Archive for 1月, 2012

ニコニコ動画との出逢いを教えて下さい

ザ・インタビューズに質問が来ていたので返答を書いたのだけれども、どうやら絨毯爆撃なテンプレインタビューだった様なのでBlogにも掲載。
ちょっと気合い入れて書いてしまいもったいないので。

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お話としてはずずずーーっと遡って 2003/08/23 の事になります。
「ふぁふぁファクトリー」というアニメレビューをメインとしたサイトを日記のようにやっていたのですが、そこと「Linux萌え萌え大作戦」というLinux系開発サイトの間で “VirtualSynchroChat” というWEBチャットページを開発し公開していました。
アニメ視聴の際に実況チャットをすると楽しいというのはパソコン通信時代からの定番であり、その楽しさをとてもよく知っていました。ですが、深夜アニメが主流になっていくに伴って実況チャットがやりずらい状況となっていきます。まず第一に、地方局では放送の日時が異なります。第二に、レコーダーに録画してみるタイムシフト視聴が当たり前になってきたこと。この二点から実況チャットがやりづらい状況であることを問題視していました。
そこで “VirtualSynchroChat” という時間軸をずらせるチャットルームを作成しました。
アニメが始まるタイミングでポンとスタートを押すと、以後時間が経つごとにログが表示されます。自分が発言をするとスタートボタンを押してから何秒の地点での発言かというのを時刻付きでログに記録し、それ以降の人が同様にチャットを始めるとコメントが発言時間に表れるというものです。このようにみんなで時間差でコメントを重ねていくことであたかもリアルタイムで実況をしている様な状況が作り出せるのです。
感の良い人はもうお気づきですね。「ニコニコDVD」とほぼ同じシステムです。

インターネットの発達で、情報の蓄積ができるようになった、距離を超越することができるようになった。じゃあ今度はサーバーへの蓄積に因る『時間の超越』が行われる時代だろうと当時は考えていたのです。
流石に私の様な名も無い人間がインターネットの端っこでひっそりと公開していたサービスなど日の目をみるわけがなく、VirtualSynchroChat は2004年末以降特にメンテナンスをすることもなく埋もれていきました。
しかし、VirtualSynchroChat のアイディアや疑似タイムシフトによるエモーションの同期という時代は絶対やってくると確信だけはし続けていました。

2006年12月末、当時はまだ2ちゃんねる管理人として名が通っていたひろゆき氏が自身のブログで「このサイトちょっと面白いんだけれども」という大胆なステマを行い話題となりました。「ニコニコ動画(仮)」が初めて世間の目に触れた瞬間です。
当時は Youtube にコメントを重ねるというシステムでしたが、VirtualSynchroChat 開発者として何をやりたいかはすぐに理解ができました。そして、同期のためのタイムラインソースを Youtube から持ってくるというアイディアに感服し凄く悔しい思いもしました。そしてこれは絶対に面白いぞと目をつけます。
ですが私もひねくれ者ですので、自分が成せなかった事を成功させたニコニコ動画に軽く嫉妬してしばらくは寄りつきませんでした(笑)。
そうこうしているうちに流行に敏感なサイトの人たちの間でニコニコ動画が定着していきます。2007年2月あたりになると「レッツゴー!陰陽師」と「テニミュ」がヒットコンテンツとして確立していました。あまりにも盛り上がっているので「そんなに話題ならみてみるかな」とそれら話題のコンテンツをニコニコ動画で視聴したのが実質初めての体験です。
そのとき初めてみた「弾幕」にいたく感心し、エモーショナルの時間軸共有というものがどれだけ面白いかを再認識しました。

さてそうこうしているうちにニコニコ動画が Youtube から閉め出され、smilevideo を自前で立ち上げます。
ここでようやく日本の投稿動画サイトが誕生します。
全然関係がないのですが、このとき私は「コメを噛め」という電子工作ブログの方で半田付け実演ビデオというものを作成していました。電子工作を再開して色々わかったのですが、最近は半田付けのしかたを知らない人も多かったのです。そこで、入門者に『半田付けはこうやるんだよ』ということを知ってもらううまい方法としてショートビデオが使えないかと考えての事です。
まあ自分のブログに張る事はできたので目的は達成できたのですが、じゃあこのような自作解説ビデオのようなものを投稿できるベストな場所は無いかと探し始めました。権利的に問題の無い自作ビデオを久々に手にしたので、その頃いくつか立ち上がり始めていた Youtube 後追いの動画投稿サイトを試してやろうと思いついたのですね。
結果、ニコニコ動画以外はあり得ませんでした。
まあ、パナソニックやソニーのビデオカメラCMを見てるとわかるのですが、通常個人が撮影するものは家族のビデオだったり友達同士で撮影するといった『仲間内の記念撮影』であると定義されちゃっているのですね。それが有象無象の動画投稿サイトでも同じだったというと伝わるでしょうか。自分が取った身内の動画を、ネットで知り合いに見せるといったユースケースで閉じてしまっている。
私が目指すのはそこじゃ無かった。エンタテイメントコンテンツを自作して不特定多数に見てもらいたかった。
それに適した『場』がニコニコ動画しかなかったのです。

こうして投稿した初めての動画が
「スクロールクロックキットの作成」 (http://www.nicovideo.jp/watch/sm65811)
になります。
前述の通り、この動画は前もって自分のブログ「コメを噛め」で公開していたものの転載となります。

こうしてニコニコ動画に初投稿をしたわけですが、同時に一つ大きな野望を持っていました。
ニコニコ動画、ひいてはすべての動画投稿サイトが成功するのに一つ必要な条件がありました。それはテレビや映画からの不正転載ではないオリジナルな動画コンテンツを必要としているところにつきます。当時はニコニコ動画も Youtube もほとんど既存メディアの不正転載ばっかりでみなそれをお目当てにアクセスしているという状況でした。
Youtube はまだホームビデオが良く投稿されていたので新しいメディアの形を見せていましたが「日本人は顔出ししたがらないので動画投稿は成功しないだろう」というのが当時の定説となっていました。
かつて VirtualSynchroChat を思いついた身としてニコニコ動画はイケると思っていたというのは書きましたがそれ故思い入れもあります。このサイトが大成し、健全かつ新しいメディアの道を歩むためにはアマチュアが自主製作したコンテンツが必要であり、それが評価されるようにならなくてはいけない。そう考えていました。
そこで「動画投稿サイトにおいて素人の自作動画は受け入れられるのか」を自身の手で検証していこうと、権利的に問題のない自作動画を作って投稿を始めることになります。まあ、当時でも『描いてみた』は人気のジャンルだったのですが、そこは踏み込めないので自分の得意な分野でオリジナルな面白い動画を作れないかと日々考えを巡らせていたといった案配です。

後は大体ごらんの通りというか、なるようになっていきました。
今でこそ、ボカロオリジナル曲や動画、ニコニコ技術部動画などそこでしか見れない自作動画が沢山投稿され、当たり前の様に皆でそれを評価していますが、これこそまさにあの頃夢見ていた光景だったのだと思います。

ニコニコ動画上で「不在通知P」というP名をもらいある程度認知されたところでブログを書いたところ、ドワンゴの戀塚さんに「不在通知Pって VirtualSynchroChat の作者だったのか」というコメントをもらいました。
ああ、ニコニコ動画スタッフはあれを知っていてくれたのか、とちょっぴり幸せな気分になった次第です。

過去の関連記事: http://www.fumi2kick.com/rrtalk/archives/953




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