Archive for the 'アニメ' Category

Blu-ray「機動警察パトレイバー 劇場版」

あのサイバー犯罪アニメの金字塔、劇場版パトレイバーが HD リマスタ&Blu-rayで発売になったのですー。HDリマスタ版のDVDが付いてくるというのが微妙な構成。マニアアイテムとしてDVDで買っておいて「いつかはHDで見てやる」「ソフトを持っているからHDで見たいな」という欲求を煽る作戦でしょかね。DVD目的で買う人がいたら、ですが。

当時としては緻密な劇場版作成でHD画質でリマスタだといっても18年も前のフィルムなので、フィルムグレインもりもりでノイジーなのは致し方ないのです。いや、逆にDVDだとつぶれたりしてしまうので、このクリアなグレイン(へんな表現だな)が楽しめるというのは結構贅沢なのかもしれず。フィルムならではの質感を味わえる方に。
実は綺麗過ぎてフィルムグレインだけでなく、セルの傷や汚れまで見えるのよね。スクロールするところではそれらの傷が目立ってしまう。もっと面白かったのは、セルが多めに重なっている場面では、手前のセルに描かれている絵の影が背景に落ちているのまでみえてしまっていること。ある意味すげえ。
そのへん、BDで認識してからDVDで見ると若干見えなくもないので「ああ、これはそういうノイズか」と理解してしまう。比較なしでDVDを見たら気がつかないかも。
うちにある BD-MV では初めての AVC コーデックディスクなんで今ひとつ画質の比較はできないけれども、MPEG2 より元絵をかなりクリーンに出せている気がする。(ノイズ込み、でね)
そういったフィルムグレインを大切にしているマスタリングなので、DVDで見るとビットレートが足りなすぎてちょいと酷い感じがした。以前出ていたDVD版を見ていないので比較はできないですが。

まあ、画質うんぬんはともかく中身は相変わらずおもしろくて困ってしまうほどなのです。
共鳴の謎を解き明かしてから、エンディング曲が流れるまで、釘付け状態になってしまうほどの展開。
1989年作成だから18年前のものなのに、今見ても全く色褪せていないシナリオ。サイバー犯罪ものとして今見ても面白いというのは驚異的なことなんではないかと。
(そのあと未来犯罪ものは攻殻機動隊シリーズにつながって行く感じか)
そいや、缶ジュースのプルトップがちょっと気になったな。90年以降全ての缶飲料がステイオンプルに切り替わっちゃったからね。

一応、HDメディアすげーという所はあるけれども、元の映像が古いのでHDならではの画を期待して買う向きではないでしょうな。HDメディアで見るなら最近のアニメの方が良いと思う。(パプリカとか)
パプリカはパプリカでBDならではの精細感があまりないから(でもたぶんDVDと比べたら十分すごいはず)、HDすげーと思いたいなら今のところイノセントの見るのが王道かねえ。



進化を伴わないデジタル化

地上デジタル放送への全面切り替えは再三報道されている様に 2011年である。
あと4年もあるというよりは、あと4年しかないのかーといった気分になってきつつある今日この頃。

ところで、ニコニコ動画掲示板の一つに以下のようなスレが存在している
「田舎はいつも肩身狭いんだよクソッタレ!」
地方では地上波テレビ局も少なくアニメを見ようにもDVDを買うしかねえんだよ、といった感じの内容。ひいては、ここ最近ニコニコ動画での削除によってアニメが見れなくなり地方在住者としては辛いといった論題。
論題自体はいつものパターンなのでともかくとして、なんでこうなっているのかを考えてみると興味深い話ではないだろうか。

テクノロジによって、時間と距離の間隔は大きく変わりつつある。
BS, CS, インターネットと各地方に対し距離の関係なく情報を伝達する手法がいくつも実用化されているのに、地上波テレビだけは旧来然とした地域格差と情報時間差を生じさせている。
地上波テレビもデジタル化し、利用者側に最低でも数万円(平均数十万)の出資をさせながらも、情報の地域格差解消には役立ってはくれない。
そういうものなの?(誰のどういう態度が悪いのかはここでは敢えて問わない)

地上派放送は既に過去のインフラであるとして、利用者としては離れていっても良いんじゃないかと個人的には思っている。んで、できるだけ地上波は見ない様にしているけれども、CS放送のおかげでなんとかなったりするものですよ。(CSは有料だけど)
もっと極端な論でいくと、アニメなんかは最終的にDVDを売ったり周辺関連商品を売るためにテレビ放送しているようなものだから、地上波である必要はなくて最初からネット経由で無料放送すりゃいいんじゃないかと言う人もいますな。
実のところそういった試みも既に試されてはいるのだけれども、プロバイダ限定だったり、あまり見向きされない不人気コンテンツだったりして成功例が出てこない状況ですが。

テレビが見たいんじゃなくてコンテンツが見たいんだ、とはっきり認識できるならば割と早期に問題視できるところかと。



最近のお楽しみ

アニメのキディグレードとシスプリリピュアが楽しみで一週間を過ごすための糧となっている昨今ですが皆様はいかがお過ごしでしょうか。

なんというか、毎週水曜日の晩(リピュア放送日)とその翌日に各所で興奮の雄叫びとか喚起の思いが WEB 上に踊っていて。それらと思いを共有しているので読んでいて楽しいという。
それが毎週続くってのがある意味すごいよな。



CDを探して

そいや先週末にアニメ「ギャラクシー☆エンジェルえーーーす」のオープンニングテーマ「ギャラクシーばばんが☆BANG!!」の CD が出たんじゃなかったっけなと思って CD 屋をいくつか回ってみるが発見できず。
「むきー、モンスターズが買い占めして日本は大混乱に陥っているですか!?助けてコンドールマン!!」とか思いつつやけくそでラジオ「でじこさん」のオープニングテーマCDを購入(いや、EDの曲なんか好きなんで)。

ふと思い出して携帯を取り出し「メモぷり」で確認。
あ、ばばんが☆BANG の発売って明後日じゃん……

自分の勘違いということでオチ



ゲーム版はスルー

録画しておいた先週の「ミルモでポン」を観てその間の CM にてゲーム版の制作会社を知る。うわ、絶対買わない。家訓でそう決められているので。

これは私の決定です!!
お兄様、涙が止まりません。



過ぎ去りし美しき日々

成田の所で手伝いをしている間、アニメ版あずまんが大王の大体 2クール目の部分をだらだらと流していた。エアチェックしたものだが、ところどころ撮りわすれがあって話が飛んでいるのが悲しい。

まーそれを流しながら適当に話しをするわけだが、話が「女性があずまんがを読んで楽しいものなのか」という方面へと流れる。
なんでかというと、あずまんが大王は「萌え系」ではないが、「女子高生がこんな風に楽しく学園生活をしていると良いなあ」という男の視点から見たドリームがたぶんに含まれていると思っているからだ。そこまで極端ではなくても男性視点で描かれているには違いない。
そんな内容であっても、良くある萌え系の様な匂いが鼻についたりはしないのでまあ受け入れられているんだろうなあと憶測する。実際にどういう母集団に訪ねるかによって色々と返答も変わりそうだが。
んじゃなんで萌え系ほどきつく感じないのかというとキャラが生き生きと動いているからなんだよな。もちろん、各キャラの個性は無茶苦茶強くて非現実的ですらあるが、不快な誇張でないあたりなんだと思う。実際にこういう奴いるよな、いたらいいなという所を伸ばしている。
一言で言うと「媚びていない」というあたりになるのか。

また面白さを増長する要因の一つが「学校生活」を描いているところだと思う。
日本国民のほとんどが高校に通った経験があるし、そうでなくても中学校までは経験があるはずだ。そういった唯一の「共通の体験」が学校生活である。
それゆえにどういった行事があって、どういった内装で、どういった生活が行われているかという経験則がほとんどの日本人の間で知識として共有されている状態にあるからだ。
だから学校という中で突飛な事件が起きたり、奇行を行う人物がいたりすると自分の経験則と照らし合わせてそれが相対的にどれくらい面白い事象なのかが見当がつくのだ。

エヴァンゲリオンというアニメの設定では、到底通常とは言えないような環境に日本は陥っていた。だが主人公達は学校へと通う。冷静に考えると奇妙な気もするのだが、この学校生活を描写することにより学校という尺を用いて視聴者の中に個々人として相対的なキャラクターを作り出す。つまりはキャラクターを身近に感じて親近感や思い入れが強くなるのである。
また、学校という単語をハブに大きな説明無く登場人物の枠を広げる事ができる。

そう考えると「マリア様がみてる」も「あずまんが大王」と同じような文脈ではないかと思う。「マリア様がみてる」の場合は女性が夢見る「女子高生がこんな風に楽しく学園生活をしていると良いなあ」という物語だと思われるからだ。
どっちにしろ「楽しい学園生活」という物語はぞくぞくする。
そういう文脈でいうと男性でも読めるというのはなんとなく納得がいくのだ。
# もっとも私はまだ「マリア様がみてる」の頭の方しか読んでいないので
# 言及できる立場に(まだ)いないのだが

つまり何かというと「学園物は偉大かつ不変なものであることよ」という事だ。
学園王道物というのはほとんど無くなったが、なんらかの形でこれからも学校という舞台が物語に織り込まれる事であろう。
そこには受け手が持っている眩いほどの思い出がスパイスとして隠れている。



It is wrong. (ちゃうねん)

個人ニュースサイト経由で「あずまんが大王の海外反響」というコラムにたどり着く。
ここはいつも海外のアニメオタク事情をサイトの翻訳で語っておられて、読んでいてかなり楽しい。今回は「日本人以外があずまんが大王(アニメ)を観て面白いもんなのか?」といったお題。確かに疑問ではある。

結果としては面白さはバッチリ伝わっているらしい。
大阪の天然は抱腹絶倒だし、ちよすけは可愛いらしい。
一番の疑念として「日本の学生生活とそこに漂う些末な感情(受験に対する不安とか)」が伝わるのかとか、それがわからないと面白くないんじゃないかとかいうのがあるわけだが、完全には伝わらなくてもキャラクターは生きているらしいし大体理解はできるようだ。
なるほど興味深い。

他のコメディ(シンプソンズとか)に比べ、殺伐とした空気が一切感じられないし登場人物はみな温かくそれでいて微笑ましい、とかいう評を聞くと「あーそうかもな」と思ってしまう。アメリカあたりのコメディ路線とはラインが違うからなあ。
(どっちが優れているとは言えないと思います)

まあ、コラムにもコメントされている様にこれらの反応を示している人達はジャパニメーションが大好きで、日本語版をそのまま観ているような筋金入りだから一般論ではないのだけれども。でも、あずまんが大王の面白さをわかってくれる人が海外の人にも多いんだという事を知ってなんだかうれしく思う。

関連リンク
http://www.tekipaki.jp/~moonlight/misc/azumanga.html



「ほしのこえ」が残した物

本屋に行ったら「ほしのこえ」の DVD BOOK 版、よするに廉価版が出ていた。
なにやらコンテの一部が付いてきたりするそうだが MANGA ZOO 版を持っている私にとっては必要ないかなと思ってスルー。その代わり隣に置いてあったインタビュー&評論本「『ほしのこえ』を聴け」を買ってくる。
中は、様々な立場の「ほしのこえ」が好きな人へのインタビュー。割と面白かった。
正直言って文章自体はどうでもいい。最後の章なんかは座談会と称して仲間内のトークを載せているだけだ。評論部分も人によっては怒り出すかもしれない程度の内容だと思う。なんでこんなものを 1800円も払って読まなくてはならないのだ。
だが、そこが良い。
書いてある文章はみな「自分がどれだけ『ほしのこえ』が好きか」ということに終始している。たとえ筋が通っていなくても変な理論であっても、そこには顔を真っ赤にして「俺は『ほしのこえ』が好きだ」と語っている人がいる。
その没入ぶりを見て楽しむ本なのだと思った。いや、けなしているわけでなく好意的に。
これだけの人を動かした「ほしのこえ」というコンテンツと、そのムーブメントは本当に面白いと思う。振り返ってみるに私が「ほしのこえ」自体を楽しんで観たのはあの 2月のトリウッドだけだったのかもしれない。あとは、周囲が反応していく様を眺めていたのではないだろうか。

「ほしのこえ」を楽しんだ人の多くはそれが個人制作であることを知って驚く。
そして、それを受けて自分も何か変わらないとなということを大なり小なり思うはずだ。クリエータでなくてもプロデューサとして小売り店として、そしてファンとして。
だから周囲が感銘を受けて、動き出しそうな様を見るのはこれまた楽しいのである。



同じ馬鹿なら

NHK-BS2 で秋の新アニメ「ぷちぷり*ユーシィ」が始まった。
そのまんま「プリンセスメーカー」だった。
ああ、そうですか。

「これからは親馬鹿の娘萌えの時代だぜ」とか思ったのかもしれないけれども、その場所は陸まお(陸上防衛隊まおちゃん)が 3ヶ月以上も前に通過している上にあっちは「孫萌えの爺馬鹿アニメ」だ。三歩半は先を行っているな。

それが正しい道かどうかはさておき。



べたべたの恋愛物

アニメ版「最終兵器彼女」が終幕した。
原作をうまいこと 13話にまとめたなあ、といった印象。
吐き気がするほど過度の殺戮描写なんかはライトテイストになっていたりするけれども、まあそのへんは詰め込みの為の端折りと考えても良いかもしれないし、全体として漫画版に忠実で好印象ではあった。
しかし最後の最後でちょっとだけシナリオをいじっていたのはなんでだろう。この地球上の全ての生命に仇なしてでも、ちせの命を選択するというノロケがテーマだったはずなのに。「君がいれば他は何もいらない」というえらい簡単なお話なのだ。

「最終兵器彼女」は後半あまり気を入れていなかったし「ちょーお気に入り」というほどでもなかったので、アニメもずっと流し見していた程度。
だけれども映画「ディープインパクト」の 256倍は面白かったと思う。
やっぱり日本のクリエーターも捨てたもんじゃないです。
でも「最終兵器彼女」のハリウッド映画化なんてーのがあったら死ぬほど嫌だな(もちろんそんな予定は無いので仮定ですが)。あのちせというちんまくて幼さの残る体型に羽根やら武器やらがついているのがアンバランスで美しかったのであって、アメリカ人ねーちゃんのグラマラスなぼでぃに付いていても「あっそう」で終わってしまいそうだから。
って話をしているのは単にラストの津波のシーンが結構良いかもと思えて、つい脳内比較対照としてディープインパクトが思い出されただけのこと。

話は飛ぶが「ちょびっツ」は連載当初からの予測通りみごとなまでの「オタク賛歌」となったものだ。
人間でないもの(萌え系コンテンツ)を愛で楽しむという事に対する肯定と、対人間への愛情とは別のものであることの線引きを描いている。むろん、そんなことは言われなくてもわかっているわい、と(良識的なオタクなら)言えるのだが。




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