創作の自由さと権利

BRAINSTORM経由で、バーチャルネット法律娘 真紀奈17歳での「Derivative Only Licenseの提案」
個人レベルでの二次創作を許可する方針での利用ライセンスを作れないかという試み。
東浩紀氏の提案らしいが。

この手の話に首をつっこむにはちと技量が足りないので、個人的な感想までに。

日本における二次創作漫画といった同人活動をベースにそれを保護し容認できるようなライセンスという着眼点は悪くないと思う。
私がクリエイティブ・コモンズに対して「使えねえなあ」と思ったのはまさにこういった分野への適用が行えないからであった。そういったところから出発し、また、個人創作活動の隆盛がクリエイティブ活動のパワー増大に繋がるといった見方は大いに同調する。
んが、取り敢えずで提案されているものを読むとどうも違和感が拭えないのですよ。なんか気持ち悪い。

たぶん一番端的に表れているのが「二次創作は3000部まで認めます」のあたり。
これは「商業利用との線引き」のために設けられている条項なので、意向はまあわからなくもない。条件はこれそのままというわけではなく練る必要があるだろうけれども。
なんというか、ぶっちゃけると
「俺の作ったものを元にしているのに金儲けしているのが気に食わない、金儲けするなら俺にも金くれ」
ということですな。綺麗な言葉で言うと利益還元。
そもそもでそこが気持ち悪い。
なにって「既にあるものを利用してそれにお金を生ませよう」ということだ。
既にあるものを右から左へ動かすだけでお金を得ようというのがどうもクリエイターっぽくない。
私としては
「二次創作で儲けた奴がいるらしい、そいつが俺の名前を売ってくれたので『次の作品はきっと売れるに違いない』」
こうあって欲しい。
次へ、そしてこれから生み出すコンテンツに執着して欲しいのだ。

そして嫌うべきはコンテンツ原本をコピーして作者じゃないのに「これは俺の作品だ」と『名前を奪う』奴。これは叩いて良い。
でもまあ、自分のギャル絵がピンクチラシに無断使用されていたのを見つけても「かーっ、センスねえなあ、もっとぐぐっとくるようなデザインにできないのかよ」と吐き捨てるくらいの器量があった方がカッコイイ。ような気はする。

まあ、結局お金を払ってライセンス契約している相手が既にある場合、その手前同人に甘いとライセンシーに対して申し訳が立たないのだろうな。……とか書いていてデジャヴを感じる。
ああそうか、オープンソースソフトウェアだ。
「おたくのこのソフトオープンソースなんでしょ、タダで手にはいるのになんで私はおたくにお金を払わねばならないのさ」
「確かにこれはオープンソースソフトウェアで無償で入手することもできます。しかし、私どもに任せて頂ければサポートや広報のタイアップを行います。そういったサービスを提供しているのが我々なのです」

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