WEB2.0 と CGM の次に来そうなもの

ユーザーの手によって情報が形成されていくコンシューマメディアとか呼ばれる物がもてはやされている事に対し、「そんなのアキバじゃ日常茶飯事だぜ!!」と冷ややかな視線で見つめているのは何度か書いたとおり。
オタク界隈が楽しんでいた物がゆるゆると一般に降りていき、そこで認められるという構図は何度も目にしているような気がする。mixi 中毒とかいう現象も「コメントがあるかと気になってアクセスを頻繁に繰り返してしまう」「コメントにはすぐレスをしなければならない」などどっかで聞いたような事が繰り返されているだけだし。

逆に考えて、オタク文化にあって WEB2.0 に無い物がこれから必要とされる要素なんではないだろうかね。
オタクつーか、コアマニアがたどった軌跡というのは情報とコミュニティへの執着とその効率化であった。周辺に同類があまり存在しないそれらマニア層は、雑誌の投稿欄や、同人誌即売会、そしてコンピューターネットワークという道具を使って情報交換と同類の存在確認をしていた物である。
んでは、今の WEB2.0 に足りない物は何か。それは「オピニオンリーダー」であると考えている。
CGM はマスメディアからの解放であるのにリーダーが必要であるというのは矛盾しているかもしれない。でも必要なものなんですよ、これが。
私らが AMAZON に殺到してハルヒの CD を買いあさったり、翠星石のフィギュアを買いあさったりしているのは「なんかないかな〜」と AMAZON をブラウズしているからではないのですよ。(そういう場面もあったりはするけれども)
大抵は個人ニュースサイトや Blog のクリッピングや「これスゲーよくね?」とかいう記事を見て、「どれどれ」と AMAZON に見に行き「むむむ、コレは私も買わねば」といった様な流れで購入へと繋がる。そしてそれをまた記事にし、他の人がそれを見る。
わかりやすく言うと「アキバBlog」さんで紹介されているようなアイテムはオタク的にジャストフィットな情報であるし、ここの記事で見るとなんとなく面白そうに見えてくる。
んじゃアフェリエイトなの?というとそれとも違う。如何にもアフェリエイトですよー、踏んでくださいよー、というのは絶対に踏まないし、なにより「愛のない紹介」には絶対になびかない。
ここに紹介されている記事なら信用に足るというか、思わず買いたくなってしまうような記事を書く俺的ツボなサイトというのがいくつかあるものである。そういういのは何かというとやはりオタク情報的な「カリスマ」なのだな。
カリスマとまでいかなくても、扱っている情報の一貫性に自分と近いシンパシーを感じるとかそんな感じ。
わかりやすい例を思い出した、スタパ斉藤の物欲購入記事みたいなもんだ。スタパ斉藤は旧来のマスメディア側の人だし既にある程度の隔たりを感じてしまうけれども、あの「買った、試した、君も買え」的な記事は強烈な物がある。「スタパメソッド」と名付けても良いかもしれない。
でまあ、そのようにオタク文化のオピニオンリーダー的な存在が「いやー、コレめちゃくちゃ良いっすよー」とか「生の言葉」で語っていたらついついそれが欲しくなってしまうものなのでは無いかと言うことだ。
オタク界隈だとそういう「○○の人」とか「××の人」とか得意分野やマニアジャンルが明確にあって、それぞれ著名な人が居る物である。で、その人が言うんなら間違いないと我々は安心するのですな。
AMAZON のユーザー書評は確かに買うときに参考にはするけれども、そもそもでそこにたどり着く道筋がない。その道筋をオピニオンリーダーが示してくれることで我々はそこに殺到することができるのである。

つまり、オピニオンリーダーの登場はマスメディアからの乖離離脱ではなく、もっと小さく沢山のメディアへの分離とその新興メディアへの移動、依存と唱える。
1つの大きなメディアへの依存とその操作に対し疑問を感じ始めた大衆が「お前らにのせられるかよ」と嫌気を感じ、ある程度自分の意志で自分にフィットした小さなメディアへとたどり着くといった流れである。
そうして大きなメディアから離れても、でもやっぱり「誰かにお勧めして貰いたい」という欲求はこっそりくすぶり続けている。たぶん。

インターネットとオタク界隈でちょいと異質なのは、そのオピニオンリーダーがリアルに存在する人物とは限らないというあたりかもしれない。
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One Response to “WEB2.0 と CGM の次に来そうなもの”

  1. takah Says:

    ちょっと前の「うたわれラジオ」感想マンガとかはかなり威力大、、

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