長時間ゲームをする理由を考える


『圧倒的遊戯ムゲンソウルズ』というゲームを久々に遊び込んでいる。
個人的な感覚では総プレイ時間が100時間を超えると「あ~遊びこんだな~」という手応えを得るようだ。それは多分、他の途中で投げ出したゲームが大体 20時間未満とかだから 100時間も行けたら存分に何かを超えていると判断できるからなんじゃないかと思っている。

ムゲンソウルズはジャンルとしてはRPGで、美少女絶対神『シュシュ』が8つの萌え属性を表現する姿に変化して世界各地を萌え落として全てを下僕にしていく、といった割とアレな感じの設定。シュシュのピンク色したちっこい姿は「わがまま」属性で、その他7つの属性に変化していく。そんな設定なので登場人物が全てアレな感じの性癖や性格を持っていてドタバタギャグとして結構楽しい。
実のところあまり情報を得ないで買ったので、そんな内容だったのかとプレイを始めてびっくりした経緯がある。これはこれでかなり楽しいので個人的に当たりではあったのだが。
そんなゲームをなんで買ったのかというと、キャラとかストーリーとかの前にゲームシステムが超ヤリ込み系でツボりそうだったからなんですな。
私をよく知る人は、日本一ソフトウェアのゲームが大好きで『魔界戦記ディスガイア』を良くプレイしていることをわかっていると思う。そのディスガイアシリーズとは関係がなく、制作会社も違うのだけれどもだいたい同じような路線で作られているシステムというあたりに興味を持ったのである。
佐藤天平氏が楽曲提供をしていたりするのでディスガイアとスタッフがかぶっているようなことを言われているようだけれども、実際は一部にゲスト参加的なニュアンスっぽい。佐藤天平氏の楽曲も OP/ED 以外は10曲と2割ぐらいの参加率となっている。
正直完成度とかお勧めしにくいところはあるのだけれども、そういったバランスの歪みってのは逆にゲームの魅力だったりするのでこれはこれで良いのです。後は自分が気に入るかどうか。

そんなこんなで始めたムゲンソウルズだけれども、ヤリ込みインフレゲーとしては割と期待通りでダラダラと遊ぶことができる内容になってる。
大体 50時間くらいかけて Lv100~200に達したところでストーリーモードを終えることができて通常EDで1周終了なのだが、ここまでがチュートリアルで本番はこれからといったディスガイア的な遊び方ができるようになっていく。
ゲームシステムやボーナス要素は正直複雑で全然理解できないし、それらを使わなくても1周クリアできるのだけれども、その先稼ぎや育成といったターンに入るとこれら無駄に見えたシステムやパラメータが全て必要になってくる。そして、おーそういうことかとか言いつつ新しい稼ぎルートを見いだして更なる高見へと上っていくのだ。
この手のヤリ込みゲーにはおなじみの汎用キャラクターと育成のための転生もあって、これがまた蟻地獄的な要素だったりする。転生はキャラクターを鍛えるために転職やパラメータ引き継ぎを行うのだけれども、そのときに育てたキャラクターのレベルが 1 に戻ってしまう。ヤリ込みに慣れていないと「レベルが1に戻るなんてとんでもない!」と思うかもしれないけれど、慣れた者にとってはレベル1からのやり直しなんて日常の行為である。
最初の1周のときは 50時間かけて Lv100 まで育てているけれども、それを超えて Lv1000 に達した頃には、Lv1からLv100まで育て直すのには 5分くらいしかかからないようになっている。そういった効率的な稼ぎや育てパターンが次々に確立していってガンガン転生してパラメータがずんどこ上がっていく作業を楽しむようになっていくのだ。ディスガイア3の時は最終的にカンストする Lv9999 のキャラをLv1から作るのに30分くらいしかかからない位になっていたしなあ。

そういう意味でヤリ込みゲーにおけるストーリーモードというのは幾分邪魔な存在である。
多くのRPGのストーリーはテイストが決まっているので、口に合わない時は結構つらい。しかし、汎用キャラクターを育てるというのはそういった枠から外れたところで楽しめるので全く別の存在である。
そしてその汎用キャラクター育成が楽しいのがヤリ込みゲーの良いところなのでは無いだろうか。
Read more…



未完成/modo601 のボーンに VMD をインポートしたい


今現在ご愛用の 3DCG ツールである modo に最新版である modo601 がリリースされた。
強力なモデリングとレンダリングが売りのツールではあるけれども、それ以外の特にアニメーションについてはイマイチだったことは否めない。
そんな modo が 601 になってついにボーン変形が付きキャラクターアニメーションにも使える様になってきた。

早速ボーンで遊んでみるが、モデルは適当に箱とかで実験すればよいもののモーションはそうはいかない。自分で作成するのはかなり大変なものである。
そこで思い出すのが MMD 界隈。
3DCG のモデルを共有するのは以前から結構行われていたけれども、モーションデータの共有というのは難しくてほとんど行われてこなかった。BVH 形式がモーションキャプチャーデータのポスト形式となってようやく標準的な形として使われ始めたがモーションの提供はあまり行われてこなかった。
それをあっという間に覆したのが MMD界。ダウンロードして使えるモーションファイルをもの凄い勢いで公開、共有していった。これは凄いことだと思っているのですよ。

そんな MMD 界の成果である VMD モーションデータを利用できないかなというのが発端。
Read more…



TCGS for win を売ってみよう

GumroadAmeroad といった個人間少額決済代行サービスが話題である。
個人間売買ということでオークションとどう違うの?といった疑問はあるのだが、どうやらデジタルデータというコピー前提品を扱うことと少額決済を気軽に登録、購入できるあたりが目新しいらしい。

ダウンロード同人販売でもできていたやんとか思わなくも無いけれども、登録の手間もほとんど無いしメチャクチャ簡単なのは確か。
その分入金が引き出し可能額に達するかどうかの確度も無いけれどもそこは仕方があるまい。
WEB投げ銭感覚でいるのが良かろう。

こういうのをみると自分でも e-Book とか売ってみたくなるけどすぐに売れるようなデータは持っていないで焦れてみる次第。
また、システム的にもどんな案配なのだろうという疑問もいくつか沸いてきた。
やっぱり自分で販売登録して試してみようといったのが今回のお題。

新規で無くゴミでもいいからすぐに売れるデータはと考えてみたら、昔 PSP や GP2X 向けに作っていたゲームって実際に遊んだ人は少ないんじゃ無いかと思い至った。komevader なんて自作ハードだから、MTM1 で持ち込んで遊んでもらった以外は特殊なパターンを除いて動いているところなんか存在しなかったはず。
今でもソースコード含めフリーで公開しているけれども、それをまともに遊べる人は居ないはずだよなあ。
これらは SDL ベースなのでマルチプラットフォームなコードになっているし、実際開発は Windows+Cygwin 上でやっていたのだけれども Windows のバイナリを配布したことはなかった。
なので今回、VS2010 C++ でビルドし直して Windows で遊べるバイナリを作ってみた。これを販売ネタとしてみようと思う。

元々 Windows 版なりなんなりでバイナリを配布していなかったのは、画面が90度横倒しになっていたりキーだと遊びにくいとかそういった問題もあるからなので、あまし期待しないでね。


収録タイトルは
komevader for win
TCGS-CAR for win
TCGS-CAVE for win
の 3本。
Ameroad での販売はコチラ → http://ameroad.net/l/doH
Gumroad での販売はコチラ → https://gumroad.com/l/BDxI
ではよろしうに。

おまけ。
TCGS シリーズで TCGS-BLOCK というブロックくずしがあって、これも Windows バイナリを作ってあるんだけれども今回販売するパックには含めずここで無料配布しておく。
これは東方プロジェクトの二次創作物として作られているため。今のところ Gumroad の様な決済系で東方Project の二次創作物の販売が認められていない方向っぽいみたいなので、それを避ける意味合い。(将来はどうなるかわからんけど)
今回はTCGSパックがどんなものかというサンプルとして提示するアピール、という意味合いも持たせてフリーにしておく次第。

Download: tgcs-block_win_20120304.zip (5.54MB)

まあ、今回は Gumroad, Ameroad のお試しなんだけれども、それは気が向いたら投げ銭としてお願いしたい程度として。それとは別にブロック崩しで遊んでみてね。

[追記 Mar.07.2012]
今回 Ameroad/Gumroad に試しで登録したのは、一度販売したものを改定して更新かけることができるかを確認したいからであった。デジタルデータであるメリットの一つとして迅速な更新が考えられるからだ。
これで全仕様を満たしていない書きかけの電子書籍を販売し、逐次アップデートしていくといった形態がとれるのかどうかを知りたかった。

Ameroad は掲載時の Mar.04 時点ではデータと値段の差し替えができず条件を満たしていなかったが、Mar.07 の時点では全ての要素を更新できるようになっておりかなり融通の利く仕様に変貌した。おまけにカテゴリタグが半固定ながら付いており、徐々に使いやすくなっている印象。

Gumroad は基本コンセプトが「URL を販売する」ものなので、URL が指し示す先を更新すればアップデートに近い事は行える。まあシンプルであることが身上みたいなもんだしね。
URLの差し替えもできるけれども、それをやってしまうと既に販売した人たちに気づいて貰いにくいかもしれない。

まあなので、発売後の更新は一応できるけれども告知が面倒というあたりに落ち着くのかな。



ぐだぽよ~


2011年秋アニメで一番ツボにはまってプッシュしまくっていたアニメが『gdgd妖精s』
そのキャストさん達のサイングッズをもらったよという単なる自慢話。

シルシル賞受賞ですよ、シルシル賞。キャストの水原薫嬢にお褒め頂いたのですよ。
水原薫さんと言えば「『らき☆すた』のみさお」と良く言われるけれど、個人的には「『かなめも』の代理」なのですな。『かなめも』OP曲で劇中と違った綺麗な声での歌唱は別人じゃんとか思って感心したものです。最近では『フォトカノ』の先輩ですね。
水原薫さんボイスのUTAU音源「みずお」で作った曲も 2曲しかないし(1,2)。
その程度のライトなファンが賞をもらってしまってすいません。

Read more…



ニコニコ動画との出逢いを教えて下さい

ザ・インタビューズに質問が来ていたので返答を書いたのだけれども、どうやら絨毯爆撃なテンプレインタビューだった様なのでBlogにも掲載。
ちょっと気合い入れて書いてしまいもったいないので。

~~~~~
お話としてはずずずーーっと遡って 2003/08/23 の事になります。
「ふぁふぁファクトリー」というアニメレビューをメインとしたサイトを日記のようにやっていたのですが、そこと「Linux萌え萌え大作戦」というLinux系開発サイトの間で “VirtualSynchroChat” というWEBチャットページを開発し公開していました。
アニメ視聴の際に実況チャットをすると楽しいというのはパソコン通信時代からの定番であり、その楽しさをとてもよく知っていました。ですが、深夜アニメが主流になっていくに伴って実況チャットがやりずらい状況となっていきます。まず第一に、地方局では放送の日時が異なります。第二に、レコーダーに録画してみるタイムシフト視聴が当たり前になってきたこと。この二点から実況チャットがやりづらい状況であることを問題視していました。
そこで “VirtualSynchroChat” という時間軸をずらせるチャットルームを作成しました。
アニメが始まるタイミングでポンとスタートを押すと、以後時間が経つごとにログが表示されます。自分が発言をするとスタートボタンを押してから何秒の地点での発言かというのを時刻付きでログに記録し、それ以降の人が同様にチャットを始めるとコメントが発言時間に表れるというものです。このようにみんなで時間差でコメントを重ねていくことであたかもリアルタイムで実況をしている様な状況が作り出せるのです。
感の良い人はもうお気づきですね。「ニコニコDVD」とほぼ同じシステムです。

インターネットの発達で、情報の蓄積ができるようになった、距離を超越することができるようになった。じゃあ今度はサーバーへの蓄積に因る『時間の超越』が行われる時代だろうと当時は考えていたのです。
流石に私の様な名も無い人間がインターネットの端っこでひっそりと公開していたサービスなど日の目をみるわけがなく、VirtualSynchroChat は2004年末以降特にメンテナンスをすることもなく埋もれていきました。
しかし、VirtualSynchroChat のアイディアや疑似タイムシフトによるエモーションの同期という時代は絶対やってくると確信だけはし続けていました。

2006年12月末、当時はまだ2ちゃんねる管理人として名が通っていたひろゆき氏が自身のブログで「このサイトちょっと面白いんだけれども」という大胆なステマを行い話題となりました。「ニコニコ動画(仮)」が初めて世間の目に触れた瞬間です。
当時は Youtube にコメントを重ねるというシステムでしたが、VirtualSynchroChat 開発者として何をやりたいかはすぐに理解ができました。そして、同期のためのタイムラインソースを Youtube から持ってくるというアイディアに感服し凄く悔しい思いもしました。そしてこれは絶対に面白いぞと目をつけます。
ですが私もひねくれ者ですので、自分が成せなかった事を成功させたニコニコ動画に軽く嫉妬してしばらくは寄りつきませんでした(笑)。
そうこうしているうちに流行に敏感なサイトの人たちの間でニコニコ動画が定着していきます。2007年2月あたりになると「レッツゴー!陰陽師」と「テニミュ」がヒットコンテンツとして確立していました。あまりにも盛り上がっているので「そんなに話題ならみてみるかな」とそれら話題のコンテンツをニコニコ動画で視聴したのが実質初めての体験です。
そのとき初めてみた「弾幕」にいたく感心し、エモーショナルの時間軸共有というものがどれだけ面白いかを再認識しました。

さてそうこうしているうちにニコニコ動画が Youtube から閉め出され、smilevideo を自前で立ち上げます。
ここでようやく日本の投稿動画サイトが誕生します。
全然関係がないのですが、このとき私は「コメを噛め」という電子工作ブログの方で半田付け実演ビデオというものを作成していました。電子工作を再開して色々わかったのですが、最近は半田付けのしかたを知らない人も多かったのです。そこで、入門者に『半田付けはこうやるんだよ』ということを知ってもらううまい方法としてショートビデオが使えないかと考えての事です。
まあ自分のブログに張る事はできたので目的は達成できたのですが、じゃあこのような自作解説ビデオのようなものを投稿できるベストな場所は無いかと探し始めました。権利的に問題の無い自作ビデオを久々に手にしたので、その頃いくつか立ち上がり始めていた Youtube 後追いの動画投稿サイトを試してやろうと思いついたのですね。
結果、ニコニコ動画以外はあり得ませんでした。
まあ、パナソニックやソニーのビデオカメラCMを見てるとわかるのですが、通常個人が撮影するものは家族のビデオだったり友達同士で撮影するといった『仲間内の記念撮影』であると定義されちゃっているのですね。それが有象無象の動画投稿サイトでも同じだったというと伝わるでしょうか。自分が取った身内の動画を、ネットで知り合いに見せるといったユースケースで閉じてしまっている。
私が目指すのはそこじゃ無かった。エンタテイメントコンテンツを自作して不特定多数に見てもらいたかった。
それに適した『場』がニコニコ動画しかなかったのです。

こうして投稿した初めての動画が
「スクロールクロックキットの作成」 (http://www.nicovideo.jp/watch/sm65811)
になります。
前述の通り、この動画は前もって自分のブログ「コメを噛め」で公開していたものの転載となります。

こうしてニコニコ動画に初投稿をしたわけですが、同時に一つ大きな野望を持っていました。
ニコニコ動画、ひいてはすべての動画投稿サイトが成功するのに一つ必要な条件がありました。それはテレビや映画からの不正転載ではないオリジナルな動画コンテンツを必要としているところにつきます。当時はニコニコ動画も Youtube もほとんど既存メディアの不正転載ばっかりでみなそれをお目当てにアクセスしているという状況でした。
Youtube はまだホームビデオが良く投稿されていたので新しいメディアの形を見せていましたが「日本人は顔出ししたがらないので動画投稿は成功しないだろう」というのが当時の定説となっていました。
かつて VirtualSynchroChat を思いついた身としてニコニコ動画はイケると思っていたというのは書きましたがそれ故思い入れもあります。このサイトが大成し、健全かつ新しいメディアの道を歩むためにはアマチュアが自主製作したコンテンツが必要であり、それが評価されるようにならなくてはいけない。そう考えていました。
そこで「動画投稿サイトにおいて素人の自作動画は受け入れられるのか」を自身の手で検証していこうと、権利的に問題のない自作動画を作って投稿を始めることになります。まあ、当時でも『描いてみた』は人気のジャンルだったのですが、そこは踏み込めないので自分の得意な分野でオリジナルな面白い動画を作れないかと日々考えを巡らせていたといった案配です。

後は大体ごらんの通りというか、なるようになっていきました。
今でこそ、ボカロオリジナル曲や動画、ニコニコ技術部動画などそこでしか見れない自作動画が沢山投稿され、当たり前の様に皆でそれを評価していますが、これこそまさにあの頃夢見ていた光景だったのだと思います。

ニコニコ動画上で「不在通知P」というP名をもらいある程度認知されたところでブログを書いたところ、ドワンゴの戀塚さんに「不在通知Pって VirtualSynchroChat の作者だったのか」というコメントをもらいました。
ああ、ニコニコ動画スタッフはあれを知っていてくれたのか、とちょっぴり幸せな気分になった次第です。

過去の関連記事: http://www.fumi2kick.com/rrtalk/archives/953



gdgd妖精s にみるコンテンツの情報フィードバック

アニメ放送開始まで全くのノーマークだった「gdgd妖精s」。
もうメチャクチャ大好きで、今期はこれ以外のアニメ視聴がほとんど停滞してしまったくらいにリピートして見返している。
放送直後から『大穴』の声が上がり、ニコニコチャンネルではホストが『大穴』タグをロックすることで大盛り上がり。今期覇権アニメと冗談で持ち上げていたら「ニコ生PLANETSスペシャル 惑星開発大賞2011 アニメ部門」で堂々の1位を受賞。一押しではないけれども、みんなが準押ししていたので1位になってしまったという微妙さがまたたまらない。
地上波放送は TokyoMX 1局、しかも深夜3時の15分番組という本当に端っこのスポット番組が注目されているのはなぜだろうか。
地上波の他はニコニコチャンネルでの配信であったが、このニコニコチャンネルと非常に相性が良かったからではないだろうか。

放送前は本当に注目度が低かった。私も一応タイトルは見かけていたけれども、15分のCGアニメで見た目も安価なCGということもありノーチェックといった具合。
最初に見始めたのは声優ファンの層らしい。TokyoMXでは「明けテレ」という明坂聡美をパーソナリティとした番組をやっており、そこの宣伝から流れてきた者、ニコニコで新番組をクロールしていてキャストの三森すずこ、明坂聡美、水原薫という名前に釣られて来た者、そういった層がまず見始めた。
で、見た者の感想は総じて「あれ?これなんだか面白いぞ?」といったものだったようだ。
見た目しょぼいCGなのに面白い。そのしょぼいCGが逆にMMD臭くて「これMMDじゃね?」という疑問が上がるのは当然のことだった。そういった疑問に対し、CG監督の菅原そうた氏が Twitter で「MMDも使っていますよ」と発言し、MMD界を中心にニコニコ動画界隈で話題となった。
私はこのタイミングで興味を持ち、2話の放送を録画予約したくち。
まあ、実際には沢山あるツールの中でモーション補佐的にMMDを使ったこともあるという感じで、実際にMMDで映像レンダリングまで行われたわけでは無い。どうも、アニメーション製作自体は XSI で行われていたっぽい。
その後、妖精達のモデルがMMD化され Windows100% に収録されたが、これはキオ氏の手によってほぼ丸ごとリファインされたものになっている。(関連記事)
なので、本編にあまりMMDは関係ないのだが、話題をかっさらうには十分なネタとタイミングであった、
興味を持って一度見てしまえば後はただ笑い転げて夢中になるのみである。

この番組、絵に描いたような低予算番組だったため当初はDVDの発売予定もあるかないかだったようだ。
そんな規模でかつ短時間で制作を回しているので、状況に応じた変化というのを出せている。
例えば、人気が出たことでOP/EDの楽曲がダウンロード配信されることになったのだが、このフルサイズOPがどう見ても後付けで無理矢理作っている。歌詞の2番と3番の曲間で『番組の宣伝もしちゃおうよ』とトークが入っているのだが、そこで『妖精が三人森の中で房子と……』と語られている。この持田房子(42)というキャラクターは3話のアフレ湖で人気を博した(?)キャラクターである。このことから、OPフル盤は少なくとも3話収録後に付け足されたものだということが読み取れる。
小規模であること、短期間であること、視聴者に異様に近い事から実際の反響を見て盛り込まれたであろうネタが結構多い。
毎回変わるEDネタもそこから来るものだろう。仕込んでおいたらみんなが気がついて笑ってくれた、ならもっと加速してやれといった雰囲気で作られている。

8話の「gdgd生放送」回では、ニコニコ動画の中でニコニコ生放送っぽいネタをやるというメタなギャグを展開しているが、このときの画面を構成しているのはニコニコチャンネルから拾ったネタであり、タグの部分に書かれている単語は全てニコニコチャンネルに実際に付いていた単語である。つまりニコニコでの視聴者が、番組内に出てきた画像を作り上げたとも言える。
この回で番組内名コメントとして取り上げられている『アルセーヌみたいな声しやがってwww』という声優ネタは、実際にニコニコ1話で流れたコメントだという説がある。実際に1話が公開されてから3日分のコメントを見てみたが残念ながらそのものは無かった(「アルセーヌ様…」というのはいくつもあった)。もしそのものがあったとしたら、ニコニコでの視聴者アクションをフィードバックして番組作成をしているということであり非常に興味深い事例となるのだが。

この様に、視聴者の反応を取り入れて短時間で反映させていくことにより一層面白くなっていくのが「gdgd妖精s」の楽しさなのではないだろうか。
アニメという枠組みではこれができる作品はそうそう無いだろう。
「けいおん!」でムギの眉毛をたくあんに見立てるというネタがフィードバックされていたが、最終話の時点だった。あれもぎりぎりの時間だったのではないだろうか。←原作1巻カバー裏マンガがネタらしい、カバー裏見ていなかったので気がついていなかった。ご指摘感謝
ユーザー側としては、こういったユーザーアクションが反映されたネタがあるととても嬉しいものである。
反面、コンテンツがハイコンテクストになってしまう問題はあるのだが、そこはバランス次第。

こういった、ユーザーのアクションやネタが番組に反映されるのが嬉しいという感覚は何に似ているんだろうと考えていた。
やはりこれは「アニメ声優ラジオ」の文脈なんだろうな。
自分のネタに対して声優が(精錬された)リアクションを取ってくれるのが楽しい声優ラジオ。それを作っている石館光太郎氏ならではな機微なのかもしれない。それを菅原そうた氏が映像的に面白く膨らませることで「gdgd妖精s」は作られているのだろう。

視聴者、制作者、配給者。その三者で距離が近く互いに情報をくるくるとやりとりできるようなコミューン形成がコンテンツを楽しくする経験の創造となっている。
一方向だったり押しつけだったりする情報の売り方は、もう過去のモノになっているのだ。



小ロットの時代を先行する専業同人

『専業同人』という言葉がある。
出版社契約せずに同人誌を売るだけで生活しているマンガ家の類の事を指している。時たま商業誌に書いているけれども、同人誌の方が活発だという人も多い。
そういった人たちは大衆人気というわけじゃないから部数も収入も大手出版会社の人気作家とは比べるべくもないんじゃないかと思うのだけれども、それなりに暮らしていける程度には回っているのだろう。

青年向け漫画とかだと数万部とかそんな数字になってきておりずいぶんと苦しい業界になっている様だ。
話を聞くとやっぱり、連載で描いてもたいした収入にはならないので同人誌を作って行くしか無いとかいう。まあ、ずいぶんと前からずっとそんな話をしているので、やっぱりそうだよなーといった感じである。

はて?ここは「そういうものだ」で済ませるところなのだろうか?
論点は『売れない作家』とかそういうところではない。「雑誌に書いていると儲からなくて、同人誌を作って売った方が儲かる」というところである。
携帯向けコミック配信も言うに及ばずで、パイが小さくなりつつあるので薄利多売になってきており原稿料も驚くほど安くなってきているとか。
まあ売れないならそのまま市場が消えていくだけなんだろうけれども、漫画業界には『同人誌即売会』という場と風習がたまたま存在していた。そして、セルフリスクで本を製作し、売ることができる。また、同人誌を中継ぎしてくれる流通業者も(善し悪しはともかく)存在している。
製本と流通が作家個人の責任で行える『小さな市場』がもう既に存在しているのである。

ここで注目すべきなのは旧来の出版流通システムより、小ロット個人生産のほうが『まだ儲かる』と断言している人が既にいるところなのではないだろうか。
もちろん日本全国の大衆に向けて生産、配送、販売するという従来の出版システムは必要だし無くなりはしない。販売数も商売としての規模も大きいため、個人がそれにかなうことは無いだろう。
しかし、大衆を顧客とする必要が無い場合。300人から1000人程度を相手すれば暮らしていけるという、小さな規模で良い場合もあるだろう。マニアうけだったり、特殊嗜好だったり、あくまで作家個人のテイストを好いてくれるファンであったり。
そういった小さな市場でうまいことやっていくというのは有りだと考えている。
チェーン店ではなくて、個人経営の定食屋といった業種形態である。

漫画の世界は既に『小さな市場』の可能性というか、実際にそこで暮らしている人がいると表現できるのではないだろうか。
これまでも語ってきたように、大量生産の工業製品だけに因らない、個人工場の小さな市場も取り入れた生活になっていくと考えている。
この同人誌を軸にした漫画業界の広がりは、他の娯楽産業でも起こりうる。
東方アレンジやボカロブームは音楽出版会社に因らない音楽市場を垣間見せてくれている。
ゲームも実は市場が小さくなったジャンル(STGとか)から徐々に同人業界へとシフトしてきている。

ソフトウェア全般も実はそんな感じで、パッケージソフトは激減している反面オンラインソフトは作られ続けている。
これまで流通そのものはオンラインで飛躍したものの、購入や資金の移動がうまく行かなかった。
そこをエイヤっと乗せてしまったのが Apple Store であり Android Store である。
小売りソフトという土壌を作ってくれたのはありがたいけど、プロもアマも同じ土俵にドン!というのと、小さなソフトが小さなクラスタを形成する仕組みが今ひとつ整っていない。

そんなこんなで、超一流しか従来の産業ルートとして成り立たないというのは今後もますます加速していくと思う。
その反対で二流三流が身の丈に合った市場規模を形成するために、小さな市場と小さな流通を形成していくのだろう。
そのときに小さな市場と流通を支えるのが、ネットの力であり情報の力なのだと思う。

そしてその『小さな市場』がハードウェアのほうにも広がっていくのだろう。



ねるねるねるねを練ったわけ

Make: Tokyo Meeting とニコニコ技術文化祭ですっかりおなじみ大岡山の東京工業大学。

東京工業大学の文化祭「工大祭2011」の中に今年も「ニコニコ技術文化祭」なるニコニコ技術部枠があって参加してきた。
ニコニコ技術部関係の人ならば年齢に関係なく展示ができて文化祭気分が味わえるというちょっぴり美味しい企画。


プレゼン希望者が居なくて困っているという話だったので、今回はプレゼンメインで展示はブースほったらかしにできるような軽度なモノに押さえていた次第。
3DプリンターとCNCフライスでこんな工作が(自宅で)できるようになりますよという出力例の展示。
CupcakeCNC による 3Dプリンター出力というのはなかなかに興味を惹くようで、こんなのが作れるんですか?と上々の評判。「10万円くらいで買えます」というとそれくらいで買えるんですか、と驚かれる人が多かった。
『このレベルのが作れるのはアンタだけや』という識者の突っ込みもあって、実際その通りなところもあるのだけれどもそのへんはスルーということで。


プレゼンのほうは、一昨年「Wiiで柊かがみ」の説明をさせてもらったので、今年は「ねるねるねるねを良く練ってみたい」を題材に楽しい動画の作り方や裏話などを語ってきた次第。

PDFファイル: 練ったわけスライド2
slideshareリンク: ねるねるねるねを練ったわけ

「面白い動画を作るにはどういったことに気を遣うか」といった感じのテーマとなっている。

スタッフのみなさん、出展者のみなさん、見に来てくださったみなさん、お疲れ様でした。



コンテクストレベルとテキストのあり方

THE INTERVIEWS というソーシャルっぽいテキストSNSサイトが話題になっていた。
誰かからの質問に答えてその回答をテキストと1枚の画像で表現するという情報ロギングタイプのサイト。特徴としては応答者を知っている誰かからの質問のみで構成されているところと、誰が質問したかは絶対に明かされないところ。これによって質問者は相手が著名人であっても気軽に質問することができるし、応答者にとっては質問に答えるという心地よいアクションのみを得ることができるという仕掛けらしい。

最初にそのサイトを知ったのは2011年9月に入ってすぐの事だったと思う。Twitter上で質問に答えたよとか質問をくださいとかいったtweetが散見されるようになってきた。
主にネタ系クラスタが最初に飛びついて使っていて、(知らない人から見たら中傷にしか見えないような)ボケた質問とそれをうまく受け流すとぼけた回答をしているというのがそれなりに楽しそうに見えたのである。
このネタクラスタの使い方、遊び方を最初に見てしまったのが私の中でのTHE INTERVIEWS評に繋がっているのである。
Read more…



00年代プレゼン資料寄せ集めリンク集

また最近はひっそり引きこもり気味に生活しているけれども、2000年代は色々とお呼ばれしてプレゼン発表をさせていただく機会が何回かあった。
そういったスライド資料は当Blogなどに張ってあるものの、時系列だと埋もれがちなものである。
そういったものを掘り起こす意味でここまでの一覧を作ろうというのがこの記事の目的。
いわばリンク集。
今回集めたスライド資料は SlideShare(rerofumiタグがおすすめ) にも置いておくので読みやすい方で利用してもらいたい。

■ 「PersonalFabとネットワーク時代の工作」
2010/07/18 ニコニコ技術部勉強会 NT川崎2010
[original] [SlideShare]
これからは物理的形状をネットワークで伝送できるようになるだろう。
その未来を作りだすのが自動工作機械なんじゃないかな、というお話。

■ 「アイディアを形にする技術」
2009/10/25 東工大ニコニコ技術文化祭
[original] [SlideShare]
すごいと言われているものは今の人々が理解できているものなのでそんなにすごくはない。本当にすごいものは現在の時点で理解ができないものである。
なのですでにあるものを踏まえるというのはわかりやすく伝えるために必要なものである。

■ 「不在通知P的あの楽器見解」
2009/02/01 ニコニコ技術部あの楽器ミーティング
[original] [SlideShare]
たぶんみんなは技術論に偏るから、プロジェクトとしてどうあるべきかを補強しておきたかったとかそんなの。

■ 「ゲーム開発をオープンに楽しもう」
2008/12/29 Homebrew BOF
[original] [SlideShare]
これまで資料を公開していなかったので初出の虎の子出し。
自作ゲームを敢えて Homebrew で作るとなにがうれしいのかとか。

■ 「ただしいケンカの売り方」
2008/10/12 ニコニコ技術部勉強会 NT名古屋
[original] [SlideShare]
ニコニコ動画の文化は作品制作の連鎖にあるとかそういうの。

■ 「キャラクター指向モデリング開発のすすめ」
2008/08/30 ニコニコ技術部勉強会 NT大槻
[original] [SlideShare]
ニコニコ技術部勉強会の第一回目ということで方向性が良くわからなくて悩んだ。
ハードとソフトのどちらにもできようできるプロジェクトマネジメントとして勉強会らしくオブジェクト指向モデリングを説明してみた。
よく間違われるけどオブジェクト指向プログラミングじゃなくてモデリングだからね。

■ 「MIDIフィジカルコントローラ」
2008/5/31 説明資料
[original] [SlideShare]
かなでPJ のアイディアシート。
プレゼンをしたわけじゃないけど、これを色々な人に見せてまわった。

■ 「オープンソース側から萌えへのアプローチ」
2004/9 オープンソースカンファレンス2004
[original] [SlideShare]
ライトニングトークの資料。
OSC2004 では「ぽえりな」発売直後だったので、KNOPPIX日本語版の須崎さんと一緒に1CD Linux のセッションをやらせてもらったが、そっちは特にスライドが無かった。
すでにあるプロダクトに擬人化キャラを付与するのではなく、最初にキャラクターやシンボルを作ってそれにプロダクトをつけていきましょうという提案。
この辺の思考は今に続いている。

■ 「ゲームとフリーとオープンソース、まとめ」
2001/2/21 オープンソース祭り01 秋葉原
[original] [pdf]
昔書いたコラム。プレゼンというのとはちょっと違うのだけれども、その後も振り返ったり読んでもらったりすることが多いのでまとめておく。
オープンソース祭り01 では「ランゲージ娘\0」のセッションをさせてもらったので、このコラムは冊子として配布したものにまとめがあったというもの。