コメを噛め

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rerofumi の電子工作メモ

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OriginalMind さんが新種の基板加工カッター「美濃昌典」を発売した。
どんな案配かまずは試し彫りをしてみたの記事。


これまでの基板加工カッターは半月型Vカッターが一般的であった。
ただ単純に V字だと切削しにくいので多少の偏りをつけてそれで、切削幅が 0.4mm だったり 0.24mm だったりしていた。都合 1枚刃である。


美濃昌典はドリルのようならせんが付いた 2枚刃カッターとなっている。
先端に 90度や54度 といった鋭い加工がなされており先端だけ使えばパターンをけがく
ことができるし、そのまま下ろしていけばドリルとして穴も開けられるというのが特徴となっている。
ドリルの方はまあいいとして、パターン切削がどれくらいできるかを見てみたい。
4月下旬に新しく 0.8mm軸 54度という精細版が発売されて 2つのラインナップとなった。1.0mm軸 90度はともかく 54度の方がぱっとわからなかったので計算してみたが、要するに

1.0mm軸 90度は彫り込み深さ 0.1mm のとき切削線幅 0.4mm
0.8mm軸 54度は彫り込み深さ 0.1mm のとき切削線幅 0.2mm

ということらしい。わかってみればすっきりしたものである。

さて本当に 0.2mm 幅という精度がでるのか、使い勝手は良いのか実際に掘って試してみる。

左から、
– 端子 0.4mm, 隙間 0.4mm, 0.8mm ピッチ
– 端子 0.3mm, 隙間 0.314mm, 0.65mm ピッチ
– 端子 0.3mm, 隙間 0.2mm, 0.5mm ピッチ
– 端子 0.2mm, 隙間 0.3mm, 0.5mm ピッチ
上から
・0.24mm 幅 半月Vカッター (カッター幅 0.20mm設定パス)
・0.8mm軸 54度 美濃昌典 (カッター幅 0.20mm設定パス)
・1.0mm軸 90度 美濃昌典 (カッター幅 0.24mm設定パス)

半月Vカッターはカッター個体によってバリの出かたにばらつきがあって割と悩まされてきていた。写真だと上からの撮影なので見えにくくなっているが実はでこぼこになっていて指でなでるとひっかかるというか痛いほど。
美濃昌典で切削した後はバリもなく平らに削れており明らかに良好である。さすが二枚刃といったところか。
これほどの差が出るので掘削中の音も違っており、半月カッターの方がうるさかった。いや、うるさいくらい偏芯していので仕上がりが汚かったのかもしれない。
もうこれだけみても以降は「美濃昌典できまりだね☆」と言いたくなるところ。

切削幅については 0.24mm 設定の 半月Vカッターと 0.8mm軸 54度 美濃昌典であんまり差がなかった。
0.8mm軸 54度 美濃昌典は 0.1mm 彫り込み深さのときで約 0.2mm 幅だろうと算出されたが、設計と結果を見比べると実効値は 0.225 ~ 0.25mm と考えた方がよさそうだ。
あくまでもうちの環境での話で、CNC フライス側の精度による部分もあるはず。

これまでの半月Vカッターでも 0.5mm ピッチが作れそうだったのだけれども、バリでエッジが浮き上がる現象があって切削はできてもそのあとのはんだ付けが難しそうと躊躇していたのだ。
だが、今回 0.8mm軸 54度 美濃昌典を試してみて 0.5mm ピッチはいけると確信した。

これで 48ピン~100ピンの LQFP が載る基板を自作できるよ。(片面だけど)
500円未満の STM32 を買い込んでマイコン工作はそっちに移行しちゃおうかな。


0.8mm ピッチは割と余裕でもうすでに試していたりする。
この 32ピンの AVR MEGA328P もこうして自作できると色々便利に使えるだろうね。

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