「萌SD」にたりない物

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萌えキャラを付けて売ろうという試みの microSD カード「萌SD(もえすでぃ)」
なんとなく予約して発売日に入手していたりする。この手のは結構枚数あっても使ったりするのでなんとなく揃えてみた。1GBが2枚あるのは気にするな。や、安かったからってだけなんだからね!他の2人が可愛くないとかそんなことは言ってないんだからね!
実際のところ、割と所有ガジェットでSDHC未対応のものも数あったりするので 1GB、2GB という通常SDは使い道があるのだ。それに、SDHCじゃない通常SDだとFAT16でMMC互換SPIアクセスができるから、マイコンで扱い易く電子工作派にとっても使い出があるのですよ。言い訳じゃないよ?

でまあ、買う前からわかりきっていることだけれども『萌え』を名乗るにはあまりにも残念すぎる商品である。
何が残念なのかは考察に値すると思うので一筆記しておく次第。
『はてな村』風に書くと「そろそろ『萌SD』について語っておくか」、である。
取り敢えず語り口として「かわいくない」「萌えない」「絵が好みでない」という嗜好によるものは置いておく。いやしかし、2GBの次女はメモリの中に入っている壁紙をみて初めて「パンチラ」している絵だというのがわかるんだけれどもちっともうれしk(ry

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これが内容物。昨今の激安 microSD に比べるとそんなに安くもないのだけれども、そのかわりSDアダプターがついてくる。割と実用的なセットだったりする。
普通のSDと違うのはアスタリスク型の模様がついていてちょっぴり華やかさをアピールしている程度。microSD の方は何かしようもないのでこれで良いけど、アダプタの方は絵を刷り込むなり色つきの樹脂で成形するなりできたんではないか。このアダプタが、パッケージのベースカラーと同じ色になっているだけでかなり存在意義がでたと思うんだけれどもな。
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もっとも残念なのが取扱説明書。通常のSDカードと同じ文面とレイアウトの紙一枚で型番以外『萌SD』として書かれている事が無い。
なぜここにイラストを添えないのか。せっかくキャラクターが居るんだからそれに可愛く解説させるとか、そうでなくても脇に挿絵として置いておくとかできるだろうに。

こうして内容物を眺め実際に製品を使ってみると、この製品が『萌え』と称している要素は「パッケージ」と「メモリー内におまけで入っている壁紙」の2点だけなのですな。SDカードとしての実用度や、説明書やサポートといった点にはまったく触れてこない。
つまり店頭で「何かSDカードを買おう」と目的薄く売り場をブラウズしたときに、ちょっと毛色の違うこの製品を目にとまらせ、「せっかくだからこれにするか」という比較購入時のアピールでしかないわけなのだ。買った後のSDメモリにキャラクターは投影されていない。
そうして考えると公式サイトでの設定もかなりよろしくない。この3人娘はおじさんの家でSDメモリを売っている売り子ということになっている。この子らはあくまで売り子で「買ってくださいね」と微笑むだけで、買ってしまった後の商品はキャラクターから離れた物になってしまう。可哀想なのはマッチ売りの少女なのであって、その少女から買ったマッチそのものには深い思い入れがあるわけではないのだ。
つまりだ、キャラクターを付けるのならなんらかの形でSDカードを擬人化して、SDカードの先にキャラクターが透けて見えるようにしなければならないのだ。さすれば、SDカードに愛着も湧くし、複数枚所有しようかという流れにも持ち込む事ができる。
現状では「壁紙が欲しいから」程度にしかこの商品を選択する理由が無く、その壁紙も1枚あれば十分なので同じ商品を2枚3枚と買わせる原動力にはなりえない。むしろ壁紙は広告がわりにWEBで配布した方がよかったのではないかな。

米だの苺だのが話題だけれども、あれらは名前とキャラクターが結びついているしある程度の擬人化となっているので、食しながらうっすらとキャラクターを透かして見る事ができている。
そのへんを踏まえることのできない、形だけの追いかけ商品が今後どれだけ登場するだろうか。ある意味楽しみではある。

キャラクターは絵があるだけで価値をもつものではなく、その振る舞いや事象への紐付けによって魂を得るものである。




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