コメを噛め

コメを噛め

rerofumi の電子工作メモ

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袋止めクリップというジャンルの生活用品がある。
食品やお菓子の袋をパチッと挟んで乾燥を防ごうという小物だ。

これがなかなかに重宝するので、スーパーや100円ショップで見かけると良く購入している。
そして良く無くす。

しかし、こういう小物こそ家庭用3Dプリンターの出番なのではないだろうか。
実際 Thingivers を Bag Clip で検索してみるといくつかの作品がヒットする。
これをダウンロードして好きなだけ出力すれば目的は達せられるのだけれども、やはりここは自分で設計してみよう。



こんなものかなーと最初に起こしたCADデザイン。
手元にあるクリップを模倣して真ん中を折り曲げる形にしてみた。

しかしいくらABSに粘りがあると言ってもポリプロピレンみたいに伸びるわけじゃないので、曲げたらモッキリと破断してしまった。当たり前と言えば当たり前だけれども、試してみないと何となくこの辺のイメージって付きにくい。
実際幾らかは残っていたのでそれでクリップ部分は良い具合だということが確認でき、そこはこのまま行くことにした。


二回目、一体成形をあきらめセパレート型に。
ヒンジの差し込み部分でちょっとサイズが合わなくて失敗。
出力の際に外形が設計より 0.1mm くらい外側にはみ出すので、こういう組み合わせ部分を作るのは難しいのです。逆に1回で成功しないつもりで、出力してから現物をみて設計を変更していくほうが早かったりする。


三回目、袋の押さえを作りつつサイズ調整。

これは成功。かなり良い感じに。
実際袋を押さえることもできたので構造としては FIX。


構造はそのままに、角に丸みをつけたり、分離しないよう気休めのストラップを付けたりして完成形に。
4回目のプロトタイプにて完成。


実用性もばっちり。
分離型でちょうつがいの所がイマイチだけれども、おおよそ欲しいものを作ることができた。
根本のちょうつがい部分にテープでも貼って分離しないようにすれば使い勝手はよりよくなるだろう。


こうして 4回の試作で袋止めクリップを作成することができた。
「4回もかかったのかよ」とか「手探り面倒」とか思うかもしれないけれども、そのプロトタイプを試作して修正してのサイクルを1時間程度で、かつ自宅で行えるというのはなかなかにすばらしいことだと思うのですよ。

CNC工作機械は「道具」だけれども、それ以上に「試作機械」ととらえると良い使い方というものが見えてくると思う。

今回作成した STL モデルデータのダウンロードは Thingiverse からどぞ
Thingiverse: Bag Clip by rerofumi

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