コメを噛め

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rerofumi の電子工作メモ

Archive for the ‘3Dプリンター’ Category


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3Dプリンター面白いよーこんなことができるよー、と色々作って見せている私だけれども、そもそもで立体出力に興味をもったのは「3DCG から立体出力することでキャラクターフィギュア作成ができるかもしれない」という大変わかりやすい目的からであった。
実際に自作のキャラクターを 3DCG に起こして立体出力サービスで出力してもらうことでオリジナルフィギュアを作成することができたし、それをみて「ここまでできるのか」と「こんなものか」という二面を学んだ。(関連記事)
dsc00307.jpg
それに飽き足りず、もっといろんなものを自宅でバンバン出力したくてその直後に Makerbot から CupcakeCNC(組み立てキット)を購入。大変だけれども楽しい 3Dプリンターライフを送り始めた。

さて、家庭用 3Dプリンターというと FDM(熱溶融積層造形法)であり、樹脂を溶かして1層ずつ形成していくものなので表面がでこぼこの段々になってしまう。

これをみて「フィギュアが出力できると思ったのに、これじゃ使い物にならないね」と言う人が多いが私はそうは思っていないし、それでも有効だと思って FDM式の出力機を使い続けている。
それというのも、3Dプリンターが出力するものは完成品ではないと最初から思っているからだろう。


キャラクターフィギュアの作成手順について私が認識しているPCと3Dプリンターが置き換える部位についての図である。
むしろスクラッチで自作キャラクターフィギュアを作る手順を知っているからこそ、コンピューター上の 3DCG/CAD と FDM式出力機が何を置き換えるのかが見えているといったところだろうか。
完成品がぽんと出てくると思っているとがっかりするところだけれども、手で作ると熟練を要す難しい形状をコンピューターのアシストでだいたいの形にできるということで途中の部品製作をデジタル化できると考えるとこれでも十分ありがたい存在ではないだろうか。
まあそういう意味で工作機械というより「ラピッドプロトタイピング装置」という方がしっくりくるのかもしれない。

さて、キャラクターフィギュア作成にとって FDM式出力機から出力されたものが形成中の仕上げ一歩手前な造形モデルとしてあとは通常手順で表面処理を行って仕上げていくことで自作のフィギュアが完成する。
しかし、その「フィギュアと同じ加工をする」といって通じる人であれば良いのだけれども、そうではなくどうしたら良いのだろうと迷っている人も多いらしい事がわかってきた。
アクリルパテとポリパテとエポキシパテと光硬化パテの違いと使いどころがわかり、場面に応じて #180 から #1000 のヤスリでどれを使うべきかがパッとイメージできる人ならば問題はないところだろう。しかし、そういった経験が無い人には何を使って仕上げていくのかという指標が必要な様だ。

私も造形作業については中級よりも初心者に近い位置にいるけれどもそれでも両方をみている立場として FDM式出力後の表面処理について実験してみた結果を記すことにする。
もっと良い手法があるかもしれないけれども、ひとまずこれがとっかかりになれば幸いである。

■ 基本は溶きパテ(サーフェイサー)

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袋止めクリップというジャンルの生活用品がある。
食品やお菓子の袋をパチッと挟んで乾燥を防ごうという小物だ。

これがなかなかに重宝するので、スーパーや100円ショップで見かけると良く購入している。
そして良く無くす。

しかし、こういう小物こそ家庭用3Dプリンターの出番なのではないだろうか。
実際 Thingivers を Bag Clip で検索してみるといくつかの作品がヒットする。
これをダウンロードして好きなだけ出力すれば目的は達せられるのだけれども、やはりここは自分で設計してみよう。

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CNCフライスや3Dプリンターといった工作機械があると、ちょっと複雑なモノでも自宅で製造できるようになる。だからといって精度が高いわけでもないので、そんなにすごいモノができるかというとそんなでもない。
この可能性や面白さをどうやって表現しようと悩み、すでに買えるパーツが自作できるというのはどうだろうと考えてみた。
工業製品としてのパーツは買った方が安いし、実際電子工作のパーツなんかは買うしかないわけだけれども、実際に自分で作れるパーツという範囲が工作機械によって広がったのかもしれない。後追いでも車輪の再生産でも、なんでもいいから自分で作ることができるメリットというのを味わってみたい。

そんなこんなで、今回は「7セグメントLED」を作ってみることにした。

関連動画。

Youtube はこちら
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背中がかゆくなった。
しかし、そんなときいつも使っていたアルミ定規がどっかにいってしまった。どこいってしまったんだろう。

そんなとき ICレールで掻くのが通という声もある。まあ確かに使うことはあるが、これ結構とがっていて痛いのだよな。
ここは素直に「まごの手」を入手するか。まごの手ってどこ行けば買えるのだ?Amazonでは確かに買えるけれども、まごの手風情を Amazon でいうのも大仰な気がする。

……こういう身近な日用品は家庭内で3Dプリントできるべきなんじゃないかな。
というわけで「まごのて」を作ってみるよ。

といっても廉価な3Dプリンターでは長いものが作れない。Makerbot Replicator ではテーブルが大きくなったといっても 15cm 強くらいのがせいぜい。
一般的な孫の手って長さどれくらい?と調べてみると 40cm くらいはあった方が良いらしい。なので、3Dプリンターでの出力品をつないで伸ばす事を考える。


つないで伸ばすための「継ぎ」をいくつか考えたり作ってみたりしたのだけれども、最終的にこういう形になった。
あそび無くはまるものを作るのは難しく、使う3Dプリンターの癖を加味しないといけないので、今回はあくまでうちの Makerbot Replicator で出力したときに填まるものという設計。


継ぎができたらそれをCAD上で伸ばすようにして設計。


3Dプリンターで出力して

完成。

ABS なんでしなるし、たわんでも壊れない適度な厚さで良い感じに作れた。
これでまごのてを買わなくても済んだぞ。

形状データは Thingivers に置いてあるのでよろしく。
MAGONOTE (Backscratcher) http://www.thingiverse.com/thing:27371


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はんだリール台を 3Dプリンタで作ってみた。
斯様な小物は Thingivers でもメジャーなアイテムで、“solder” で検索するとはんだリールだけでもいくつか見つかる。

こういったアイテムを自作していくのが家庭用 3Dプリンターでの醍醐味であろう。

さて、今回はこの小物を作ったよというお話ではなく、それを作る過程のお話。
どんな 3DCAD を買って、使って作成をしようかということについて。

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前回の記事にて、Makerbot replicator の2色出力を応用して PVA によるサポート付きの立体出力ができたことをリポートした。
これは原理実験であり、できることがわかったというお話。
じゃあ実用とするのに、どうやってサポート出力をしようかという問題が残っている。


毎回毎回この様にサポート形状を作成するのは正直面倒である。
面倒なだけならまだ良いが、メッシュ系のポリゴンモデラーだとブーリアンで型を抜くのがあまりうまくいかないのよね。修正なしの一発でとはいかない。

なのでどうやってサポートを出力させようかというのは考えどころとなる。

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2012年の GW はなんだか雨模様で残念な関東でございましたが、そんな雨の日が続いていたせいか 3Dプリンター用の PVA フィラメントが「湿気って」いた。
水に溶けるものなので、湿気るのは想定内ではあるんだけれども思ったより早いなーというか。ビスケットやせんべいと同じ扱いをしないと駄目なのか。

湿気ってふにゃふにゃ柔らかくても一番懸念していたフィーダーでの巻き取りも問題なくて、replicator での出力も問題無いかと思っていたのだけれどもやっぱり色々と残念な感じに。
リールにある全てが湿気っているのでそっちが重くなって絡みやすくなっていた。おかげでモーターが引っ張っても重たい&引っかかりやすくて途切れるパターン。
あと、steptluder のモータが押し出した後、ヒーターまでの間にちょっと隙間があるのだけれども、そこに押し込む力がかけられずふにゃんと曲がって端から出てくる始末。
ある程度の堅さがないと押し出したあと色々と不都合のようだ。


とりあえずシリカゲル買ってきて袋に一緒に放り込み密封してみた。
使えるまで復活するといいな。


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Makerbot のオープンファクトリー 3Dプリンタの “Replicator” が発売となった。
発売となったのはちょっと前の事なのだけれども、沢山のバックオーダーを抱えた Makerbot ががんばって製造して私の注文分がついに届けられたといった方が良い。
これまで Makerbot CupcakeCNC という3Dプリンターキットの初期製品で苦労楽しませて貰ってきたが、それの最新型ということで何が変わったのかというと以下の通り。

  • 完成品になった、キットでは無い
  • 作業サイズが大きくなった 220x150x150mm くらい
  • 最新の射出機 Steptruder MK8 が標準搭載
  • LCDモニタと操作ボタンが付いて本体だけで簡単な操作が可能になった
  • 射出機2個のモデルが用意された

私が飛びついたのは一番最後、デュアルエクストリューダーになって2色同時成形ができるようになったというのが待望の機能だったため。これについては後述。

というわけでこの記事は届いたよと自慢するだけのエントリー。

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3Dプリンターでケースも出力したし、これと基板を組み立てていく。


基板の穴に合わせて 2mm のドリルで穴を開け、2.6mm のタップネジで固定します。
上側も同じようにタップネジで固定するのだけれども、基板と上部と底の 3つをネジで固定する形となる。


本体部分は固定完了したので、上の口からワイヤーを引き出し、そこにLED基板を接続していく。


二枚目以降のLED基板もポリウレタン線を使って筒を通しながら接続していく。


筒をはめ込んで完成。
合成はあまくて隙間が空いちゃっているけれども、そこは手作りの味ということでひとつ。


これでいるみさんは完成。プロジェクトのゴールとなる。


以前ケミカルライトを計測したのと同条件で明るさ測定。
まずまずの成績。


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モデルができたので、それを CupcakeCNC で出力して実在する物体に仕上げる。
言葉にすると 1行だけれども、CupcakeCNC を扱って出力するだけでも相当な技術と経験が必要なエンジニアリングだったりするのであっさり出力されるわけでもない。
特に今回はボディ底面のパーツが 135mm と CupcakeCNC が出力できる高さ限界ぎりぎりの物があり、これを出力するのが本当に大変だった。



一見むちゃな形状に見えるけれども、実は全部積層型3Dプリンターでサポート材無しで作れる様に設計されている。飛び出している所は下側に 45度以下のスロープをつけてすこしずつ飛び出すようにしたりね。
このへん、どんな形だったら出力できるのかという経験の塊だったりするのだ。

そういう意味では押しボタンのパーツは失敗した。
形状的には無理はないんだけれども、これだけ小さいと樹脂が固まる前にひとつ上の層が積み重なってしまうので熱が逃げないで形成されずにぐにゃぐにゃになってしまうのだ。
分かってはいたんだけれども、これ以上大きく設計することもできなかったしなあ。
結局ぶにゃぶにゃに出力されたものを後で削って形を整えなんとかした。

Download: irumi_model_stl-20101229.zip
STL形式モデルデータ