コメを噛め

コメを噛め

rerofumi の電子工作メモ

hatena bookmark

第十回『外周の切り抜き』

プリント基板作成で、板のカットも面倒な作業の一つ。
そんな面倒なカットもCNCフライスなら寸法通り綺麗にかつ自由な形で行うことができます。

■ エンドミルでの切り抜き
エンドミルでの切り抜きや穴あけについては CNCフライスの基本的な目的なので切り抜き線にそって刃を移動させる G-Code を用意できればやり方については特別な手法は無いと思います。

ある程度の厚さのある素材を切り抜くには薄く削ってそれを何回も繰り返しながら刃を下ろしていくレイヤー型の切削と、最初に刃を貫通させてしまいエンドミルの側面で一気に掘っていく切断型の切削があると思います。
「アクリル切削の際に溶けてくっつきませんか?」という質問をいただくことが良くあり「?」と思っていたのですが、一気に掘る方式でやっていると溶けてしまうのかもしれません。私はアクリル加工の際も紙フェノールの際も薄く削っていく方式を好んで使っているので、素材の再溶といった現象には出会ったことがありませんでした。
ですので、時間はかかりますが薄く重ねていく方をお勧めします。
Gynostemma での外形切削出力も薄くレイヤーを重ねる手法で出力されます。1レイヤーあたりの深度を加減しながら、刃の具合と速度を調整して最適な堀りかたを見つけるのが良いでしょう。
Gynostemma の外形はパターンと違って刃の幅分外側を掘る機能は付いていません。外形線がそのまま G-Code として出力される手抜き仕様なので、設計時に刃の幅を考慮しながらあらかじめいくらか外側になるよう自分で調整する様にしてください。制限ですごめんなさい。その代わりねじ穴とかパターン穴とかも一緒に掘れますので上手いこと使いこなしてください。

■ 粘着テープ
切り抜きが終わったら貴方のプリント基板は完成です。

両面テープで固定したテーブルから剥がしてください。その際、スクレイパーの様な工具を用意しておくと容易に剥がせます。剥がす際に無理をすると、しなって曲がってしまったり最悪割れることもありますので注意してください。

さて、両面テープで固定しているモノに対し貫通で穴を空けたり切削したりして捨て板ごと削っているわけですから、当然両面テープも削り飛ばしていることになります。
この両面テープが少々やっかいで、エンドミル等の刃先に巻き付いてしまうことがあります。いやむしろ巻き付いていないことの方があり得ないでしょう。

セルタックだと基材が堅めなのでエンドミルで削れてしまい、粘着質のみが巻き付いている形で済むのですが、基材が紙の奴だとかなりがっちりと巻き付いてしまいます。
どう考えても両面テープを巻き込んだ状態では刃によろしくありません。


そこで常備しているのが、刷毛で塗布するタイプのシール剥がし。文房具コーナーで容易に入手できるものです。
これを刃に巻き付いた粘着質にちょちょっと塗布するだけで綺麗すっきり除去することができます。

ティッシュ等で拭き取る際に指を怪我をしない様注意してくださいね。

■ アクリルカバーへの応用

これだけ綺麗にプリント基板がカットできるのですから、同じ手法でサイズを合わせてアクリルケースをカッティングするのも良い作戦です。
CADで基板設計をする際に、外形とは別のレイヤーで重ねるようにアクリルを設計してしまうのです。CAD上でプリント基板と一緒に設計しますのでサイズを合わせられるというのと、ねじ穴等あわせに必要な部分が精密に作れるというメリットがあります。
アクリルの外形を Gynostemma 等でパス変換するのはプリント基板の外形と同じですが、パターンと一緒に変換できないためアクリル層だけ別にパス化するのが良いでしょう。

Leave a Reply