GP2X/嗚呼、憧れのオープンソースゲームコンソール

かつて(6年ぐらい前?) Linux という単語がブームになり始めていた時。
Linux を OS にし、ライブラリをオープンソースで固めたゲーム機もしくはゲームタイトルを作って売ろうという試みがいくつも立ち上がっていた。
しかし、それはほとんど全てが断念しプロジェクトとして失敗に終わり、ついに市場に現れる事はなかった。ゲームソフトですら、ほぼ一部(韓国産の囲碁将棋ソフト)を除いて、販売どころか完成品すら出てこなかった有様。
絶望した。
そして、ゲームソフトが走らない Linux はデスクトップ OS の地を追われる事になる。(いや、まだすがりついてはいるけれども)

しかし、完全自由でオープンなゲーム機は実は発売されていた。
韓国産の GP32 である。発売は 2001年末ごろ。
できるだけオープンにして開発の参入障壁を低くし、ソフトはスマートメディアに書き込んで発売することでコストを下げようという感じだった。
んが、ソフト販売は思わしくなく、アマチュアはこぞってエミュレータを移植してある意味最強の携帯マシンに仕上げていった。

そんな GP32 の後続として最新のマシンが Xbox が気を吐いている真っ最中の今年 11月に発売された。 GP2X である。
今回は SDカードでソフトを提供できる形態。
SDK として SDL が提供されているというのが、オープンソース主義者として非常に興味深い所。
本体と同時に発売されたラウンチタイトルはなんとゼロ本。そもそもで、専用ソフトウェアを販売する気があるのかすら疑わしい。
しかし、アマチュアの手によるフリーウェアは既に多数存在していたりする。主要ゲームコンソールエミュレーターや Quake, Duke3D プレイヤー、そしてオリジナルの手作りゲーム等々。
なんてオープンで自由な世界。
(ユーザーズマニュアルもコミュニティで作られていて、本家の紙っぺらより出来がよいというのはどうかとは思うが)

日本での代理輸入を行っておられる MELONCOKE さんと連絡を取り、早速入手。
これまたこいつがとんでもないじゃじゃ馬ですでに丸二日をつぶしてしまっている次第。Windows でもクロス開発環境パックが用意されていて、それを利用すれば簡単なんだけれども、MSYS + MINGW なのよね。普段使っている Cygwin 上にコレを持ってこようとしたのが間違いというか。なんか一通り自分でクロスコンパイル環境構築した方が早いかも。(さんざやってきた事なので)
取り敢えず Windows はほっておいて、あっさりインストールできた MacOSX の上でぽちぽちと実験。SDL は PSP の時既にベース環境を作っておいたのでそれを元に動作実験。
……あー、まじですか。60フレーム基調だとピクセルフィルレートが 1画面分しかないんですが。それより、フリップ後の画面クリアで 3ms かかるのはどうしたもんよ。
でも、エミュレーターで60フレーム出ているできの良いやつがあったりするからな、作り方の問題なのかもしれない。もうちょっと調べてみよう。
ソースも覗いたけれどもそもそもで SDL で良いの? という気はする。この作りだと、ダイレクトにデバイスを叩かないと速度でない気がする。いや、直接ハードを叩いても大した事にはならないんだけれども。

でまあ、ハード自体ですがかなり酷いですw
液晶は安っぽくてフリッカーが眼に痛いわ、音は汚いわ。
地元韓国で先行発売したは良いけれども、あまりにもバグだらけで完成度が低くブーイングの嵐だったとかなんとか。今でもかなり愉快な挙動を見かける。
でも、デベロッパーとしては面白いおもちゃであることは確か。手のかかる子ほどかわいい、かもしれない。
そもそも使っているチップが、HDD と 液晶を繋げばポータブルビデオプレイヤーになります系のメディアチップで、そっち方面が本業なんだけれどもボタンを付けてアプリラウンチャーを付けて、無理矢理ゲーム機に仕上げました的なところがある代物。
ゲーム機として見るのではなく、SDカードマルチメディアプレイヤーの「リファレンスキット」が安価に手に入れられると考えると面白いかもしれない。開発キットは無料だし。(JTAG は繋がらないけど)
これを買って、そこらのヘボい UI のプレイヤーと一線を画すかっちょいいアプリを作って、そのナイスな俺プレイヤーを売り込むというのも良いかもしらんね。

中国、台湾、韓国といったアジア諸国で携帯デジタル機器というと、なぜか ebook という名のテキストリーダーが付くようになった。なんでだろうねー。
GP2X にも付いているけど、アルファベットと韓国語しか表示できないので日本語は読めなかったりする。なら自分で作れという話で落ち着くのだけれども。

本当は専用のページ起こしたところで書こうと思ったんだけれども、必要以上に苦労しているので中間リポートまでに。
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