つぶやき 02/26/2002
すっかり社会現象となってしまった感のある「プロジェクトX〜挑戦者達」
だが、小説家や漫画家だけに飽きたらず今度は映画化だそうである。主演
は西田敏行氏だとかで、もうすっかり各メディアでニュースとして取り上
げられている次第。
しかし、そんな状況にちょっと待てと言ってみたい。
プロジェクトX が面白いのは挑戦者達の熱いドラマであるのはまあ相違無
いのだが、私が評価しているのはそこだけではない。あれは、戦後の日本
復興を夢見た人達の戦いであり、いわば昭和を作った人達の物語だと思っ
ている。昨今ではすっかり昭和も遠くなってしまった。その思い出となり
つつある昭和、その昭和を作ってきた人達が、今、かろうじてご存命して
おられるうちにその姿を残しておこう、肉声をとどめておこう。そういっ
たあたりが、あの番組の大きな価値なんだと思う。
プロジェクトに関わった人達。ご年配が多いです。そんな実際に働いた人
達が、自分の声で当時のことを語っているという重みに深く心を打たれる
のが醍醐味なんではないだろうか。
だから物語だけを取り出して映画にするというのはいかがなものかと思う。
確かに映画は熱く燃えるものになるかもしれない。しかし、そこに史実と
しての重みは幾分欠いているのではないだろうか。
「さようならミスターVHS」この垂れ幕を工場の片隅で従業員が握りしめ
ている、それが現実の記録映像であるからこそ訴えかけるものがあるので
ある。
余談だが、懐古主義に走るとその文化は終わりだという言葉をどこかで聞い
たことがある。その直後にヒットしたのが「ちびまる子ちゃん」でずいぶん
複雑な気分になったものだ。