Archive for the '科学' Category

理系はニコニコ動画でヒーローになれるか


聞き手を選ぶ馬鹿歌「シュレディンガーのぱんつ」を先日作成した。
尻Pこと野尻抱介氏にもウケた様なので、まずは良し。
尻Pのやりとりは「野尻抱介P改め尻Pによってミクのパンツが新たに提唱されますた」を読んで笑っていた。その後VOCALOIDパンツスレ(笑)で「誰か曲作れ」とか書かれていたのを見て、んじゃちょっくらやってみるべえかと1日で作成した次第。

「シュレディンガーのぱんつ」自体はぱっとした思いつきで作ったのだけれども、それ以前から「シュレディンガー音頭」をVOCALOIDに歌わせてみたいという思いと、仕込みはあったのよ。
歌謡曲を始め色々な歌がカバーされ創られていくのを眺めつつ、そこに理系のための理系ソングを投入できないかと狙っていたのです。そのためのネタとして、頭にあったのが「シュレディンガー音頭」をVOCALOIDに歌わせるというのと、抵抗カラーコード数え歌の二つ。
けれども「シュレディンガー音頭」はまともなメロディが存在していなくて、拍子も適当な手拍子のみという状態なのでオリジナルとは違った形で改変、作曲しないと物にならない状態。抵抗カラーコードのほうは「岸恵子(黄色の4)」とかいつの時代だよそれといった語呂が多く、現代風にアレンジするのが難しくてくじける。
なかなか難しいなあといったところで半分オリジナル、半分ギャグ、でもちょっぴり理系テイストといったバランスで「シュレディンガーのぱんつ」といった歌に落ち着いた次第。そんなにつっこまれなくて、みんなノって馬鹿コメントしてくれているのがうれしいのです。

「組曲『電子工作』」とかを見ていても、ニコニコ動画には相当の理系やエンジニアが潜伏しているものだなあと思う。そりゃ、あれだけ人がいれば当然なのかもしれない。
しかし、それら理系な方々はニコニコ動画で自分の才能を発揮できているだろうか。
ニコニコ動画に限らず、大抵のコンテンツでウケる要素というのは「音楽、映像、それらを絶妙にMIXする手腕」といった所である。私個人は「音楽>(映像=MIX術)」で、音楽が最も強いと思っている。なぜなら、音楽が良い動画はそれを聴くために何度も訪れる事になるからだ(=リピートが多く、再生カウントが伸びる)。
そのへん私は音楽制作にちーとコンプレックスというか苦手意識があって……というのはどうでも良いから置いておくか。
んでまあ、ウケる動画というのは音楽と映像が必要なわけだ。当たり前なようだけれども、それを用意するのは容易というわけではない。特に、理系やエンジニア方面に傾倒している人には苦手意識を持っている人も多いんじゃなかろうか。
それを強く感じたのは「Excelで長門有希」を観たときだった。

これの解説編で作者は「絵が描けないからコンピュータに書かせた」と述べている。絵描きに対する痛烈なコンプレックスと、プログラマである自分にできることという開き直りで作られている。果たせるかなこの動画はそれなりに話題を呼び再生数を伸ばす事となる。
その様子を見てじっとして居られなくなったのがその他エンジニア達である。「Excelで長門有希」に続けとばかりに、Wordで絵を描き、IEでドット画を描き、CADでスライムをモデリングしまくった。このプチムーブメントは「○○で××」というタグの元しばらく繰り広げられる(現在はニコニコ動画講座タグに吸収)、もちろん私も参加した。
ソフトウェアエンジニアでもニコニコ動画で注目を浴びるうp主になれるのだというわずかな希望が見えた場面である。

割と短期で「○○で××」は鎮火してしまうのだが、私はその後も「多くの理系、エンジニアが日の目を見る」ことができる様な動画はどんなものだろうと言うことで細々と投稿を続けていった。
そしてやっぱり「初音ミク」ブームである。このキャラは本当に幅広くいろんな人の心を盗んでいったものだ。
音楽ができなくても、絵が描けなくても、自分にできることで「初音ミク」を楽しもうという人々も現れる。そしてそれらの人々は「ニコニコ技術部」というタグでグルーピングされることとなる。
これを書いている時点でホットなのは「ARミク」ですかね。

音楽ができない、絵も描けない、だから皆が喜ぶオリジナルコンテンツが作れないと動画投稿にコンプレックスを持つ人が多いんじゃないかと予測するけれども、実は貴方が持っている技で人を楽しませることができるのですよ。
ただそのためには、その技をどうみせるか、どうやると興味をもって観てもらえるかということをちょっとだけ考える必要があるのです。



つぶやき 11/27/2000

秋葉原の虎の穴本館へ行ってみたらホビーコーナーにファンタスティックの
ティナ(1/1フィギュア)が飾ってありちとびびる。
http://www.green.co.jp/fantastic/index.html
うーん、実際見てみると結構ちんまいんだな〜とか思う。
アニメフィギュアはここ 5年くらいで妙に安定化し「かわいい!!」と思える
ものも多くなってきたと思う。まあ、それなりに盛り上がってはいると思う
のだが一つだけ納得のいかないものがある。それが等身大フィギュアだ。
なんというか、小さいとそれなりに可愛く思えるものだが、それがそのまま
大きくなるとマネキンとしか思えなくなり、そこはかとなく怖い。
まあ、あくまで個人的感想だからみなさんはいかがか?というあたりにとど
めておくとして次へと続く。

先日行なわれた ROBODEX は HONDA の P シリーズ人気もあって大盛況だった
ようだ。コンピュータやソフトが行き着くところまで行ってしまった感が
あるので、その次の夢としてロボットが形になってきたというところだろう
か。実際に大きくて形あるものがぐいぐい動いている様はやっぱり心ときめく
ものがあるわけだし。
で、やっぱり話を「アトムかマルチかドラえもんか」という下世話な方面へ
持っていくとして先ほど push しておいたフィギュアの話題を pop してくる。
つまり、ロボットが身近になっていくのは夢だけれども、実際に人間っぽい
外観を持ったとしたら「気持悪いのではないか」ということナリ。
案外 SONY の50センチ大のロボットの方が可愛くて愛着がわくのではないか
とも思えるのだね。もっとも、そんなに小さくては介護や給仕は無理だから
もっぱら愛玩用にしかなりえないのではないか。それではお金にならない
よね〜。
とかここまで考えてひらめいた。そうだ、それを見せ物にすれば良いのでは
ないか。レギュレーションの元、ロボット同士が半自動(音声認識のみ可能)で
戦い勝敗を決める。平たく言ってプラレスもといエンジェリックレイヤー
である(今風に訂正)。
競争があれば、必死になってより強く、より優雅で、より美しいロボットを
開発するのではないか?そしてその技術がさらにロボット工学界へとフィー
ドバックして、社会貢献型ロボットへと生かされるのである。(たぶん)

うん、面白そうだよ。
というかこれも一種夢だった世界ではないですか?>プラレス
やってはくれませんかねえ〜。
で、あまり機能的では無くてもメイド服とか着せて、それはそれで人気が
出てみたりとか…。



つぶやき 10/16/2000

NHKスペシャル「世紀を越えて・第4集ロボット」をみる。
本田の二足歩行ロボットを中心に、人に近いロボットを夢見る研究のお話。
内容自体は本田ロボットがたくさん見れたー、って以外特に深くもなく。まあ、あまり
技術的な事に深いと視聴者がついてこれないか。
で、一点気になったところがあったのでどうしても書きたい。
「鉄腕アトムみたいなロボットが理想形」(アメリカだとHAL9000の様なコンピューター)
というあたり、どうよ。日本でロボットというと必ず出てくる定型句である。
確かに今まではそうだったし、目標として良いとは思うけど。今の研究者、特にこれ
からを担う若い発想力の持ち主らが鉄腕アトムで育ったとは思えない。
やはり世代的にはガンダムだろう、ガンダム。って、これは重工機か。
いや、でも本当に、今の大学生だったら「マルチ(HMX-13)」を作りたいとか言い出す
のではないだろうか。そしてそれは非常に正しいと思う。給仕ロボットは介護型ロボット
に等価である。そして、インターフェースとしても武骨な箱よりかは愛くるしい容姿の
方が良いに決まっているのだ。故に「マルチ萌え」を胸に秘めている工学系研究者および
学生はそのことを誇りに堂々と研究してもらいたいと思う。

でだ、NHKの番組故しょうがないのではあるが、どの研究も直球勝負で堅苦しい。
研究室から AIBO は生まれないのだ。

例えばの話をしよう。
コンピューター内でテニスのシミュレートを制作し、将来は誰でもコンピューター内で
テニスが出来るという未来図を描いたとする。
テニスのボールをコンピューター内で表現するために、ボールの弾み方をシミュレート
しなくてはならない。飛行中の空気摩擦係数と空気流動の影響、ボールの回転速度と
空気抵抗が産み出すバイアス、湿度の変化による影響の変化、コートの材質とリバウンド
係数、ボールの回転とコートとの摩擦によるリバウンド後の方向決定、コート上の微細な
凹凸の影響…。それらすべての要素を計算し、ボールの弾みをコンピューター内で表現
することが出来ました、次はラケットとの衝突をシミュレートするところとか。
だが、そんな計算をしなくとも「テニス」なるビデオゲームは存在する。ビデオゲームに
おいては、物理演算はほとんど徹底的に簡素モデル化され原型をとどめてはいない。
だがプレイヤーはゲームをプレイしてテニスをした気分にはなる。もちろん本物のテニス
とはまったく違うものだけれども、ビデオゲームにはビデオゲームなりの面白さが
あるのだ。それは技術的な側面からでなく感覚的側面からテニスをとらえて、テニスの
面白さだけを抽出しているからである。

人間とのインターフェースということを考えると、エンターティメント産業は独特の
ノウハウを蓄積しており、しかも直接的にお金にしている業種である。
そういった娯楽系(ゲーム、マンガ、アニメ、3DCGアニメ、イラスト)が持つ「見掛け」
に関する物はどんどん進歩するだろう。音声入力技術もあっという間にゲーム業界が
消化してしまった。会話型ゲームというのも今後はよりゲーム性が増し精度も上がって
行くだろう。やはり一番の使いどころは「萌え系」ではないかと。
自然な発声の音声合成システムを具現化したのは「ときめきメモリアル2」だったのだし。
今後は人工会話系がトレンドっすよ。今までのシナリオ型を基本として、それに枝葉を
つける形で出てくるのではないか。もっとも、音声入力というインターフェースは思考を
遮るためゲームには向かないと思うが。トランシーバーみたいに交互に喋るというのも
不自然だしね。

先日知ったのだが、「リアルドール」というドールワイフ(等身大性玩具)があるのだ
そうだ。それをWEBで見たとき、これにスイッチを組み込んで音声を発したり、目を
伏せたりするだけで十分クル(なにが?)のではないかと思った。
案外ロボットよりこっちの発展の方が重要でかつ早いのではないかと予測する。
そしてお互いが進歩したあかつきにはそれらが組み合さって、大衆の求める「ロボット」
が誕生するのだよ。てなわけでマルチ。

いやいや、いきなりマルチは難しいから、取りあえず日本人としては「コロ助」の制作を
目指していただきたい。まずはそれからナリよ。コロッケ。




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