暇つぶしの時間感覚

「ニコニコ動画に長すぎる作品が多い件について」という言及を目にして、ああ同じ事感じている人がいるんだなあと思った。

ニコニコ動画は分数制限ではなく容量制限なので、手元でレートをコントロールしてうまいこと作れば 30分くらいのものが掲載できるようになっている。
それ故というわけでもないんだけれども、一般的なコンテンツで10分強、それ以外は25分とか長いものが多いのだ。一発芸的なヒットアイテムでなく、普通にそこそこ観られているコンテンツとなるとほとんどがその長めなものなんではないだろうか。

長いんだよ、と思うかどうかは人にもよると思うのだけれども、逆にそこからニコニコ動画利用者のメインバンドが見えてくるのではないかとも思う。
つまり、できるだけ安価でたっぷりの時間と暇を費やしたいと考えている層がメインの利用者ではないかということだ。

しかし、ニコニコ動画故の理由も確かにあったりはするのだ。
ニコニコ動画は日経各紙で書かれるような(背広族が期待する)ブロードバンド放送システムとは、ちーっと毛色が変わった方向に走り始めている。
あれは動画コンテンツを観るためではなく、皆で語り合うためのサービスになってきている。
そのチャットのためのつまみとして、動画であったり音楽であったりが流れている的な比重ではないだろうか。
そういった、エモーショナルの共有を目的とした場合、アニメの OP や楽曲 1曲の 2分という数字は短かいのだな。動画としては面白い15秒ほどの一発ネタも、ニコニコではコメントつけづらい存在でしかない。
なので、ヒットしたコンテンツ(ゲームとかアニメとかのOPをイメージしてくれたまえ)があった場合、「ループ版」と称したネタ部分をひたすら繰り返す 8〜10分ほどのムービーが必ずと言っていいほど作られる。
それをみて「洗脳されるー」とか言って喜ぶのだが、実のところ長い時間その場に居たいという意味もあるのではないだろうかと見ている。

ニコニコ動画の現状が是が非はまあ置いておくとして、あそこを覗いたことが無い人が思い描いているのとはかなり違った発展をしているんじゃないかなあといったコメントをしておく。
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