ヒーローの条件

「ヒーローと正義」白倉伸一郎 (ISBN4-901330-42-X) を読んだ。
東映の制作部プロデューサーで「シャンゼリオン」「ジュウレンジャー」等々、特撮ヒーローものを手がけてきた人。今は「セーラームーン」をやっているそうで。
まんま「ヒットをねらえ!」な世界だなあ、という邪な感想はともかく、blog の方でも(その筋では)有名で、前にも何回か読ませてもらったことがある。
本が出たことはチャットで教えてもらった。

ヒーロー物を題材に、どういう環境下でヒーローは成り立つのかとか、ヒーローと悪を定義している物はなんぞやという考察。「正義とはなにか」ということを、ヒーロー物とそれが写している現代社会を引き合いに語っていると言う感じ。
なるべく一般向けとなるように気をつけて書き下ろしているものの、「ジャンパーソンにおける複数の敵シンジケートの存在」とか「ウルトラマンコスモスにとっての怪獣」とか、さらっと書かれていたりするのでやっぱりそれらを見ていた人の方が通りは早いかも。

正義と悪という定義は、そのまま好感と嫌悪感につながるものなので、何かしらの作成にたずさわる人は読んでおくべき。
我々は何を嫌い、何を恐れているのか。

私としては面白く読めたのだけれども、全部が良かったかというとそうでもなく。
後半はかなり強引な感じを受けてしまったので、あまり賛同もできなかった。
しかし、視点と切り口についてはなるほどと思うところも多々あった次第。
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