コンピューター上で動くゲームではなく、ゲーム専用にコンピューターが用意された最初の機種は 1962年の「コンピューター・スペース」であり、これが世界最初のアーケードゲームと言われている。
内容は宇宙船が撃ち合うといったもので、言うなればシューティングゲームだな。そう、テレビゲームの歴史は始まったときからシューティングの歴史であったのだ。だからみんなもっとシューティングゲームを大切にするとよいぞ。
アーケードゲームが実際に普及したのは 1972年アタリの「ポン」で、これは点を棒で反射するテニス風の物だ。だからゲーム黎明期はパドルゲームがメインでシューティングは存在しては居なかった。
日本で一番最初に作られたシューティングはおそらくタイトーが 1975年に発売した「ガンファイト」で、「コンピューター・スペース」のキャラ差し替え版の様な内容だった様だ。ちなみに同時期にタイトーは縦スクロール型のカーレースゲーム(というか車避けゲームだな)を発売している。
そして、ゲーム業界の金字塔であるタイトーの「スペースインベーダー」が発売されたのが 1978年の事。この前にも存在しているタイトルがあるために、インベーダーが最初というわけではないのだが、これまでのゲームの流れを大きく変え「シューティング」というものの土台をどっしりと作り上げた。
そういった意味では「スペースインベーダー」が日本におけるシューティングゲームのルーツであるといってもよいのではないだろうか。
ちなみに「スペースインベーダー」は「ブロック崩し」をみて「このブロックが襲ってきたら良いのにね」という感想があったことからだと言われている。
この発想が今まで 1対1 であったビデオゲームに 1対多 という構図を生み出し、コンピューターならではの世界を切り開いたと言える。
「スペースインベーダー」は CPU こそ 8080 と(今にして思えば)非力ではあったものの、フルビットマップグラフィックによる描画だったため、当時のキャラクターグラフィック(アスキー文字)主体のマイコンではそっくりなクローンを作成することが困難であり、当時のパソコンマニアを悩ませたものだった。
その後発売された「ギャラクシアン」がスプライト＋チップマップBGというハード構成で、以後長い間スプライト＋BGという時代が続いていくのはまた別のお話。
「スペースインベーダー」は数々のクローン品が作られたが、そのクローン品も様々なアイディアが盛り込まれており、当時の状況は「侵略者物」という一つのジャンルで盛り上がっていたとも言える。
そんな時代を作った「侵略者物」
、かつては移植が困難だった「侵略者物」、そこに残る人の想いは大きくて深い。
「温故知新」という言葉がある。
シューティングというジャンルを生み出した「侵略者物」に今一度触れてみることで現代のシューティングゲームを見返してみるというのはどうだろうか。
歴史はそこにあるのだから。
