支払い側の心理にまとわりつくもの
「コメを噛め」の方で「奏」キットの頒布を行ってみた。
[「奏」キットの頒布のご案内]
しばらくその対応に追われていたりしたのだけれども注文やページ来訪の数も落ち着き、欲しいと思ってくれる人のところにはあらかた届いたかなとかそんな感じ。まだ在庫はあるけれどもね。
さて、ただ単に「売ります」「買います」では味気ないものでして。趣味の範囲なので儲けがあるわけでもなし、どうせなら色々と実験をしてみようと思った次第。なので、今回は敢えて委託とかせず自分自身で個人販売を行ってみた。
頒布を行うにあたり支払いの方法に多様性を持たせてみる。ネット上での個人活動も豊かになり、主に個人オークションの隆盛から個人間送金手法も結構種類が増えてきている。それらの中で使えそうなものをチョイスして一覧表にまとめた。「奏」キットのお支払いはこれらのどれでも受け付けます、ということなのだ。
支払う側も単に代金を支払うというのではなく、送金手法の実験に参加してもらう事でお買い物を楽しんで貰おうというのが狙いである。
なんだかここにきて、個人制作者やCGMといったものに利益還元できないものかといった議論を繰り返し見るようになった。投げ銭システムが必要なんだよ、とかいう論調も4~5年前くらいに見たような光景な気がする。
還元の流れが必要だとか、マイクロペイメントが個人制作を救うとかそれっぽい事を頻繁に言っている人を見ていると考えることがある。
四の五の言う前に試して見ればいいんじゃない?
とまあ、そういうことだ。
キットの方は完売したわけではないので、中間報告気味ではあるのだけれども現在のところの支払い状況をまとめたものが以下の表になる。
支払い方法 | 利用者数 |
---|---|
アマゾンギフト | 6 |
代金引換 | 3 |
銀行振り込み | 1 |
Edy送金 | 1 |
ニンテンドーポイント | 1 |
俺たちはどんだけアマゾン大好きなんだよ!
まあアマゾンはともかくとして、代金引換や銀行振り込みといった現金払いを希望する人が次いで多いのは考察に値するところだと思われる。送金実験なんですよと呼びかけてはあったのだけれども、それよりもトレードの確実性や安心感を優先したいという心情の方が強いということなのだろう。
現金で払うという選択は悪いことではないし支払い手法として用意していたものなので問題はない、実情を見せていただき「なるほど」と思わせて貰った次第である。
上の表からは読み取れないと思うけれども、現金以外の支払いを選択した人々も多くが普段自分が利用している電子マネーを用いて支払ってくれている。おそらく、このキットの支払いのために「一度も利用したことのない電子マネーをいちいち用意」することは無いのだと思う。
そういった意味では通販サイトとしてアマゾンは多くの人が利用しているし、また利用する事に抵抗がないといったことなんではないだろうか。
色々と調べて、また利用して感じた事だけれども、送金してもらったものを現金として手にするにはある程度の手数料と時間がかかる。銀行から引き出すのには必ず手数料がかかるといった事のお話である。引き出し手数料が105円としてそれが高いかどうかはともかく、3000円という割と少額な単位の中では高めの比率となってくる。
逆に電子マネーやチケットの優位点としては、任意の時間に利用できるというのが大きい。銀行などだとどうしても口座への入金が平日昼間のみになるので、入金確認するだけにも時間がかかってしまう。これが電子マネーなら、夜中にメールが来てもひょいと受け取る事ができるのだ。この辺の利便性はけっこう大きく感じる。
ついでなので「代金引換えゆうパック」についてのメモ。
ゆうパックには代金引換えオプションがあって「個人でも」利用することができる。郵便局に行って「代金引換えゆうパック送付状ください」というともらえるはず。
代金引換えゆうパックには 3種類の料金がかかる。
- 距離に応じた通常ゆうパック送料
- 代金引換手数料
- 依頼主への引き替え代金の送金手数料
1と2は荷物を送付するときに支払う代金で、3は受領者から受け取った引き替え代金より引かれる形で徴収される。3の送金手数料は送金手法によってこれまた異なる。ゆうちょ口座への振り込みか、為替による郵送で為替の方だと430円も取られる上に、郵便局にいって換金しないとならない。割と負担が大きい。
ある程度まとまった数と期間、販売を続けるのであれば徴収代金をまとめておき一ヶ月単位で振り込みを行う「おまとめ送金」というサービスが有効になるのだけれども、これだと送金手数料が1回分だけなので比率として少なくおさえられるが利用の1ヶ月前に申請をしておまとめコードを発行して貰う必要がある。
以上の様に何かと面倒ではあるけれども、個人でも単発で利用する事ができるというのはありがたく使い方によっては有効かもしれない。
冒頭にも書いたけれども「奏」キットはまだ在庫があるので興味がある人は是非。と宣伝宣伝。