「ツンデレ」は魔法の言葉

コンピューターは「道具」である。
道具であるためには、それを使う人間にとってより扱いやすくなっているべきというのが正直な所だろう。だが、コンピューターは何故か「技術習得」が叫ばれていて人間の方がコンピューターに近寄るものだ的な風潮があった。
本当はもっと簡単な方法があるんじゃないかと思われるところを、わざわざ難しいものを使いこなして、それができたことに悦を見いだす人がいる。コンピューターマニアである。もちろん私もその一人だが。
高林哲氏はこの様相を指して「奥が深い症候群」と名付けていたのだが、非常に的確な言葉だと思う。

その言葉が生まれて 1年、状況は大して変わってはいないが救世主とも言える単語が降臨した。「ツンデレ」である。
「ツンデレ」という言葉自体 10数年前から存在しているオタク用語で、なんでいまさら感は強いのだが、ブームなんてのは得てしてそういう物である。
なんでここで「ツンデレ」なのかというと、キャラクター属性を越えて現象や事象に適用されつつあるからである。
具体的に言うと、辛い状況や事象に対し「いや、あれはツンデレなんだよ」と評価を上書きすることにより、本当は評価されているのではないかとか、その後に訪れる幸福を感じる(夢見る)事ができる。

「ちくしょう、こんな期間でできるわけないだろ、このクライアントはなんでこんな無茶な要求を出してくるんだ!!」
「あのクライアントは『ツンデレ』なんだよ」
「そうか、ツンデレかー(ほわわ)」
ま、実際乗り切った後、評価は上がっているかもしれないしね。

一見馬鹿話をしている様だが、色々含むところはある。
現状を憂え構造改革を唱えるだけではなく、受け手の感情を変革することで現状を受け入れさせ、気分を高揚させることで今の作業を最善のパスで乗り切るのである。
あんまりまじめに書くと説教くさくなるので、これにて。

「ほら、先月の休日出勤分の代休よ、さっさと取っちゃって」
「べ、別に、私は労働基準局が怖いだけで、あなたのためってわけじゃないんだから、誤解しないでよね!!」
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