アンバランスゾーン

HDD に貯まっていたまま未見であった「ウルトラQ〜DarkFantasy」の後半を一気に10話ほど視聴。(途中抜けがあったりするのはご愛敬だが)
ウルトラQファンとしてはきつい評だった DF だけれども、後半は割と面白い話が多かったんじゃないかな。
前半部は「ウルトラQ」じゃなくて「世にも奇妙な物語」にしかなっていなくて「それがどーした」感が強かったのがいまひとつでね。前半で一番「ウルトラQ」らしく感じたのが「ウニトローダ」だったというのはなんか違う気がしまする。
「カネゴンの繭」のリアレンジ「カネゴンヌの光る経」は、守銭奴の表現がいまいちだったもののかなり良くできていたかと。カネゴンヌになるのが女の子というあたりに今時らしい狙いがあるけれども、今ひとつやる気の無い声がヌイグルミに合っていて可愛かった。それよりも60年代後半から70年代前半の町並みを徹底的にフィーチャーした映像作りがすばらしい。なんとなく安っぽく見える演出だけれども、実際に撮ろうとしたらすごい労力が必要そうなり。
リアレンジといえば「2020年の挑戦」のケムール人をオマージュした「虚無の扉」も良かった。「2020年の挑戦」は個人的にウルトラQの中でもかなり好きなエピソードなので評価も辛めになるはずなのだけれども、特に不満点はなく高評価である。ケムール人は自身の身体維持のために人間の身体を狙うけれども、レキューム人は人間の想像力を奪うことになっており、このあたりの肉体から精神面への移行が現代的であり、そうあるべきアレンジであったと思う。
「右365度の世界」は出てくる単語の意味がわからないほうが楽しめただろうな。「午前2時の誘惑」は恋愛物語が絡んでいることで駄作になっていたけれども、こっちは逆に深みを与えており映像も相まって綺麗に描けていたと思う。
「闇」は単に実相寺監督が使いたかっただけちゃうんかと問いつめたくなるけれども、実際その映像は予想以上に迫力があり話は良くわからないけどすごい緊迫感にあふれていたかと。
まあ総じてドラマとして映像の完成度が高くそういった視点でみるととても良くできたシリーズであった。映像は良くなっていくのに反比例して役者の演技がへたれている平成ウルトラマンにくらべ、ドラマとしての完成度が高水準であったというのはそれだけで賛辞に値するかもしれない。
「ウルトラQ」というタイトルに求めるセンスオブワンダーが高すぎただけかもしれないですな。

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