Project DIVA は途中停車駅

あの熱狂につつまれた初音ミクの発売日から 1年と10ヶ月。満を持してのゲーム化ということで PSP用ゲームソフト「初音ミク -Project DIVA-」が発売された。まあ、皆さんご存じかと。
ゲームとして楽しむのはもちろんのことだけれども、人気ボカロ曲がPV付きでたくさん収録されたアルバムと考えてみても結構お得なアイテム。しかし、このソフトの真価はそこではなかったのです。
選ばれた人気曲だけでなく、いまや何万もあるボカロ楽曲すべてで楽しめるようにダンスエディットモードが付いているのですよ。
何かというとこれは「底辺Pが自作の曲にイカしたPVを(自分で)付けるチャンス」なわけです。選ばれた一部の人気クリエイターだけでなく、底辺、中堅含め全てのファンが主役のゲームだったというわけ。

メジャー化のメリットはなんだろうか。
おそらくそれはより多くの人の目に触れ、今まで以上の人数に手にしてもらえるということなんではないかと思う。しかし、それと引き替えに利権的なものが独占されたり、コミュニティーと対立したりと良いことばかりでもない。特に権利的なものが独占されることで、それまでの熱が一気に冷却化するというのは良く見かけた流れではないか。
CGM的なものがメジャーになり、商業ラインに乗ることはそこがピークで以降の発展が見えてこない状態。いうなれば、そこが終着駅といったところ。
実は Project DIVA もそんな「終着駅」なんではないかとちょっぴり不安に思っていた。「あの人気絶頂の『初音ミク』がついにゲームになった!」のは良いのだけれども、それが何かの終わりになってしまわないかといったことを恐れていたのである。
しかし発売されてそれが杞憂である事を知る。Project DIVA はクリエイターやファンがボカロコンテンツをよりいっそう楽しむためのツールであった。これまでとしてのアルバム集と、これからを作るツール。過去よりも未来を目指したそんなソフト。

権利者が益のために利権を主張するとそれは終着駅なのだが、そうではなくユーザーと同じ目の高さで熱狂の渦の中にいて共感を得ながら作るものは通過駅となる。渦中から何が必要かを見つめて、丁寧に企画されたのが Project DIVA というタイトルなんではないだろうか。
# DancexMixer は思いっきり埋もれてしまってかわいそうだのう


そんなこんなで、どんなもんかと手習いに作ってみた。
ヘンな歌でもきっちり踊らざるを得ないけなげな(仕事選べない)初音さんにご期待ください。

エディットセーブデータも用意したですよ。
MP3 も入っているので Project DIVA があれば手元で再現可能。うれしいかどうかはおいておくとして。
Download: divaed_kanikama.zip

しかし、公式サイトにエディットデータ配布の仕方が書いてあるとか、かなり本気っぽいな。

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Project DIVA 下の方にある楽曲が、初音ミクブームを作っていった初期のタイトルなんだけれども妙に懐かしくてこみ上げるものがあったり。あのタイミングで「恋するVOC@LOID」と「みくみくにしてあげる」が投稿されたのは奇跡に近いものがあったのではないだろうかね。
そんなこんなで、初音ミクの楽曲を聞き返しているのだけれども、「私の時間」にある「もしかしたらオリコン1位も遠くないかもね」というフレーズに感慨を抱いてみたり。(関連ニュース:「音声合成ソフト「初音ミク」を使ったアルバムが初日2位に」




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