃ」を別途用意すること。

File: poser_miku_parts_obj
Alias/Wavefront OBJ 形式のパーツデータ。流用が効きそうなモデルファイルということで。

ボーン名は「にあ☆みぃ」に準拠しているので、通常のPoserフィギュアにも適用できなくはない。オススメはしませんが。
real_poser_miku

制限事項。
ブーツのボーン影響がなんか妙で、足を曲げるとつま先が伸びます。
肘や膝など大きく曲げると体がはみ出ます。
テクスチャが一部おかしくなっているところがあります。原因不明。
アップでの使用を考えていなかったのでテクスチャがいい加減です。

そんな感じの駄目データだけれども、何か琴線に触れるものがあったらどうぞ。



踊る初音ミクを夢見て

poser_model_hatsune_miku_first

なんかもう、この二週間は「初音ミク」にどっぷりとかまけている毎日。というのも、ニコニコ動画を中心としてブレイクがどんどんふくらんでいるから目が離せないというあたりが理由。
入手したユーザーが楽曲を作ってじゃかすか投稿していたのが先々週の流れ。先週はそれを見ていた人達が、一斉に「初音ミク」というバーチャルアイドルに対してアクションを起こし始めた。早い話が、絵描きの大量参入である。
これによって初音ミクは本当のブームになったと言えよう。
前回書いたように、みんな何となくアイマスを通して見ているのでやはり最終的には踊る初音ミクが見てみたいのか、3DCG組も大量参入しており製作過程のビデオが結構な数投稿されていたりする。完成しているのは少なく、まだ決定版と言えるのが「ラクガキ王国」くらいしかないのだけれどもね。

そいった流れに乗っているつーわけじゃないのだけれども、ちと別方向から私も初音ミクのモデルを作っていたりする。上の画像はその成果(途中だけれども)。
とゆーても、3DCGフィギュアにあこがれつつも腕が今ひとつ足りなくて挫折すること数回という経歴を持っていたり。そこで、今回はPoser用モデルである「にあ☆みぃ」を素体として利用している。一番重要なところを出来合いでまかなう作戦。
そのほかのパーツは自分で作るのだけれども、それくらいはやりましょうということで。髪の毛とか服とか。幾度となく味わった挫折のおかげで小物の作成くらいはできるようになっているのよね。
Poser用モデルを自分で作るのって結構クセがあってずーっと七転八倒していた次第。ようやくここまでたどり着いたのだけれども、予定よりずっと時間がかかっているよう。(まだちょっと手を入れたいところがある)

はて、もうひとがんばり。

しかしまあ、ここまでブレイクしているというのもなんか信じられない感じではありますな。



「初音ミク」祭り

MikuHatsune_picture
VOCALOID2キャラクターシリーズ01「初音ミク」が発売となった。
私のところにはなんらかの不具合があってまだ届いておらず、色々とミク待ち状態となっている。しょんぼり。

発売が金曜日だということもあって、この土日のニコニコ動画などは「初音ミク」祭りの様相を呈している。しかし、一体何人が買ったのかね、とその人気ぶりに改めて驚かされる次第。
くう、祭りに参加できなかった事が悔やまれる。

ニコニコ動画の「初音ミク」タグや「ボーカロイド」タグを見ていると、確かに祭り状態で様々な歌が投稿されているわけなんだけれども、ちょーっとばかし意外というかこれまでの違和感を浮き彫りにする事態ともなっている。
なんというか、みんな「歌ってみた」タグのノリなのよね。素人がカラオケを歌ってみたといった風情のものが投稿されるあれ。
確かに「歌わせてみた」タグを付けることは多いのだけれども、視聴者側が「歌わせてみた」と「歌ってみた」を同一視し始めていることは気にはなっていた。
「歌ってみた」タグが嫌いでアンチしている人も多いので、一部では微妙にギスギス感が生じつつあったりギリギリで抑制されていたり。
ちと脇道にそれるけれども、ちょっと前の「自演騒動」はこの「歌ってみた」(とランキング操作疑惑)が根底の原因であるので、その辺りを読み切れていないとなんのことやらさっぱりなはず。
まあ、現在は「歌ってみた」領域の投稿が多いけれどもそれはそれで各人切磋琢磨の場として機能しているから良いのではないかと。その後はちゃんと「ネタ」を仕込まないと難しくなっていくけれども、そのへんは肌間隔で掴めるでしょ。

以前からVOCALOIDを弄っていた者にとっては、声優の声だからってここまで「初音ミク」がもてはやされる(にわかユーザーが増えた)ものなのかと思うところだろう。
このあたり本当にタイミングが良いとしか言いようが無い。
おそらく、注目されている最大の要因は「アイドルマスター」の存在である。
アイドルマスターによって、ヴァーチャルアイドルを自分の手でプロデュースするという遊び方が提唱され支持を得た。しかし、ユーザーはゲームという枠組の中では飽きたらずその外へと活動の場を広げた、自作PVの作成とそれを動画投稿サイトへ投稿することである。そしてその活動を最も多く受け入れたのがニコニコ動画であった。
ほとんどはアイドルマスターのダンスを切り貼りし、何かお気に入りの楽曲に合わせた動画を作るといった手法である。そうして、自分だけのプロデュースを楽しむのである。
しかも、ボカ主と呼ばれるDTMの打ち込みが得意な人物が居て、アイドルマスターの楽曲を全曲Vocaloidに歌わせている。デジタルなヴァーチャルアイドルなので、デジタルな音声にしてしまおうという一種のネタなのだが、この人の作るデータがなかなかに上手くて一種ニコニコの名物ともなっていた。
なのでボーカロイド=アイドルマスターという図式がニコニコにはあったりするのだよな。

歌って踊るヴァーチャルアイドルを作ろうとして考えた場合「キャラクター設定」「画像」「モーション」「音声」が必要となる。このなかで、最も得にくいのが「音声」であろう。後は、そこそこ腕があれば作れなくはない。
その「音声」の部分をソフトウェアでなんとかしてくれるのだから、Vocaloidにかかる期待が如何ほどのものか想像はつくのではないだろうか。

そうなると次に欲しくなるのは自在に踊るアイドルなのは想像に難くないのだが、Poserでもそのあたりは手間だったりするのでなかなかでてはこないだろうなぁ。

上にある絵は初音ミクのために描いたものだけれども、ソフトが届かないので絵だけ先に置いておく次第。
ここを見ている人自体もそうだけれども、欲しい人なんて皆無に近いとは思うけれども一応パーツ毎の分割データを置いておく。利用はご自由に。
rr_miku_chr.zip




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