コメを噛め

コメを噛め

rerofumi の電子工作メモ

Archive for the ‘Tool’ Category


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PICAXEPCB scopeという商品。キットと言ってもピンを半田付けするだけのほぼ完成品。
PICAXE は昔から PICマイコンを使った応用キットを発売しているところ。基板を見ればわかるように PIC マイコン一個のシンプル設計。マイコンの ADC 入力と GPIO 入力を USB で読み取って PC のソフトでオシロスコープやロジックアナライザーの様に使うことができるというもの。

寸評

組み立て難易度 ☆---- ピンをハンダ付けするだけ
操作しやすさ ☆☆☆☆- アプリの使いやすさが一般のUSBオシロレベルに近い
表現力 ☆☆☆-- PCなので見やすい
使える度 ☆---- サンプルレートが低すぎて使いどころが無いけどオシロスコープ入門には良い

ハードはシンプルでほとんどPCソフトウェアに依存した商品。こういったものは販売元が無くなってサイトが消えるとソフトが入手できなくなってしまうといった問題があるのだけれども、PICAXE はそこそこ老舗なので大丈夫そうとった安心感がある。
バッファはマイコンのメモリなのでたいした量もストアしないしサンプリングレートも低いけれども、安価なので計測器の入門用には良いかもしれない。

PCソフトウェアのデキは意外と良く、マウスでの操作も割と軽快にできる。USBオシロスコープの PICO scope アプリほどではないけれども、値段の割には使いやすくてオススメできる。

ただ残念なことに安価ななんちゃって計測器なのでサンプリングレートがとても低い。
オシロスコープでのサイン波計測で綺麗に見える限界が 1kHz、4ch のロジックアナライザーでデジタル 100kHz 程度といったところ。
2ch 以上使いたい目的というとシリアル通信の観察があるのだけれども、100kHz だと I2C の計測にはちょっと辛い。
何に使えるのかなあと悩むサンプリングレートだけれども、アプリのデキが良いので計測器入門には良いというのはそのあたりとなる。
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“FG 085” は JYE Tech が発売しているファンクションジェネレーターキット。
これまでレビューしてきたキットとは違ってオシロスコープではない。ファンクションジェネレーターってのはサイン波、矩形波、のこぎり波といった特定の形状の信号を任意の周波数で出力することができる機器。
フィルターやアンプなど入力信号に変化を加えて出力する回路に対し基準となる信号を与える事ができる。
ジェネレーターから与えた信号が回路の中でどう変化したかをオシロスコープで観察しながら、期待通りの動きをしているかどうかを調べていくのだ。オシロスコープとセットで揃えておきたい計測機。

寸評

組み立て難易度 ☆---- 簡単
操作しやすさ ☆☆☆-- ツマミの使い勝手がイマイチ
表現力 ☆☆--- お値段相応
使える度 ☆☆☆-- 初めて手にするファンクションジェネレーターとして

機能としては豊富で、0.1V から 9.9V まで設定可能な出力電圧やオフセット電圧設定、スイープなどファンクションジェネレーターの機能は一通り詰まっており完成度は高い。
出力はサイン波で実質 20kHz 程度、波形もあまりキレイでなくて値段相応といった感じだけれどもホビー用途として最初に手にするアナログ回路向けファンクションジェネレーターとしてはそれなりに使えるのではないかと。
ファンクションジェネレーターというものを持っていなくてオシロスコープキットを買おうと思っている人は是非ともセットで揃えて貰いたい。

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“DSO 138” は JYE Tech が発売しているオシロスコープキット。
前回作成した “DSO 068” の後継機で見やすい高精細カラー LCD になっているなど進化が見られるけどお値段が下がっているという嬉しいモデルで現在の主力。

寸評

組み立て難易度 ☆☆☆☆- ムズい、中級者以上向け
操作しやすさ ☆☆☆☆- ボタンは少ないけれども混乱しない
表現力 ☆☆☆☆- キレイな波形
使える度 ☆☆☆-- 解像度が実質50kHzに下がったのが痛い

LCD や表示される波形はキレイなのだけれども、068 がサイン波で 500kHz まで行けたのに対し、50kHz 止まりというのは残念ポイント。
そこまで解像度が必要の無い初心者が手にする事を考えると扱い易くて悪くないのだけれども、キットとしての難易度が妙に高くて電子工作初心者にはお勧めしづらいという感想。

初心者には組み立て安さと使用感のバランスが良い “DSO 068” を強くお勧めしたい。使っている内に 068 の解像度に不満が出てきたところで 138 に手を出すというのが良いパターンであろう。

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06204KPL は “OSC 068” という名称で JYE Tech が発売しているオシロスコープキット。
日本では秋月電子通商が 2010年から取り扱っていた。廉価オシロスコープキットの走り。
というか、オシロスコープキット自体が JYE Tech のシリーズものでこの後チャレンジする DSO138 はこれの後継にあたる。

寸評

組み立て難易度 ☆☆--- そこそこ
操作しやすさ ☆☆☆-- 一通り操作できる
表現力 ☆---- 解像度低いからね
使える度 ☆☆☆☆- 意外と良いぞ

昔はなんとなく小馬鹿にしていたけれども、いじってみると割としっかりできてて一通りの事ができるので好印象に変わった。
最初に手にする計測機として十分使えるかも。

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Engadget JP で「2590円で憧れのオシロスコープが手に入る! そんなDIYキットを組み立ててみました」という記事があった。
掲載当初はハンダごてのヒーター部分を持って部品に当てているというネタ画像と「ハンダごての持ち方を間違えない様に」というサブタイトルで目を引いていたのだが、他サイトで引用されるとサブタイトルが表示されずネタとネタと分からない人が増えてしまったので現在は差し替えられてしまった。残念。
この記事、そんなネタはあったものの電子工作キットのレビューとしてはなかなか良いものでネタで埋もれさせるのはもったいないところ。
で、この記事を見ていてその廉価なオシロスコープキットを試してみたくなった。

ということで秋月電子通商で計測機キットを 4つほど買いそろえてみた。
これらをひとつずつ組んでレビューしてみようというのが今回の企画である。

用意したキットは以下の通り

  1.  06204KPL LCDオシロスコープキット(白抜きLCDタイプ・SMD実装済) -link
  2. 13804K 2.4inch カラーTFT デジタルオシロスコープキット DSO138 -link
  3. FG085(KIT) ファンクションジェネレータキット<miniDDSkit> -link
  4. OSC001 PCB SCOPE (USBミニオシロ) -link

最後のはキットじゃないけれども、使えるのかなーと思って用意した。

電子工作の際オシロスコープがあると状況が分かって問題解決できる場面が多い。それゆえ、初心者にも使って貰いたいところなのだけれども、安価なのでも 3万円台とかいかんせんお値段がはる。なのだけれども、先の記事のキットならば数千円で買えるのですよ。
もちろん校正なんかないし、ちゃんとしたオシロスコープのような精度も期待できないのだけれども、直流なのか信号なのかトリガーなのか波形が見えるだけでも全然違うのです。テスターも必要だけれども、次に(簡易な)オシロスコープを用意すべきだと思う。
作成した電子回路が動かない、そんなとききっと役に立ってくれるのです。

私自身は使いこなせていないけれども 50MHz とか 25MHz のオシロスコープ(4~5万円台のクラス)を所有していて普段使用しているので、それと比べてどんな感じかという感想になると思う。
ひとつずつやっていくのでのんびり待っていて欲しい。


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Gynostemma の更新、最新版。(Ver.1.90.3)

元記事

最新版(2015/2/28): gynostemma-20150228b.zip

主に Quadcept が出力するガーバー形式に対応するための機能拡張です。

  • %AM で指定されるアパーチャマクロ型のパットに対応、ただしプリミティブ番号 21番のみ
  • 読み込んだデータの左右反転機能を追加
  • ポリゴンベタデータを含んでいるとき、パス計算ができなくなる事がある不具合の修正

ポリゴン型のパッドには未だ対応していませんので、一部ガーバーでパッドが表示されない可能性があります。

update: 2015-02-28
PCBE が出力するドリルデータが全て読み込まれない不具合を修正。
update: 2015-01-28
パターンが密集しているところで外周パスが欠けてしまうことがあったものを修正
Quadcept のパッドティアドロップで出やすかったものを対処しました、完全じゃないかも
update: 2015-01-17b
水平ミラー反転後、gcode出力時のドリルコードが水平反転していなかったので修正


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Gynostemma は処理結果として 3種類の G-Code を出力する(パターン、穴開けドリル、外周カット)。
これを 1本のエンドミルを使って 1本の G-Code で彫りたいという要望を耳にした。
パターン切削と外周カットは G-Code を連結させればできそうではあるが、穴開けだけは望んだ結果ができないはずである。具体的には開けたい穴より細い刃を付きさして円を描くことになる。
0.8mm の穴が欲しいときは 0.5mm のエンドミルを使って φ0.3mm の円を彫れば良い。

なんとなく既存のクラスを拡張することで対応できそうなので追加してみた。
不具合修正最新版(2014/8/31): gynostemma-20140831.zip
ワンカッターオペレーション対応旧版: gynostemma-20140615.zip

menu1
これまでの Export G-Code の下に ‘Export One Cutter OP. G-Code’ という項目が追加されている。
これを選択して、出力先ディレクトリを指定するとツール(ドリル刃)毎のサイズを指定するダイアログが開く。

toolpref-1
Gynostemma ではドリルの径を扱ってこなかったので、ここで始めて指定してやる必要がある。
ツール番号と穴のサイズについては設計した CAD の方に因るので、実際の数値はそれを参照して入力すること。また、カッターのサイズはパターンカットと異なる場合があるので、ここで改めて指定する。

ncvc_view
すると G-Code ファイルが 1つだけ作成される。
これを NCVC 等で確認すると、パターンカットと穴開けと切り抜きが連続していることがわかるはずである。

update:
2014/8/31 – ワンカッターオペレーションのドリルパス生成にバグがあったので修正


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DSC_0027
このブログを始めた直後の 2006年8月に PicoScope 2202 (秋月電子通商で取り扱っている最も安価な回モデル)を購入して「PicoScopeって使えるの?」という記事を書いていた。
結局これが使えてお気に入りとなり 2012年まで長いこと使っていた。

2012年になると「ちょっと良いモデルに手を出してみようかな」という気分になったのと、シグナルジェネレータ付きの奴が欲しくなったのとで 3204B を購入。
PicoScope のシグナルジェネレータは AWG といって、基本的な波形はもちろんのこと 1024サンプルで自由波形を出力できるのでなかなか面白いのです。

オシロスコープとして 3204B で不満はなくほくほくで使っていたのだけれども、先日 PicoScope のサイトを覗いてみたら 16ch のロジアナ機能がついた MSO(ミックスドシグナルオシロスコープ)モデルなるものがあって激しく物欲を揺さぶられた。
しかし、秋月電子通商では扱っていない(RSオンラインにはあるみたい)ので、イギリスの PicoScope 社に直接注文して購入。ロジアナ付きの 2205MSO だよー。

DSC00170
2205MSO / 3204B / 2202 そろい踏み。

PicoScope は PC オシロなので PC 必須ではあるんだけれども、その分トリガ設定がマウスで楽々だったり、スクリーンショット取りまくりだったり、ロガーとしても使えたりと便利なのです。
すっかりお気に入りツール。

PicoScope の良いところは PC アプリがちゃんと進化していっているところ。
64bit 対応も早くて問題なかったし、ソフトの機能も徐々に増えていくしで安心して使えるのです。

BGA3q6zCMAExOox
最近だとシリアルデコード機能が付いたので、2現象のオシロスコープモードでも UART/I2C/SPI/CAM 等のデバッグが楽にできるようになった。

BGBJ1OJCYAAP7jA
MSO モデルのロジアナ機能ってアナログのオシロスコープと排他機能かと思っていたのだけれどもそんなことはなく、両方同時に使う事ができた。ステキ。
ロジアナのデコード機能はバスデコードができるほかはシリアルデコードがこっちにも適用できる程度なので、まだあまり高度ではないけれども十分使える。

3204B に比べるとシグナルジェネレータが 1MHz → 100kHz と落ちたり、サンプリングレートも 500MHz → 200MHz と一段下だけれども、これだけあれば十分かもしれないので、それより一つに纏まっている感のほうが嬉しいところ。

周りではあまり話題を聞かないけれども PicoScope そこそこ良いよ。


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Gynostemma で KiCAD のゾーン(ベタ塗りつぶし)が適用されないという報告をいただいた。
KiCAD から適当なサンプルを出力してガーバーを確認してみると、拡張コードの G36/G37 にあたる「ポリゴン領域指定」を使用していることがわかった。
確かにこの命令には未対応である。

回避策はあるものの機能として未対応なのはイマイチなので、今回はポリゴンフィルに対応させてみることにした。
Gynostemma でポリゴン領域を読み込んだら、ハッチ(ラインを並べて塗りつぶす)に変換して扱うという若干暫定的な対応。

Download: gynostemma-20120721.zip (1.34MB) マルチスレッド、ポリゴン対応版

ハッチは線を密に並べて埋め尽くすというものなので、形状が爆発的に増えてそれだけ処理時間が増大するので今ひとつ良い対応でもなかったりする。

ポリゴンフィルの情報など。

KiCAD のゾーンでは穴あきのポリゴンも出力できる。
どういう仕組みかと見てみたら、

このような出力になっていた。

わかりやすく手直しするとこういう感じ。
確かに一筆書きの多角形ポリゴンではあるけれども、凹みがある複雑な形状に分類される類いのものであった。

Gynostemma は内部でパターンを三角形ポリゴン化して扱っているので、ポリゴンフィルもハッチではなくポリゴンとして扱った方が処理は軽くなるはずである。
しかし、上記のような複雑なポリゴンを三角形分割する低コストなアルゴリズムが思いつかなかったので今回はハッチ変換とした次第。
このへん思うところあるので、もうちょっといじって見る予定。


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拙作の Gerber to G-Code アプリである Gynostemma だけれども「遅いよー」と常々言っているように処理に時間がかかるのが難点である。
高速化のために書き直すのもちょっと困難なので現状のままで提供している次第。
(そしてよくつっこまれる)

全面書き直しせずに ruby 版でもまだチューンの余地はあるのだけれども、その中でもマルチコア向けにマルチスレッド対応が常々やりたいと思っていたところ。演算のループやインスタンス構成をマルチスレッド用に改変しなくてはならないので手を出してこなかった。
IronRuby は .NET ベースなのでスレッドを使うと一応ネイティブスレットで駆動するようになる。パスの計算をマルチスレッド化すれば少しは早くなるのでは無いかといった目論見。

以下にマルチスレッド対応版を置いておく。
今回ちょっと大きく変わりすぎているのと検証が不十分なので「おためし版」としてのリリースとさせてもらう次第。問題があったら従来版に戻っていただきたい。

Download: gynostemma-20120709.zip (1.34MB)

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