秋葉原は何の街?

ちと久しぶりに専門書が必要になったので秋葉原へ出かける。専門書といっても普通のは川崎あたりでも入手できるのだけれども、今回は洋書が欲しくなったので面倒なのだ。
で、いざ秋葉原へ来てみた物のコンピュータ系の技術専門書を買おうとしてもそんなに強力な店がない事に気がつく。LAOX BOOK館は無くなってしまったし、ザコン館の書籍コーナーも三階へ移動したさいに売場面積を縮小している。かつてコンピュータの洋書系が強くて重宝していたミナミ電器もとっくに無くなっているし、その魂を受け継ぐアソビットも書籍を扱うまともな店舗がない。よくよく考えるとかなりとほほな状況ではある。
そんな中割と強めな書泉ブックタワーに久々に寄ってみたが、ここも洋書コーナーは無くなっていた。
今は秋葉原で電気やコンピュータの技術専門書を買う時代ではないのだろうか。

そもそも秋葉原は何の街だったのだろう。
電気の街→家電の街→コンピュータの街→ソフトウェアの街→オタクの街、と変革してきたそれは家電を除いて全部オタク(マニア)の街という感じではあるが。
秋葉原という街が特殊な場所であった理由は「そこでしか買えない、そこにしか無い何かがある」からだと思う。どこでも買えるようになったならば、わざわざ秋葉原へと赴く必要がないからだ。
そういった意味では同人誌やフィギュアといったオタク文化物も通信販売で買えるし、そうしたほうが楽チンである。インターネット通販万歳。

では、今、秋葉原において「そこにしか無いお店」というのはあるのだろうか。
ハードウェアやソフトウェアの古物売買がそれにあたると思われる。
デジタルの時代になって、ハードウェアもソフトウェア(DVD含む)も物凄い速度で生産され、物凄い速度で消費されている。そんななかユーザとしては中古売買によって、情報を回すことで安価でより大量の情報を得ようとする。
なかなか理解や客を得難い古物売買の店が、今の秋葉原にはごまんと溢れている。というか、いつの間にこんなに増えたのだと驚かされる。これから秋葉原は「中古屋の街」と呼ばれるようになるのではないだろうかと予想する。
しかし、この「中古の街秋葉原」というのは個人的にとても遺憾に思う。
「コンピュータの街秋葉原」が「オタクの街秋葉原」になってもそんなに不尊ではないと思っていた。というのも、物を作るために必要なものを売っている街だったからである。コンピュータ、開発ソフトウェア、電子パーツ、シリコン素材等々。秋葉原はいろんな種類のクリエイターに素材を提供する街として存在してきた。それはオタク文化においても同じであった。
しかし、中古売買は消費するだけで何も生み出さない。それはクリエイターのための存在ではないのだ。
秋葉原はクリエイターのための街であってほしい。私はそう思っている。

ちなみに、秋葉原の本屋が弱くなっているという大きな括りで話すとそれは間違い。マンガ、同人誌、エロマンガというジャンルにおいては秋葉原いけば必ずあるというくらいに強まっている。特にエロマンガはここでないと入手困難とかいうのがあったりするのではないだろうか。オタコンテンツを探しているなら秋葉原というのはもう少しだけ続きそうだ。

で、結局欲しかった書籍はアマゾンさんに注文。そういう時代ということか。
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