3Dフィギュアモデルと俺
思い立って、たる美の3DCGフィギュアを作ってみた。
以前、Poserモデル用の初音ミク衣装を作った時にちょこっと書いたけれども、昔から3DCGでキャラクターフィギュアを作ろうとしては挫折してを繰り返していた。そんな挫折も回数を重ねるとだんだんとできるようになっていったりもする。
初音ミク衣装と髪型をさくっと作れたのもそんな積み重ねがあったからなのだけれども、その衣装を別にするとここ7年くらいはキャラクターモデリングをやっておらずほぼ完全に遠のいていた。どちらかというと諦めていたほうが大きかったかもしれない。そんな7年の間にもツールが良くなっていったり、才人の手による作り方指南が沢山読めるようになっていたりと環境も変わっていった。
そいった色々がたまって「今なら作れる」と確信するに至り、えいやっとこさえてみたのが今回のモデルというわけ。
ここまでまともに作り上げたのはたぶん初めてだなあ。
デキはさておき一つの到達点として。
以下、単なる昔語り。
1990年代中盤、私は「3DCGフィギュア」の時代が来るという確固たる視点を持っていた。
当時アニメキャラフィギュアは塗装済み完成品など存在しておらず、ほとんどがガレージキットと呼ばれる組み立てキット品であった。それを購入した後、バリを削り気泡を埋めパーティションラインを消し表面処理を行ってから塗装してようやく完成という結構難度の高い趣味であると共に入門するには敷居が高すぎる世界だった。
そういったアニメキャラフィギュアを身近にしてくれるのが3DCGだと考えていたのだよな。まさか、リアルタイムで動き回るゲームが出てくるとか、塗装済み完成品フィギュアが超ハイクオリティかつ安価で市場にあふれる様になるとはそのときは思っていなかったのもあるけれども。
そんな3DCGフィギュアの世界を作れないかとShadeを買い込んで取り組み始めたのが1998年1月。テライユキよりほんのちょっと前。しかし、あまりの面倒さにあっという間に挫折の連続となる。
その頃を偲ばせる一枚。スプライン系モデラーはシワが生じやすく、いじってもいじってもそれが消えないんだよね。
一年くらいいじっていたけれども、結局 Shade でフィギュア作りは諦めた次第。上の絵は、適当に作ったボディーでイラスト描き時のデッサン人形として使っていたときのもの。自分の描く絵と同じ等身のデッサン人形として結構便利していた記憶がある。
1999年に入って Shade から離れ、AnimationMaster へと乗り換えた。
当時はポリゴンモデラーが人気だったけれども、Shade とはまた違った形の AnimationMaster のスプラインパッチモデラーが気に入って使い込んでいた。確か当時の3Dモデラーはみんな独特のインタフェースだったためペンタブレットでまともに使えなかったとかいうのが大きな理由だった気がする。
簡単な形で慣れていこうとして作ったモデル。しょぼい積み木みたいだけれども、コレを作ることで結構な基礎トレーニングになったような気がする。服とか靴とかのあたりで。
1999年末くらいに「最後まで作ってみるぞ」と言って一体作成してみるが、なんかもう忘れたい過去の遺物。
掘り出してみたけれども、痛くて直視できません(涙
とてもじゃないが見せられるデキじゃないのだけれども、それでも最後まで作ったというのは何にもまして大きな経験となったはず。
その後ちょいと間が空いて2002年になるのだけれども、AnimationMaster 上でモデリングをする事に大分なれてそんなに複雑でなければおおよその形が作れるようになってきたのでもう一度フィギュア作りにチャレンジ。
ランカ・リーじゃないよ、「天使のしっぽ」のインコのツバサだよ。当時天使のしっぽというアニメが大好きだったのだけれども、ツバサというキャラはそんなに好きでもなかった。なんでこのキャラなのかよくわかんないけれども、たぶん失敗しても悔しくないキャラというチョイスだったのではないかと。
結局、AnimationMaster のスプラインモデラーではシワがどうにもならず地道にエディットしていくしかないのと、髪の毛のような複雑な形状は作りにくいので音を上げてしまった次第。頭は一見できているようにみえるけれども、後ろにある髪留め部分が作れなかった。
足はパンツのところまで作ってあるけれども、胴体やその他は作ってない。足は当時良いできだと思っていたものだけれども、今見るとヘボいなあ。
そんなこんなの挫折を繰り返した末「キャラクターモデルは俺には無理」と半ば諦めていたけれども、なんとか完成と言えるものが作れるようになったよ。サブディビジョンサーフィス万歳。