立体出力サービスを試してみるのこと

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やたー、立体出力サービスでオリジナルキャラフィギュアできたよー!

以前、3DCGフィギュアの話を書いたときになんとなくにじみ出ていたと思うんだけれども、私はフィギュアを作る技術を持つ人に憧れ羨んでいるところがある。物作りできる人全てにコンプレックスを持っている様なものだけれども、その1つとして。
そういったフィギュア作りをコンピューターアシストでできないものかといったところから、形状を物体として出力する立体成型技術に長らく熱い視線を送っていた。個人用だと、卓上CNCのMODELAあたりから始まって、CNCフライスキットとか。CNCとは別なアプローチで3Dプリンターなる物が流行しはじめて、RepRapCandyFabFabberCupcake CNCといった物達に目を輝かせてきた次第。
別にフィギュアそのものを成形しなくても、パーツを3DCADから出力してくれれば良いと思っている。

2008年に業務用ではあるが ZPrinter という色つきの立体モデルを成形できる立体プリンターが登場して皆を驚かす。
これだとパーツでなく完成品になってしまうのだけれども、まさにフィギュアがそのままでてくる装置ではないか。
この ZPrinter がリリースされると、こいつを使った立体出力サービスがいくつかの会社でスタートする。
その前後から立体出力装置の安価化から、一般利用できる代理出力サービスが多くなってきており、アマチュアモデラーでもそれら立体出力を気軽に利用できるようになっていった次第。
立体出力サービスも「樹脂積層成形」「光硬化樹脂膜積層」そしてZPrinterの「接着インク噴出型積層」といろんな機械と手順によるものがありそれぞれ特色をもっているため目的に合わせて選択する必要がある。

そんな百花繚乱?時代な立体出力サービスを実際に試してみたくてうずうずし続けていたのですよ。
しかし、試すのは容易だけれども実際に出力するモデルが必要になる。人様の物を借りるのも気が引けるし、版権的に問題のないものにしたい、それになによりモデルを自在に扱う技術が欲しい。といったわけで、3DCGに再度チャレンジし自分で出力するモデルを作れるようになってみたわけです。
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今回出力した 3DCG モデルデータ。
出力するサイズによってお値段が決まるのだけれども、いかにも「フィギュアっぽい」大きさと質感にこだわって大奮発!高さ 14cm で成型してもらう。お値段2万5千円なり。安くはないけれども、1点もののオリジナルキャラフィギュアと考えると順当な額かも。
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サイズ 10cm のねんどろいどと並べて比較。


今回利用したのは cg-site とタイアップしている立体出力サービスのアイジェットさん。
それなりの手順と期間とお金を費やしてついに届いた箱を開けてみたら!
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壊れていました(笑

まあ、この程度は想定、覚悟していたので良しとして自分でぽちぽちと補修。
壊れ方とか見ているとどういったモデルで発注すると良いかがわかるねえ。これも良い教訓ということで次の発注時の注意項目としよう。

※この記事書いた後でアイジェットさんへ一応の報告しようかと思っていたら、記事の方を先に見たらしくて大慌てでアフターケアしたいという旨のメールが届きました。お心遣い感謝します。

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あたりまえの事だけれども、ポリゴンデータから出力するのでものによってはこう板が見えてしまうことになる。
3DCG上だとグーローやフォンシェーディングでそれなりななめらかさで表示されちゃうから忘れがちだけれども、出力時は板として扱われるので分割数は十分に細かくしておく必要があるということだね。
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ZPrinter方式だと、こういった空洞や複雑な内部構造もばっちり一体で成形してくれる。
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もちろんスカートの中もばっちりだ!w
というか、こんな無茶な形状でアイジェットさんは粉末除去とコート剤の塗布が大変だっただろうと思う。ある意味、3Dプリンターを試しまくる意地悪なモデルになっているあたり、申し訳ないことをした。
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ピクチャーマップ(テクスチャー)の印刷も一緒にされるので、顔のテクスチャもちゃんと適用。解像度もまずまず。
不要粉末の除去と表面保護コート剤の塗布に関しては、完璧な形で行うのが難しくどうしても残ったりムラになったりしているのだけれども、今のところそういうものだと許容する方向で。
逆にこのへんの粉末除去とコート剤塗布の腕前で出力サービス会社の優劣や選択の要素となりうるなあ。
ツクルスさんだと ZPrinter からの出力サービス時は「ユーザーに粉末除去とコート塗布をさせる」という割り切り型。こっちの方が納得のいくものを得られるかもね。自分の手でやると失敗するかもしれないけれども、そこはそれで自己責任の潔い世界。
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割れたので観察できたのだけれども、サーフェイスから1mmを物体として色つきで出力し後は空洞扱いなのね。
厚さ的に2mm以上あるのが理想ということかしらん。
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思ったより気にならないんだけれどもやっぱり薄く積層させていく仕組み上、層がいくらかは見えるもの。
縦方向の積層よりも、ヘッドが移動する横方向に筋が現れることがある様だ。

教訓として、
・立ちポーズは壊れやすい、覚悟せよ
・座ったり寝転んだり、できるだけ他の物体と接触した形にする
・5mm未満の厚さは壊れやすいと思え

今回は完成品としての立体出力だったけれども、樹脂や光硬化樹脂によるパーツレベルでの出力もやってみたいところですな。その後自分でキャストコピーして組み立てないといけないけれども、分割原型が作れるからまんまガレージキットなわけだし。
みんなも立体出力サービスを試してみてはどうだろう。




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One Response to “立体出力サービスを試してみるのこと”

  1. あたたん Says:

    すごい時代になったものですね~、感動的です。
    ちょっとこちらは3DCGご無沙汰なんですけど・・・
    古い話で、宇宙戦艦ヤマト(当然初代・・・)にあった、設計図からダイレクトに物ができてくる機械を思い出したす。w

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