コメを噛め

コメを噛め

rerofumi の電子工作メモ

Archive for 1月, 2013


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ZBrush というそれなりなお値段するツールを持っている人向け。

3Dプリンター用のモデルは閉空間を構成するソリッドモデルである必要がある。
ポリゴンモデラーにおいてはソリッドモデルとなるようにポリゴンメッシュを作ってそれで形状を構成していく感じの作業となる。

mesh01
ところが、ソリッド形状のモデルであってもそれが沢山あって密集しているところではスライシングの際にどこが内側でどこが外側かという計算をミスする事がある。
あまりにも近接に閉空間が隣接していると面がめり込んでいるのか離れているのかが計算誤差で判断に失敗してしまうらしい。
ということを、3Dプリンターエンジニアリングとしては知っている事でこれを回避するようにモデルを設計したりするのだけれども、流用のモデルであったりするとうまくも行かない。

よしだまき氏が 3D-COAT というボクセルモデリングが特徴の3Dモデリングツールを使ってそのようなパーツ集合モデルをワンスキンメッシュに変換する方法を紹介していた。
なるほど、といった感じである。

しかし私は 3D-COAT を所有しておらず ZBrush 派なため、ZBrush で同じ事ができないかと思って調べた結果が以下の手順となる。対象は ZBrush4R2 以降。

mesh02mesh03
ZBrush に Obj ファイル形式を経由してインポートしたところ。
平滑化などをしてみると、複数の閉空間メッシュのまま扱っていることがわかる。

これをワンスキンにするには ZBrush4R2 で導入された DynaMesh を利用する。
元々スカルプトモデラーとしての弱点だった、モデルを引き延ばした所はポリゴンメッシュが素となり密度の不均等が生じることでそこから細かい造形を続ける事が困難になる、という現象を克服するためのリメッシュ機能である。
これを用いると形状を維持したままワンスキンにしてくれる。

dynamesh
Geometry > Dynamesh のメニューから解像度を適当に設定して Dynamesh を実行する。

mesh04
これでワンスキンモデルとなり、3Dプリンターのスライサーで問題なく扱えるものになる。

解像度が荒いと細部がつぶれてしまうので、そこそこ高い解像度で Dynamesh して、Decimation Master で扱いやすい数までポリゴンを減らすのが綺麗で手早い。