電子書籍は何に勝利しつつあるのか

「電子書籍市場は前年比約2倍の94億円に」という記事があった。
まあ、電子書籍は一時期 au が妙に力を入れていたが功を奏したらしく「ケータイで読書」というのも珍しくないのかもしれない。
これからは電子書籍なのかっ! いやいやいやいや、ちょっと待って欲しい。
この資料には大きく欠けている情報があると私は考えている。それはなにかというと「どんな書籍が売れているのか」という中身のお話である。
「36%がマンガなんだろう?」というのもそうなのであるが、マンガと一口にいっても様々なジャンルと趣味趣向があり人によって好みがはっきりと別れている。小説にしたって高尚な純文学ばかりではない。
実は先日、ケータイで実際に電子書籍店でなにか本はないかとうろうろしたところなのだが、その内容に愕然としたところだったのですよ。
何かというと感覚的に 70%くらいが女性向けなのですな。小説は BL ライトノベルで溢れているし、エッセイも女性のためのエッチなコラムが大人気、しかもそれらを堂々と前面に押し出している。マンガにしても「エロかわ」とか煽られていたが、りぼんやなかよしで腕をふるった元少女マンガ家が年齢シフトして書いている大人の女性向け恋愛マンガだし。
つまりは、女性向けのエッチな本が電子書籍の分野で優位を取っただけなのではないかと。
女性向けのそういったジャンルは通販で売れるとかいった話が多く聞かれたような気がする。店頭で手にしてレジに持っていくのがためらわれる商品はオンライン販売に強い、というのはある程度道理ではないだろうか。
まあ、男の子はそのへんさばさばしているし、専門店も多いからあまり引け目をかんじにくいもんだしね。

書籍販売や音楽販売といった既存メディアのダウンロード販売全般に言える事なんだけれども、ロングテール型ビジネスでないと利用する意味がないと思う。
売り上げの 80%を占める 20%の品揃えの部分、いわゆるヘッドしか今はない状態なんだけれども、そんなのは既存のメディアで店頭にて買っちゃうのよね。問題は後の 80%の部分が何時でも探すことなくさっくりと買えるのが利用者的利便なのではないかと言うことはずいぶん前から言っていた様な気がする。

そんな音楽販売で最近買ったのは赤木りえとMOSAIC.WAV。どっちも、店頭で買うかどうか悩んでやっぱり買わないとかそんなレベルの楽曲。
赤木りえはフルート奏者なんだけれども、ラテンやサルサといった楽曲を多くリリースしている。以前なんの知識も無くイージーリスニング向けに買ったアルバムが偉く気に入ったのだけれども、あまり能動的に買うジャンルでもないのでそれ以降手を出していなかった。そういうのこそオンラインでちょこっと買おうかなというのに最適なのですな。
MOSAIC.WAV は AKIBA-POP とかで売り出しているインディーズ。まもってロリポップの ED がメジャーデビューになるんだけれども、はっきり言ってそれで知った。まあ、なんか名前だけ覚えていたしダウンロードサイトで見つけたのでどんなの歌ってたんだろうと思って「SPACE AKIBA-POP」のアルバムを買ってみる。
曲調自体は聞いてすぐに「ああ、こういうのね」とわかる感じだけれども、「AKIBA万博開催決定!脳内で」とか「ロボット三原則に抵触しないよう服従しているだけなんだからねッ!」とか、妙にツボをついたワードが飛び交うので面白くなってきた。
「恋のチェッカー・フラグ」と「魅惑のツンデロイド」がお気に入り。
ちなみに MORA と iTunes のどっちでも買えるのですよ。

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