コメを噛め

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rerofumi の電子工作メモ

Archive for 3月, 2012


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第三回『回路図の作成とネットリスト』

■ 回路図を書きましょう
ユニバーサル基板での工作に慣れてくると「取りあえず作りながら回路を考える」ということをやりがちになってしまいます。
それはそれで完成するため問題は無いのですが、完成した物が本当に一点物になってしまい現物以外シェアするものがなくなってしまいます。
電子工作において成果の共有を考えたときに最も基本になるのが回路図だと思います。これを発表し、共有すれば他者が同じ物を作成したり、参考にしてさらに発展させたものを作ったりできるようになるのです。
なので回路図が無い工作は世界に対して広がりを持ちません。できるだけ回路図を書きましょう。

また、CADやCNCを使ったプリント基板製作は、デジタルで設計した物がそのまま実態として製造できるといったメリットと楽しさがあります。その代わり「設計してから製造」といった作業フローに対して厳格です。
いきなり作り始めたいところをぐっとおさえて、最初に設計を行うという手順に慣れてください。
デジタルで設計さえしておけば、いろんな方法で具現化ができるという時代になってきています。電子工作、マイコン工作で最初に設計するものは何かと言ったら回路図なのではないでしょうか。

■ 回路図の作成
私は回路図の作成にはフリーウェアである BSch3V を使わせて貰っています。
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小ネタ&突貫製作物。

ニコニコ動画で良くあるコメントをして『うすいG8』というネタがおもしろかったので旬なうちに工作をして動画を作ってみた。
その回路図とファームウェアを置いておく。

マイコンはストロベリーリナックスで買える CY8C24794 の USB-PSoC1 モジュール。
ファームは昔作った「ファミリーBASICALLYキーボードコンバーター」をベースに書き直した物。
最近は PWM と圧電ブザーでビープを鳴らすのが俺ブームなので音もつけてみた。

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超小ネタ。

野暮用でジャイロセンサーでの角速度計測を超お手軽にさくっとやりたい要求があった場合どうするか。 やっぱり Wiiリモコンを PC の Bluetooth で読むのが一番お安くて簡単だよなあというのが落ち着くところだと思う。
秋月電子通商やストロベリーリナックスでもジャイロセンサーやブレークボードが安価で買えるようになってきたけれども、最終的にPC上でデータを利用したい場合はWiiリモコンのほうがずっと楽だ。使えればのお話だけれども。

Wiiのジャイロセンサーは後発で「Wii Motion Plus」というアダプタで発売された。
これの解析記事や、PCから利用するサンプルコードなどは既にある。(参照: kako さんのところWiiBrew)
kako さんのところには wii-motionplus-reader-v02.zip というジャイロを読むサンプルコードと HID を Open する DLL ライブラリがあるのでこれを利用させてもらうのが有効。

現在のところ Wii Motion Plus は生産終了品となっており、リモコンとジャイロユニットが一緒になった「Wiiリモコンプラス」という型になっており一層お安くなっている。
んが、wii-motionplus-reader-v02.zip では Wiiリモコンプラスのジャイロが読めなかった。この事については kako さんのところでも触れられている。

Wiiリモコンプラスのジャイロを読みだしている人もいるようなのだが、今ひとつ情報が足りなくて正解にたどり着くのに苦労したので書き留めておこうというのがこの記事の目的。
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第二回『データの種類とアプリケーション』

■ 沢山の過程と中間ファイル
CNCフライスでのプリント基板作成をするためには、プリント基板の設計データが必要になります。
そのプリント基板設計データはデジタルデータですのでPC上のアプリで作成するのですが、実際に工作機械で製作をするためにいくつものアプリケーションと中間のデータが必要となってきます。
途中途中のデータの形式とそれが必要な理由を理解することで、作業フローを把握しましょう。

■ 製作フロー

上のフロー図は私がプリント基板作成のために行う作業とそこで使うアプリケーション名です。
直接プリント基板設計から入り回路図を作成しないということも可能なのですが、より正確な設計を行うため、またドキュメントを残すためできるだけ回路図設計から入るのが良いと思います。
おおざっぱではありますが、この手順で作業をしていることを理解してください。

■ アプリケーションとデータフロー

作業ではなく、アプリケーションと中間生成データを軸とした図に書き直したものがこちらです。
使用するアプリケーションは大きく分けて3種類で、CAD/CAM/CNC と呼ばれています。
CAD は設計部分です。回路図の設計とプリント基板のパターン設計を行います。最近は回路図設計とパターン設計がセットになって一つの CAD アプリとなっているのが主流となってきています。
BSch3V や K2CAD/D2CAD はその二つが分かれている形ですね。
CADによって最終的に生成するのはプリント基板のパターン形状を表したガーバーデータと呼ばれる形式です。それとドリル穴を開ける位置を示したドリルコードも含まれますが、纏めてガーバーと呼ぶことがあります。
プリント基板の製作会社に製造を依頼する場合は、このガーバーデータを納品して作って貰います。プリント基板の設計書といったところですね。
私は K2CAD で設計する際に、BSch3V で設計したネットリストを利用します。これはパターン設計の時にまた説明します。

ガーバーデータがパターンの設計書になるわけですが、どのように機械を動かせばその設計書通りの物が製造できるかを計算するのが CAM アプリになります。拙作の Gynostemma がこれにあたります。
プリント基板製造では、CNCフライスでどのように刃を動かせばパターンが掘れるかといった切削パスを計算する作業を行います。
プリント基板の設計書であるガーバーデータを読み込んで、機械の動きを指示する G-Code を生成するといった作業を行います。立体加工とかでは、立体モデルデータを読み込んで掘り出すための切削パスを生成するといった働きをします。
個人やフリーで利用できる CAM アプリがあまりなく、プリント基板製作用には cam.py がありましたが入力データ形式に制限があったりと色々問題がありました。
最近は Gynostemma だけでなく、有償の OriminPCB や WINSTAR PCB など個人でも購入できるプリント基板製作 CAM が出てきたため幾分やりやすくなっているのではないかと思います。

切削パターンの G-Code が作成できたら CNC アプリで工作機械を制御して実際にプリント基板の作成を行います。CNC アプリに G-Code を読み込ませることで加工をしますので、G-Code次第でいろんなものが作れるというのが一般的な様です。
なお、WINSTAR PCB は CAM+CNC という位置づけのようです。

最終的に必要なのが G-Code や CNC 駆動ですので、CADでの設計から直接それが生成できるのであればそれで十分ですしそういったツールもあるようです。


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第一回 『プリント基板をつくるには』

前知識。

最近の電子工作は半田付けの要らないブレッドボードのおかげでずいぶんとお手軽になりました。そのおかげでマイコンを中心に電子工作人口も広がったように感じます。
ですが、ハンダごてを握ってプリント基板に部品を半田付けしていく形式の電子工作も捨てがたいものがありますよね。プリント基板を使うと製作物が固定されたものになりますので、ケースに組み込む等作品として完成させる楽しみに繋がっていきます。
個人製作の一点ものである場合はユニバーサル基板を使うのが手軽で一般的ですが、配線が面倒という問題があります。
そこで自作のプリント基板が次のステップとして現れてきます。
プリント基板を自作することにより

  • 配線の手間を省略することができる
  • 適当なサイズに纏めることができる
  • 面実装部品を使う事ができる

といったメリットを享受することができます。
特に面実装部品は重要です。最近のマイコンやデジタル部品はフラットパッケージのものが多くなってきました。ちょっと気の利いた工作をしようとしたら面実装部品を避けて通ることができません。
そういった特殊な部品を使いこなして工作の幅を広げるためにも自作プリント基板にチャレンジしてみませんか。

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