怪奇大作戦・セカンドファイル

怪奇大作戦はあの怪奇大作戦。その新作が BS-Hi にて 3話短期シリーズとして放送している。
TVの電子番組表で偶然見つけた。
怪奇大作戦ファンとしては期待半分不安半分で視聴中。

なんで怪奇大作戦なんだろう?とか思ったけれども、どうやら実相寺昭雄が亡くなる前に新シリーズを企画していたということらしい。無くなった監督の意志を継いで、制作、放映に至ったということなのかね。2話の「昭和幻燈小路」は実相寺昭雄が脚本担当になっているし。

この文章は 3話が放送される前に書いているので、1話と2話のレビュー。
正直「怪奇大作戦」としてはがっかりな内容。怪奇大作戦といえば「科学犯罪」なのだけれども、その「科学」の部分があまりにもお粗末。科学考証というスタッフもいるんだけれどもなあ。
1話の「ゼウスの銃爪」は人体発火殺人事件で、ファーストの「白い顔」と「かまいたち」の様なお話なんだけれども、人体発火の原因がなんともはや。
「そうか!どうして気が付かなかったんだ!マイクロウェーブですよ」
という展開に思わずズコーッとずっこける。そんな、見始めて 3秒で頭をよぎるけれどもあまりにも安易すぎるので忘れようとしていたものを持ってこられても。しかも、単焦点のくせに鉄筋コンクリート建造物を平気で貫通してるし。科学的におかしいだろ。
現実には存在しないトンデモ嘘科学を創造してくれたほうが「怪奇大作戦」っぽくて良いんだけれどもなあ。
2話の「昭和幻燈小路」は犯罪ですらなかったので、むしろ「ウルトラQ」的。ネタとしては星新一の「午後の恐竜」みたいなもん。「ウルトラQ Dark Fantasy」に入っててもよかったんではないかと。

とまあ、怪奇大作戦としてみると不満たらたらなのだけれども、特撮ドラマとして見ると結構面白かったりする。このへん、ウルトラQ Dark Fantasy のときと同じ感触かも。
怪奇大作戦が作成された 1968年のあたりの刑事ドラマ物って一種独特の重さと暗さがあったとおもう。そして怪奇大作戦もその刑事物の影響を受けて、犯罪者側に重たいドラマが存在していた。
その辺の重苦しい人間ドラマが最近は描けないから、どうしても違った風になってしまうんではないかと。

ちなみに BS2 では 5/1 から放送で、こちらではファーストの傑作選と一緒の放送だとか。

[追記]
3話は「殺人花粉症」という実に今時なテーマをベースにしていて、かなり面白かった。
これは「怪奇大作戦」していて良い。ラストの苦さとかも含めて。
1代だけで殺人花粉が作れるかとか、劇症はありえないだろとかいったあたりはドラマとして置いておくとして。つか、作るなら一年草でやれよ。
バイオハザード的な展開とか、どことなく「ひぐらしのなく頃に」的なところとか。ああ、現代で恐怖を演出しようとするとやはりこういった感じになるんだなあと感心した次第。
1話も実はコンピュータネットワークハッキングという今時な犯罪ではあったんだけれども、それが怖さに変わる瞬間という所に至っていなかったのよねん。




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2 Responses to “怪奇大作戦・セカンドファイル”

  1. kenngyou Says:

    どうせ製作するなら狂気人間くらいの冒険をやってほしいと思うのは私だけでしょうか?

  2. rerofumi Says:

    や、3話の「人食い樹」は思ってた以上に怪奇大作戦していて面白かった

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