コメを噛め

コメを噛め

rerofumi の電子工作メモ

Archive for the ‘Tool’ Category


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以前から書いている様に CNCフライスを使ったプリント基板作成で一つの目標が 0.5mm ピッチのフラットパッケージ部品を使えることにある。
QFP で言うとだいたい 48Pin から 144Pin あたりがそのあたりのピッチ幅なのだが、この 0.5mm ピッチが自作できると一気に工作の幅が広がる。幅というより夢かもしれない、実際は配線しきれないだろうし。


0.5mm ピッチパッケージの手習いとして安いチップから挑んでいこうと STM32F100 の 48Pin QFP を購入した。1個あたり 310円の Cortex-M3(ARM)マイコン。USBとか気の利いた周辺機器はついていないけれども、ROM64kb/RAM8kb のARMマイコンがこの値段で買えるのは魅力。
ちょっとしたマイコン工作にこれが使えるとおいしいんじゃないかと思っていた次第。
意のままに実装するために、0.5mmピッチ基板の作成は必須なのですよ。


まずはテストボードでも作ってみるべと適当に回路図引き。


基板設計。
前回試しで導入した2枚基板貼り合わせによる簡易二層配線を本格的に実装するため最初から二層で設計していく。さすがに二層でないと配線できないわ。


何度も何度もトライしたり設計を手直ししたりして一組の基板が完成。
流石に 0.5mm ピッチともなると精度が必要で CNCフライスの操作やメンテナンスといったエンジニアリングスキルも必要になってくるあたり。
ずっと基板を作り続けてきたおかげでずいぶんとスキルも上がり精度も向上した。ここに来てようやく 0.5mm ピッチに挑めるようになったという感じ。昔の基板を見返すと精度が違うわというのがわかる。
直角配線もそろそろやめたいのだけれども、CNCフライスで加工する分には斜めを含めない方がやりやすかったりするのよね。


0.5mm ピッチを作るという目標としては大成功。無事 STM32 を実装できた。


スルーピンによる二層配線も特に問題なさそう。
これくらいの規模なら作れるという自信が持てた。

Download: stm32F100_test1.zip
今回の回路図とK2CADファイルとgerverファイルの詰め合わせ。

基板ができたぞバンザーイなのはいいけれども、実はまだ動作確認をしていない。
適当に幅のあるサイズで作ったらブレッドボードにもうまくのらなくてどうしようとかそんなあたりも。ブレッドボード2枚で隙間開けつつテストボードでブリッジさせるしかないかな。
気が向いたらJTAGの動作確認したり、テストコード書いたりしたいのだけれどもなんせ目的が「基板を作る」ことなのでこの時点で満足してしまっていたり。
絶対改修なしでは動きださないよなあと思いつつ。


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前回の 3LED、3ボタンのプロトタイプに続いて 8LEDボタンのコンソールを作成。
動作しているところが写真で説明しにくいので動画にしておいた。

Youtubeじゃないと、ってかたはこちら http://youtu.be/sRLdotBFUX0

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CNCフライスで生基板とかアクリル板とかを加工する際は、テーブルに両面テープで固定してやる。
この際弱い両面テープだと切削加工中に剥がれてしまい無残にも加工失敗となるし、強すぎるとこんどはテーブルから剥がす事ができなくて無理して素材を割ったり曲げたりといった事にもなってしまう。その案配が難しい。

色々な両面テープを試してみたけれども、現在の所は「セルタック」一択である。

セルタックは他の両面テープと違って基材がセロテープと同じ素材となっている。他の両面テープは厚手の物を覗くとほとんどが紙が基材となっている。
この基材が紙だと剥がすときビリビリと容易に破損してしまい大変剥がしにくい。ところがセルタックだとその破損がほとんど無いので剥がしやすいのだ。
粘着力は強くもなく弱くもなく。正直フライス加工にはぎりぎりの粘着強度だとおもうけれども、今のところ困るような所はない。

問題はこのセルタック入手性が悪いのよね。
東急ハンズぐらいでしかみかけなかったし、Amazon でも在庫がすぐになくなるくらいの品。なので通販で見かけたらまとめ買いしておくのが吉っぽい。


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CNCフライスでの試作基板作りで目指しているのは 0.5mm ピッチのフラットパッケージが乗る奴を自作できるところなのだけれども、その段階として徐々に細かいピッチにチャレンジしていってる。
前回は小手調べで 0.8mm ピッチの ATMega328P が載る基板を作製したわけだけれども、これは割と難なく作る事ができた。なので次は 0.65mm ピッチに挑戦。

0.65mm ピッチというとだいたい 28pin の SSOP がそれにあたる。
秋月電子通商で手に入る SSOP で基板が自作できるとおいしいのはやはりなんと言っても FT232RL USBシリアルコンバーターじゃないだろうか。ついでCAPセンスを持っている PSoC CY8C21534 あたり。


てなわけで作ってみた。
片面基板でちんまりまとまった USBシリアル基板。大成功。
特に苦労っぽいのはしていないけれども、試行無しで一発で作れるのはここまでかなーという感覚も得た。
次の 0.5mm ピッチの時はちと試行錯誤するかも。

Download: ft232rl_usbserial.zip
K2CADファイルと、ガーバーファイルの詰め合わせ。
今回回路図を書いていないのでいきなり基板設計から。

あー、だから BOM 代わりになるものがないや。
しかも R1, R2 が C1, C2 になっているし(汗;


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Windows は Vista 以降の 64bit 版で、署名のついていないデバイスドライバーがインストールできなくなった。
動作が保証されているドライバーを使いましょう。使わないで不安定になっても保証できないからね!とか、妖しいドライバーを入れちゃ駄目だよ!とかいったありがた迷惑な配慮からですな。
こういうときに困るのがアマチュア工作家で、電子工作をしてもそのデバイスを PC に繋げないという障害として立ちはだかります。
まあ、愚痴はさておき。

署名のついていないドライバーを Windows7 64bit にインストールする方法を調べると「××というソフトを使え」とか色々出てきますが基本的にそういったソフトは要らない。
Windows の起動時に F8 を押したままにしておくと、セーフモードを選べる非常起動メニューが表示されるが、そのなかに署名無しドライバーに警告を出さないモードで起動というものがある。
それを選んで起動してからドライバーをインストールすれば OK。

64bit版の AVR-CDC のドライバーもそれで入れる事ができた。

~~~
最初はこれらを避けるために VMware 上の WindowsXP 32bit で開発したり確認したりしていたのだが、VMware 上だと AVR-CDC のドライバーインストールとデバイス認識はできるのに、その後信号がさっぱり VMware から外に出ていかないという現象に悩まされた。
初めて見るパターンだったのでまさか環境のせいとは思わずずっと悩んでいた次第。
なんでだろう?


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AVR toolchain をビルドするスクリプト。
できた toolchain で軽く LED チカチカをビルドしてみたけれども、動作したしイチオウ問題なさそうな案配。

rake script
Download: fumi2_avr_toolchain-0.0.2.tar.gz

MacOSX や Linux でビルドする分には前回の 0.0.1 で問題なし。
mingw-gcc でクロスコンパイルするときに不具合があるのでパッチを当てるのと、相変わらず cygwin でのビルドが難儀するのでいくらか調整。よっぽどのことがなければ cygwin に挑戦しないほうが無難。

今回もおまけの cygwin 版バイナリ。
Download: avr_gcc_toolchain.tgz (60.8MB)


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AVR でも自分でビルドした toolchain が欲しくなったので、以前 Cortex-M3 の GCC toolchain を作ったように(こことかここの記事参照) ビルド手順を rake ファイルとして記述したものを作って見た。
ARM の時のものを元にさらっと作っただけで動作検証とかはまだしていない。

Download: fumi2_avr_toolchain-0.0.1.tar.gz

toolchain としてビルドするツールとそのバージョンは以下の通り

binutils-2.21
gmp-5.0.1
mpfr-3.0.0
mpc-0.9
gcc-4.5.3
avr-libc-1.7.1
gdb-7.2
avrdude-5.10

このへんのバージョンは新しければ良いというものでもないのだけれども、まあそれなりに新しめなところをあつめてある。
gcc は 4.6.0 が出ているけれども、avr-libc-1.7.1 をビルドできない不具合があるので(1.7.2では修正されるらしい) 4.5.3 となっている。

取りあえず版なので無保証。


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秋月電子通商でもって 250円で売っているフラットパッケージの ATMega328P-AU を用いた個人的実験用ボードを作ってみた。

CNCフライスでプリント基板を試作できるようになってきたので、今度は表面実装部品を扱うためにどれくらいのピッチがいけるかということを試し始めた。その第一弾。
ATMega328P が 32pin 0.8mm pitch という手頃な挑戦課題だったのでまずはこれから。
個人的に AVR の V-USB は自分で扱えるようになっておきたかったので、それを実験するのをメインに据えたボードになっている。 I/O とか妙に半端なのはそのせい。


回路図。


基板を起こした物。ジャンパーは1本。
ISP のピン番号を振り間違ったらしく、奇数ピンと偶数ピンが逆になっているという失敗をしている。

今回は変換ケーブルを挟んで使うことにした。残念。


ピンの幅が 0.4mm でピン間が 0.4mm の 0.8mm ピッチについては特に苦労なく作成することができた。
なんといっても、USBコネクタのようなユニバーサル基板で扱いにくいコネクタの穴が楽々と作成できるのがありがたい。CNCフライスで基板を作るもう一つのメリットである。

回路図、K2CADファイル、ガーバーファイルの詰め合わせ
Download: fumi2_avrusb_eval1_20110509.zip

これじゃ V-USB できないと指摘されたので取り消し。
後日修正版を作成します。

今のところ、通電して ISP で問題無く読み書きができることと、LED チカチカ等の簡単なテストを行って AVR が動作しているのを確認している。
動作する基板ができたので、次は V-USB でシリアルターゲットでも載せる実験をしていこうかなと構想中。


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OriginalMind さんが新種の基板加工カッター「美濃昌典」を発売した。
どんな案配かまずは試し彫りをしてみたの記事。


これまでの基板加工カッターは半月型Vカッターが一般的であった。
ただ単純に V字だと切削しにくいので多少の偏りをつけてそれで、切削幅が 0.4mm だったり 0.24mm だったりしていた。都合 1枚刃である。


美濃昌典はドリルのようならせんが付いた 2枚刃カッターとなっている。
先端に 90度や54度 といった鋭い加工がなされており先端だけ使えばパターンをけがく
ことができるし、そのまま下ろしていけばドリルとして穴も開けられるというのが特徴となっている。
ドリルの方はまあいいとして、パターン切削がどれくらいできるかを見てみたい。
4月下旬に新しく 0.8mm軸 54度という精細版が発売されて 2つのラインナップとなった。1.0mm軸 90度はともかく 54度の方がぱっとわからなかったので計算してみたが、要するに

1.0mm軸 90度は彫り込み深さ 0.1mm のとき切削線幅 0.4mm
0.8mm軸 54度は彫り込み深さ 0.1mm のとき切削線幅 0.2mm

ということらしい。わかってみればすっきりしたものである。

さて本当に 0.2mm 幅という精度がでるのか、使い勝手は良いのか実際に掘って試してみる。

左から、
– 端子 0.4mm, 隙間 0.4mm, 0.8mm ピッチ
– 端子 0.3mm, 隙間 0.314mm, 0.65mm ピッチ
– 端子 0.3mm, 隙間 0.2mm, 0.5mm ピッチ
– 端子 0.2mm, 隙間 0.3mm, 0.5mm ピッチ
上から
・0.24mm 幅 半月Vカッター (カッター幅 0.20mm設定パス)
・0.8mm軸 54度 美濃昌典 (カッター幅 0.20mm設定パス)
・1.0mm軸 90度 美濃昌典 (カッター幅 0.24mm設定パス)

半月Vカッターはカッター個体によってバリの出かたにばらつきがあって割と悩まされてきていた。写真だと上からの撮影なので見えにくくなっているが実はでこぼこになっていて指でなでるとひっかかるというか痛いほど。
美濃昌典で切削した後はバリもなく平らに削れており明らかに良好である。さすが二枚刃といったところか。
これほどの差が出るので掘削中の音も違っており、半月カッターの方がうるさかった。いや、うるさいくらい偏芯していので仕上がりが汚かったのかもしれない。
もうこれだけみても以降は「美濃昌典できまりだね☆」と言いたくなるところ。

切削幅については 0.24mm 設定の 半月Vカッターと 0.8mm軸 54度 美濃昌典であんまり差がなかった。
0.8mm軸 54度 美濃昌典は 0.1mm 彫り込み深さのときで約 0.2mm 幅だろうと算出されたが、設計と結果を見比べると実効値は 0.225 ~ 0.25mm と考えた方がよさそうだ。
あくまでもうちの環境での話で、CNC フライス側の精度による部分もあるはず。

これまでの半月Vカッターでも 0.5mm ピッチが作れそうだったのだけれども、バリでエッジが浮き上がる現象があって切削はできてもそのあとのはんだ付けが難しそうと躊躇していたのだ。
だが、今回 0.8mm軸 54度 美濃昌典を試してみて 0.5mm ピッチはいけると確信した。

これで 48ピン~100ピンの LQFP が載る基板を自作できるよ。(片面だけど)
500円未満の STM32 を買い込んでマイコン工作はそっちに移行しちゃおうかな。


0.8mm ピッチは割と余裕でもうすでに試していたりする。
この 32ピンの AVR MEGA328P もこうして自作できると色々便利に使えるだろうね。


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これまで作成してきたプリント基板作成用のガーバーデータを G-Code に変換するスクリプトに GUI を追加してアプリケーションとしてまとめ上げました。
GUI 製作にも IronRuby を使っており、全て ruby で書かれています。

実行には IronRuby 1.0 が必要です、インストールして準備しておいてください。
IronRuby は Mono でも動作しますので、Mono を使って MacOSX 等といった Windows 以外の環境で動作させる事ができます。

Download: gynostemma-20150228b.zip (1.30MB) 最新版
Download: gynostemma-20150128a.zip (1.30MB) 1つ前
Download: gynostemma-20140615.zip (1.34MB) ワンカッターオペレーション対応版:
Download: gynostemma-20120802.zip (1.34MB) マルチスレッド、ポリゴン対応版
Download: gynostemma-20110910b.zip(1.33MB) シングルスレッド、旧安定版

以前から書いている様に、個人で CNCフライスを使ってプリント基板作成をしたい場合は Eagle とユーザースクリプトを使って G-Code を出力させるのがおすすめです。
それ以外の CAD を使って行いたいというニーズがどれくらいあるのかはわかりませんが、これがなんらかのお役にたてたらと思います。

– 更新履歴
Feb.28.2015 – ドリルデータで全て読み込まれないパターンがあるものを修正
Jan.28.2015 – 線が密集しているところでアウトライン抽出が欠けやすい不具合を改善
Jan.17.2015 – 左右反転機能の追加、アパーチャマクロ型のパッドに対応
Jul.15.2014 – 1本のエンドミルで穴開け、パターン彫り、くり抜きを連続する Export を追加
Aug.02.2012 – 20120721 で入れてしまった2パス目以降が膨らんでいかないバグを修正
Jul.21.2012 – ガーバーのポリゴンフィル(G36/G37)に暫定対応
Jul.09.2012 – パスビルド時の演算をマルチスレッド化
Sep.10.2011 – データによってはパターンの内側に掘削パスがゴミとして残ってしまう場面がまれにあったバグを修正、内側に残る系は無くなったと思う
Aug.07.2011 – 計算ミスで必要な掘削パスが消えてとぎれてしまったり、いらないパスが残ったりしていたのを改善(※まだ起こり得ます)
Aug.04.2011 – パターン処理するデータによっては無限再起ループに陥りクラッシュ終了することがあったので、その不具合を修正
Jul.31.2011 – インチ対応が不十分でアパーチャグリルサイズに適用できていあんかった不具合を修正。横長のアパーチャグリル(パッドなど)に対応
Jul.27.2011 – MBE対応、読み込み時インチデータの判別改善、ドリルデータ読み込みオプションとドゥエル指定の追加
May.14.2011 – ドリルの掘り下げ深さを別個に指定できるようにした
May.06.2011 – 公開開始