Archive for the '企業' Category

コンテンツは何のために必要なのか

私的録音録画小委員会: 「ダウンロード違法化」不可避に
やっぱりというかなんというか、普通じゃない数のパブリックコメントが集まっても状況は変わらずといった具合で。
この記事を読んだ段階では「しょうがねーなー」と元からあった諦めムードの延長だったのだけれども、その次の記事
私的録音録画小委員会: 反対意見多数でも「ダウンロード違法化」のなぜ (1/2)
この内容は流石に怒っても良いよね?

「タダで入手できないから買わなくなる、というのは全くありえない」と強い調子で反論する。

でもタダだからとこれまで視聴していた人「全員が買う」とは思うなよ?
それ以上に、これまでちゃんと対価を払って買ってきた優良消費者を心底怒らせたという事も認識しておいてほしい。どれだけ増えるかの計算ではなく、どれだけ(呆れて)離れていくかといった数字の方を注目していた方が良いと思うよ。
不買運動は起こさないけれども、静かに買わなくなっていく人達がいるに違いない。

私も5年くらい前は、月に2〜3枚CDを買っていたりしたんだけれども、CCCDの騒動で業界とパッケージ流通販売の世界に嫌気がさし「呆れた、もう買わない」と 1〜2ヶ月に 1枚買うか買わないかといったペースに意識して落とした。もちろん、海賊版を利用するわけでもなく、違法コピーで聞くわけでもない。今、ポータブルオーディオに入っているのは東方プロジェクトを中心とした「レコード会社を経由しない」同人音楽CDと、初音ミクを中心としたアマチュアオリジナル楽曲、それと昔買ったCD財産。正直これで十分である。
あとは「海外資本の」インターネットラジオを(有料なのを課金している)ちょろちょろ聞ければ、国内流通のCDは1年に1枚買うか買わないかでやっていけるだろう。
ちなみにテレビも地上波は見なくなって、CSだけ見ているというのは同じ様な理由。

でも、どちらかというと今はどうでも良かったりする。
そういった、今のお金を大切に思うが余り施行した法により、未来のこれから出てきたかもしれない革新的な文化活動の発展を萎縮させ、クリエイターの卵となるべき人たちの芽をたたきつぶしたといったことの大きさを憂える。ひたすらに。

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で、あなたは何をしてくれているの?という疑問

ニコニコ動画がちょびちょびとリニューアルしているが、個人的にはニコニコニュースがふつーのBlog化しているのが一番衝撃的だったり。
これまでは業務連絡ぐらいしか書いていなかったのだけれども、外部のニコニコ動画に対する反応を反応返しする様になったらしい。
この記事からone hopで流れ弾を食らっているので多少影響があったりもするんですが。

その記事で紹介されている「クリエイター to コンシューマーな直通エコシステム」という記事に反応してみたり。
IOSYSという同人サークルがCDを自身の手でAMAZONにて販売しはじめたという事についてのお話。これ自体は賛否両論というか、きわどいバランスの上で皆静観している状態といったところ。
確かに言われてみれば、いろいろなモノをすっ飛ばしたダイレクトセルモデルであり、これこそネット時代の流通だよねという気がしなくもない。
ここ20年ほど色々変わったが、やっぱり流通が一番変わっている様に思う。
家電メーカーも直販に力をいれて、(顔色をうかがいながら)小売りの比率を下げていたりするし。
なんでもかんでも直販という訳にはいかないけれども、それぞれのメリットを生かして最も良いと思われる流通形態を利用するのが良いのではないだろうか。

で、話しは飛ぶようで繋がって居るんだけれども、旧来メディア業界に対して消費者が抱いている不満のお話。
音楽とか映画とか、テレビとか、やたらと権利者団体が強気で色々と消費者に「利用の仕方」を指導(という名の制限)したり、善良な消費者を泥棒呼ばわりしたりして対立する構造が強調されていたりする。
JASRACの様な徴収業務委託業者や私的録音録画補償金制度が毛嫌いされていたり、間に入って広告料を持って行く代理店に対して陰謀論を抱いてみたり。
でも、多くの人はコンテンツのエクスペリエンスに対して、楽しみに対して、対価を絶対払わないとまでは言ってない気がする。やっぱり好きなモノは応援したいし、対価を支払いたいと思うものだ。
問題はその対価が「正当なモノ(額)である」と認識できるかどうかなんじゃないだろうか。
つまり現在のCDやDVDがなんであの値段になっているのか理解しきれていないし、それを払ってもアーティストやクリエイターにお金が届くと思っていないから不満を述べるのである。アーティストやクリエイターに対し対価を払いたいのに、ほとんどが間に入る権利者団体が持って行ってしまう、なによお前らはと。
インターネットの普及で提供者に対しクリエイターからダイレクトに買えるようになったり、CGMで配給会社抜きの状態でコンテンツを楽しめたりする様になっているのでその「中間層」に対する疑問と不満は一層募っていく。

じゃあ、それらが無くなれば良いという論調になりがちだけれども実はそうじゃないんでは、というのが今回のお話。
つまり、いわゆる旧来メディアの権利者団体の営業不足ではないかという視点提起。
レコード会社や配給会社がクリエイターを発掘し、プロデュースし、お金をかけたからこそこのクオリティのコンテンツが供給できるのだよという状況があったとする。たぶんそれは本当のことじゃないかと思うのだけれども。
その中間層のマージンに見合うだけの賞賛を消費者から得られていますか?というあたりが疑問。そこの部分に必要性を見いだすことができれば、お金を払うことは当然の事と思ってもらえるのではないだろうか。
だから、配給会社や出資団体は「俺たちが居たから、俺たちの活躍でこのコンテンツが世に出た」とその仕事ぶりがっちり宣伝して存在をアピールするべきなんではないか。そして、それが消費者に受け入れられたとき、権利者団体に払われるお金はスムースなものになる。理解してもらえなかったとき、それは営業力不足でありお金を払うに値しない程度の仕事しかしていないと思われたということである。

やっぱりコンテンツを買う以上納得して買いたい物だし、あそこが作っているなら確実だねという安心感があれば一層良い。納得できるだけの必然性。

ダイレクトコマース主流という極端な市場になるのではなくて、いろんな物が混ざっていて適材適所で楽しくやれていてば良いんじゃないかなあ。楽しくやれない要因の一つに「著作権侵害」という言葉があったりするのですが。
つか、版権物を二次創作利用したとして問題ないので黙認されている状態を表す適切な言葉は無いものか。無断利用して、でも明確な金銭的損害はないし双方の利益になる状態なので黙認している、といった場合でも現状「著作権侵害」と言われてしまうのはちと忍びない。



つぶやき 08/23/1999

インターネット上のいろんな無償サービスを利用させて貰っているが、疑問が一つある。
無償でサービスを提供する収益はWEB広告で賄うという形態が結構あること。
WEB広告というものがTVや雑誌のそれと同等の効果があるのかどうかは知らないが、
現時点でWEBページを閲覧できる人と言うのはまだまだ少なくて一般的ではないのでは
ないかと思う。
つまり何かというと、広告クライアントってそんなにいるものなのか?ということ。
ひょっとして、限りある小さなパイ(=広告クライアント)を期待して事業を展開しては
いまいか?

かたや、TVのCMを簡単にスキップできるビデオやデジタルビデオを目の敵にして、TVCM
の閲覧数を減らさないためにコンピューター業界に働き掛けているクライアントもいる
という。確かに、WEBを閲覧するからTVを見なくなったというのは心当たりがある。
まあ、ほとんどの人はWEBとTVを両方見ているらしいが。
そういったことを含むと、TVCMがかなりの比率WEBCMにシフトしてくるのかなあとか
ボンヤリと思う。まあ、それはそれでよいのではないか。利用者として気になる広告の
詳細を直ぐに得られるという利点があることだし。

ちなみに、個人的に広告類はあまり気にならない方なのだが、過去に一つだけ気になっ
てクリックした広告があった。パンを製造販売している COMO という企業である。
WEBというある意味サイバーな世界をうろついていたときに「おいしそうな」パンの写真
が目について、ついクリックしてしまったのだ。残念ながら、その先においしそうな
画像はあまりなかったのだけれども、COMO という企業名は頭にしっかりとこびりついて
後日見つけたら即座に飛び付いてかぶりついたという経緯がある。
コンピューター関係の情報とかは結構慣れたり飽きたりしているのだけれども、食品と
いう生物にとって普遍なテーマは結構いけているのではないか?
食品関連の企業さん、WEB広告を出すなら、その場でコンビニに走ってしまいたくなる
ようなとびっきりの「おいしそうな」画像が狙い目ですよ。 (^^

#次は健康関連かな〜



つぶやき 08/17/1999

最新のニュースというわけではないけれども、IRIXが無くなるそうだ。
IRIXというのはSGIのグラフィックワークステーションに載っていた独自のUNIX系OS。
Indigo とか Indy とか O2 とか ONYX とか CRIMSON とか、そういった時代を作って
いったマシンに載っていたヤツ。
今回SGIの大リストラに際し、そういった事業方針を転換、利益の上がらないNTマシン
を切り捨て、IRIXを切り捨て、Linuxを採用(!)となるらしい。というのがニュースで
聞きかじった内容。

思えば7年前、3DCGがすいすい扱える凄いマシンがあるらしいという事を知り上京して
(当時大学生だった)SGIの展示イベント(SGI-EXPOだったかな)に出向き、それらを見て
興奮した覚えがある。ONYXを使ったノンリニアビデオ編集システムとか、リアルタイム
で動く3DCGとか。当時卒業研究のために小さな3DCGレンダラーをぽちぽちとスクラッチ
で書いていたので、その衝撃は凄かったのだ。
#ちなみにその半年後ナムコから初のフルリアルタイムテクスチャマッピング3DCGゲー
#ム「リッヂレーサー」が発売される(これも物凄い衝撃的だった)

それゆえSGIは羨望のマシンであり、就職して会社に転がっていたIndigoを見て「使わせ
てください!!」と誰も使っていなかった SoftImage を英語マニュアルで一通り触り通し
たこともあった。Indy のシステム管理をやったこともあった。
そんな時代が一つ終わろうとしている。




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