コメを噛め

コメを噛め

rerofumi の電子工作メモ

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ニコニコ技術部タグで動画を投稿していた「わたあめP」という人が居ましてね。今は動画を全削除して引退されてしまったのだが。その方の動画の一つにゼリーにチルノの型を模様をつけるという動画があった。(跡地 http://www.nicovideo.jp/watch/sm4396593 )
それを見てから、ゼリー型を作るのが憧れになっていた。
ぜひとも緑色のミクさんゼリーを作ってペロペロしたいと思って、ゼリーの素を買い込んだり、シリコンでねんどろいどを型どりしてみたりしていたのだけれどもどうにもうまくいかない。

3DプリンターやCNCフライスを入手したときも、これでゼリー型を作るにはと考えたけれども食品衛生法的に問題ない方法が今一つわからなくてとん挫していた。
3Dプリンターの ABS などはそのものは大丈夫だけれども材料に毒性があって残留している可能性があるため、食器には使えない。とかね。
ABS で出力した後食品衛生法適合なウレタン塗料でコートするなどもやってみたけれども面倒なことこの上ないし、ウレタン被膜で細部がつぶれてしまうのであまりうれしくないという次第。

というわけで、ゼリー型は長年の憧れなのでした。
いうほど真面目に追っかけてはいなかったけれども。

ある時ふとポリアセタール(POM)の食品衛生法適合度を調べたらこれが適合素材だということがわかった。ただし成分からアセトアルデヒドが分解して流出する可能性があるので温度 85度未満であることが条件。
ぐつぐつ煮るような処理をしなければ大丈夫そう。チョコレート型ぐらいにはなるかな。
POM なら CNCフライスでサクサク削れるし扱いやすい、行けるねということでゼリー型への応用を試してみることにした。

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形状データは板チョコ型。チョコレートを掘って作るというネタでつくったもの。
クリーム色のは試しに 3Dプリンターで ABS 出力したもの。白いほうが今回切削材料となる POM の塊。POM は依然オリジナルマインドの中古切り落としを買っていたので、その中から使えそうなサイズのやつをチョイス。

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モデルが既にあるとして、これを形状通り CNCフライスで処理する G-CODE パスに変換しないといけない。
これを行うソフトを CAM と呼ぶのだが、そのために DeskProto というアプリを使っている。DeskProto にはアマチュア向けのホビーライセンスというのがあって、それを使うとそこそこのお値段で細かい設定ができる最上位版が入手できるのだ。

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今回はゼリー型なので、モデル形状を凸型に掘るオプションを選択する。

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大きな刃でざっくり掘り出すパスと、細かい仕上げをする仕上げパスの2種類を生成。
仕上げパスは縦横二方向とかにするとかなりきれいに仕上がるのだが、えっれえ時間がかかるので今回は横方向のみにした。そのせいで縞模様が残るけれどもやむを得ない。

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G-CODE ができたらどんどん掘っていくよー。

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あら彫りが終わったら、刃を 1mm の細いのに変えて仕上げパス。
時間がかかるけれどものんびり待つ。

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ヤター、POMのチョコレート型できたよー

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良く洗って、ゼリーを流し込んだあと冷蔵庫で固めます。
……んが、引っ付いて取り出せない。
温めても溶けてぐずぐずに崩れるだけ。
とほほ。

そんなことを Twitter でつぶやいていたら、シリコンオイルや油を離型剤にするというアドバイスをいただく。
あー、やっぱりそうなるのかと思い再チャレンジ。

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型にペーパーで薄くサラダ油を塗りつけてからゼリーを流し込み。
本当に薄く塗布しているので別段油が浮いたりということはない。
そしたら、見事に抜けてくれました。ばんざい。

こうしてCGデータから食品型を作成するといったことに成功した。
長年の憧れだったのだよー。

POM が使えるということと、CNCフライスで掘れるということがわかればあとはどういう形にするかだけのお話。
これでどんな形のゼリーでも作れる様になった、かな?

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