エロゲーと音楽

最近は古いCDを部屋の奥から掘り出してちびちびとリッピングし直す作業をしている。
うちにあるCDのほとんどがゲームミュージックかアニメ関連なのはまあさておき、古い奴は1988年のものとかになるのだけれどもこのあたりのCDがそろっと読みづらくなってくる頃合いなのですな−。おまけにこれくらい古いCDだとほとんどリッピングもしていなかったりする。昔はCPUパワーもHDDもリソースとして小さかったのでなんでもかんでもリッピングというわけにはいかなかったというのが理由の一点、よく聴くのはリッピングしていたのだけれども当時良く使っていたMP3 128kbps は今聴くと圧縮による劣化が我慢ならなくなってきているというのが二点目。
個人的にATRACの256kbpsが音質的に満足できるポイントなのだけれども、可搬性を考えて今回は AAC 192kbps にしているあたり。

そうして古いCDを部屋を漁っていると懐かしくも思い入れの深いCDが出てきた。
cosmic_psycho.jpg
その一枚「コスミックサイコ」。もう知らない人はさっぱりわからないと思うので解説しておくと、これは市販品ではなくて同名のエロゲ−に特典として封入されていたサウンドトラックCD。私はX68k版を買った、現在はゲームそのものは破棄しているのだけれどもこのCDだけはお気に入りで大切に手元に置いている。
発売年は1991年で、ブランドはカクテルソフト。ジャケットではわかりづらいかもしれないけれどもキャラクターデザインは林家ぱー、現在のペンネームは林家志弦。当時CALやJOKERといった作品で話題になったあとバーディソフトをやめて後の作品だったと思う。ちょいと少女漫画チックな絵柄で人気を博したものの書く漫画は豪快でとか語るまでもなかろう。
なんでこれが思い入れの一品なのかというと、それまでは下劣でゲームとして劣っていたエロゲーというジャンルが通常のゲーム並みにクオリティを上げてきたのがこの頃なのですな。特に添え物として適当なものだったシナリオと音楽がまともに見れるようになってきた、そんなターニングポイントな作品が次々と出てきた頃。で、「コスミックサイコ」はCDがついてくるくらいなので音楽に対する力の入り方が結構凄かったのです。このあと音楽で魅せるタイトルというと「雫」まで間だが空いてしまうのだけれども。
ゲームの方も当時としては気合いが入っていて、ストーリーが面白かった。確か、現代の青年がなんかの弾みで異世界の宇宙船に飛ばされてしまうとかいう設定。で、その宇宙船というか種族は基本女の子ばっかりで戦争をしている状態(あのころガルフォースが流行っててなあ)で、女の子と仲良くしながら戦っていくとかそんな感じだったような。物語としてちゃんとしている事自体当時は珍しかったのです。正直エッチシーンはどうでもよかったような覚えがある、ちなみにグラフィックはRGB8色で描かれていた時代。
まあCDを今聞き返してみると音源の都合でしょぼいのはあるけれども、それでも結構聞けたりする。

つーてもあくまでエロゲーにおいてという注釈がつくのだけれどもね。
通常のゲームにおいてはちゃんとそれ以前に素晴らしい作品がいくつも出ている。
アドベンチャーゲームにおいて、素晴らしい音楽が場面を盛り上げるといった手法を確立した金字塔はやっぱこれでしょ。
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エニックスの「ジーザス」。このジャケットはファミコン版のサントラで1989年のもの、PC版はもう1〜2年前に出ていて私はX1版で遊んだ。
作曲はすぎやまこういち氏。それまでのアドベンチャーゲームではただ鳴っている感のあった音楽に対し、場面を盛り上げるための演出という意味を持たせたタイトル。素晴らしい音楽は場面を盛り上げ、ゲームを映画と同等の娯楽に仕立て上げるものなのだということをこれで初めて知った。
しかも、音楽をシナリオの小道具として用いていて、それが故にクライマックスで流れる「勝利の旋律」はいやがおうにも盛り上がる。まあ古典なのでネタバレするけど、船内に潜り込んでクルーを襲っていたエイリアンは特定の旋律に弱く最後エイリアンの前でその旋律を演奏することで撃退するんですな。その旋律はメインテーマのイントロなんだけれども、それが鳴り始めてから音が重なっていって最後「勝利の旋律」という楽曲になっていくのだからそりゃ盛り上がりますよ。

おまけとして珍しいCDの紹介。
synergy1992.jpg
“SYNERGY RECORD” の1992年アルバム。これはなにかというと、最初期の「オリジナル系同人CD」なのですな。うらべすうの絵がなんだか懐かしい感じ。
1991年の “MCMXCI” を知り合いに聞かされて、同人CDというのは面白いなあと翌年自分で買った物。同人といっても参加メンバーがほとんどゲーム製作のコンポーザーなので、当時でもアマチュアとは一線を画したレベルの楽曲が入っている。めがてん細江氏や古代祐三氏が参加しているということで話題になっていたけれども、それ以外の面々も今聴くと「えー、あのひとが?」といった顔ぶれ。残念ながら添付の冊子を紛失してしまったので、どの曲が誰の作品かはわかんなくなっているけれども。
このあともうちょっとすると本当に同人でもCDをプレスすることができるようになったり、CD-Rが個人で購入できるようになったりして「同人音楽」というジャンルは広がっていったのです。
それまでカセットテープ配布だった不気味社の「豪快な歌声」がCDシングルに移行したのもこの直後あたりだったはず。

というわけで、単なる昔話でした。
ジュークボックスにジャケット絵を付けるために、手持ちの物をスキャンしたついでの記事。




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One Response to “エロゲーと音楽”

  1. Mid-RIN Says:

    3つともなつかしい・・・
    エロゲーなのに音楽すごいよ(失礼)って
    思わせた一枚でした(^^)
    でも年がばれそう(爆)

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