コメを噛め

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rerofumi の電子工作メモ

Archive for the ‘コンサートライト’ Category


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いわゆるひとつのはんだ付け作業。


プリント基板さえ作れば、はんだ付けは簡単なお仕事。そう考えていた頃がおれにもありました……


簡単になるのはスルーホールのDIP部品だけじゃんかよ。表面実装はソルダーマスクがないとブリッジしまくるしまくる。
まあ、溝が 0.27mm しかないから当然かもしれないけれども。


ルーペで見ながらはんだ付けして、一個つける毎にテスターでショートしていないかをチェック。はんだ吸い取り線が大活躍しつつ、ヒーヒーいいながらなんとか実装を終えたのでした。


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プリント基板のガーバーデーターができたら、それをフライスで削り出すための GCODE に変換する。
ここがうまくいかなくて悩んだ末に変換ツールを作ったというのがこれまでに語ってきたお話。

まず、ガーバーは太さ情報(プロッターのシャッターサイズ)を持ったデーターなのだけれども、GCODE は軌道情報のみという違いがある。ガーバー自体も GCODE の亜流なのだけれども、そのまま変換するとパターンの中心にそって線を一本掘るだけの結果となる。
なのでまず、太さ情報と軌道情報からパターンの外周を算出して表示する必要がある。これがガーバービューアのお仕事。
次に、フライスで切削するには刃のサイズを考慮しなければならない。例えば直径 1mm のカッターで切削していった場合、刃の半径サイズ分 5mm 外周より内側にめりこんでちょっと小さく削ってしまうことになる。当たり前の話だけれどもこれを回避するために実際に刃を移動させる軌跡は外周の軌道情報から刃サイズの半分だけ外側を縁取るように拡張しなければならない。
その拡張をどうやるかが難しかった。

理屈から言ってパターンだけでなく外形にも刃サイズ分の拡張を適用しないといけないのだけれども、今回は難しかったので外形については無視することにした。
あらかじめ CAD 上で外形サイズを刃サイズ分だけ大きくしておくという運用での回避でごまかすのだ。


マイコンボードのガーバーを GCODE 変換。

NCVC でパターン切削の GCODE を確認。

ドリルデーター。

外形くりぬきデーター。

こうしてできた GCODE でCNCフライスを駆動し、銅箔紙フェノール板を削ることでプリント基板が完成する。

これくらいのものがざくざく自作できるようになってくると、もう楽しくて仕方がない。

穴開けに苦労しなくていいなんて夢のようでござる。

これと以前作った LED 基板と合わせて、いるみさんのプリント基板は完成。


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特に語ることもなく、K2CAD で黙々とプリント基板を作る。


こちらがすでに何度か出てきている LED ボード。
3色 LED とスイッチ用の表面実装トランジスタ、必要ならば制限用にチップ抵抗を取り付けられる。それを丸い形のプリント基板にするあたりがポイント。


PSoC とDCDCを乗せたコントロール基板、電源であるニッケル水素電池のサイズから外形が決まっている感じ。
電池金具の穴は外形レイヤーにつけてある。外形を 1mm のエンドミルでくりぬく際に、金具穴も開けてしまおうという魂胆。1mm という幅がちょうど良い感じなので。

上記二枚のガーバーデータ。レイヤーは、ソルダーパターン/外形/ドリル穴 の 3枚。
Download: irumi_garber_20101214.zip

CADデータを置いても良いんだけれども K2CAD なんだよな。使っている人いるのかなん。


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電子工作部分の回路図はこんな感じ。
って、実は回路図引かずに直接基板設計してたからこれは事後に書き起こしたもの。

最初はプッシュスイッチにプルアップをつけていたけれども、実装時は PSoC 内のプルアップ回路を利用する事にしたから外したとか。ごにゃごにゃあって部品の値を変えたりとか細かい変更があった程度かね。


秋月で買った電池金具。
これを基板につけることで電池を実装する。というあたりを規定としてプリント基板の設計へ入っていくのでした。


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電源周りに注目したブロック図をざっくりと書いてみた。
ニッケル水素電池からの出力をマイコン用の昇圧回路とLED用の昇圧回路のそれぞれにわけて与えているところが今回の中心。定電圧が必要なマイコンと、電流次第で電圧が変動するLEDは分けておこうというお話。
LEDドライバーはLED専用なので制限抵抗無しでダイレクトにLEDを駆動できる。このため抵抗を追加する必要がなくて、余計な電力を食わずにすむはず。


マイコンは PSoC CY8C29466 の面実装パッケージ。以前 DigiKey で買った在庫がまだ手元にあったのでそれを使用。
PSoC でSMP(昇圧ポンプ機能)がついている奴って 28pin のになっちゃうのよね。

面実装部品を使おうと思えるのも、自分でプリント基板を作るからなのです。


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コンサートライトで使うにはどれくらいの明るさがあれば良いのだろうか。
ダイソーにて100円で売っている化学蛍光ケミカルライトを買ってきて明るさを計測してみた。

上の写真で左は発泡樹脂の中に細いケミカルライトが三本入っている奴。太くてぼんやり光るのが売りらしい。他の二つは通常型のケミカルライト。
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コンサートライトを作ろうと思い立ったのが前回までのお話。
このお話をもらったときにいくつかの要求をもらっている。

  • 三色LEDでフルカラーが出せること
  • エネループで動作すること
  • ボタン一つで色(キャラクターイメージカラー)が変えられること
  • できるだけ明るいこと
  • コンサートの間電池が持つこと(最長6時間を想定)

これを抵抗による色調整でやると、色の切り替えができないことと明るさが今ひとつになってしまうこと、なによりエネループ駆動させるのに最低3本は必要ということでうまくいかない。これを克服するにはどうしてもマイコンによる制御が必要になるというのが依頼の理由だった。

ちなみに表示できる色の要求は、赤・橙・黄・黄緑・水色・青・桃の7色。
ここから仕様を検討していく。

これら要求のうち、エネループ駆動(リチウムイオン充電池)とできるだけ明るくというのが相反するものなので、バランスを取らなくてはいけない。
フルカラーLEDをいくつか物色したが、あまりにもハイパワーなものは電力も必要だし熱も出すので逆に扱いにくかったので、角形のそこそこのヤツ(To 秋月)を使うことにした。
三色全部点灯したら 110mA くらいなので、3個つかって 330mA にマイコン1個分の電流を想定。エネループ二本で 3800mAH なので、二本使えばなんとかいけそうなところ。
エネループ二本でいくと決めると電圧は 2.4V ほど。LEDを点灯させるには低すぎるのでDCDCで昇圧させる必要がある。逆にDCDCコンバータをつかって昇圧すれば、電池が減って電圧降下をしても絞り出すように灯し続ける事ができる。
DCDCコンバータは結構肝なのでストロベリーリナックスで扱っているモジュール完成品を使うことにする。今回はLEDに焦点をあてまくってLED専用昇圧ドライバーを使うことにした。これなら抵抗を挟まずに直接LEDをドライブできるので無駄な負荷を排除できるし、全灯してもリミッターがかかる。
ただ、ほんとうにLED専用なのでDCDCで昇圧したものでマイコンを駆動させるには安定していない。そこで、PSoC の SMP 機能を使ってマイコン分は自前で昇圧させることにした。都合昇圧が二系統になるけれども、その分LED側がフルパワーで回せるだろうという計画。

電池二本になっちゃうよと依頼主に告げてだいたいの大きさをイメージしてもらい、了承を得たところで設計開始。
機能としては

  • エネループ2本で6時間は駆動
  • 3色フルカラーLEDを3個点灯
  • 電源スイッチと色変更のタクトスイッチをもつ
  • タクトスイッチクリックでキャラクターカラーが切り替わる
  • タクトスイッチ長押しでじんわりと色が変わっていくレインボーモード
  • レインボーモード中にボタンを放すとその色で固定
  • タクトスイッチを押しながら電源を入れると点滅するモードになる(オマケ)

とまあこんなところが機能仕様。

さて作り始めますかね。


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パーソナルファブリケーションという単語に乗ってか乗らなくてか物作りのための楽しそうな機械を色々と導入してきた。
Makerbot の CupcakeCNC パーソナル3Dプリンター。オリジナルマインドの卓上CNCフライスキット。
どちらも小さくて安価なものだし、なにより操る人(私)の腕が大したことないのでそんなに凄いものができるわけじゃない。でも、それで作れるようになった物がある。
凄い物や完成度の高いものじゃないけれども、そこそこの物をそこそこの手間と時間でそこそこそこそこに作成できる環境が手元にあるのだ。

これで割となんでも作れるぞ!!と思ったところで「それで何を作るの?」という壁が目の前にあった。これまでもおぼろげに見えていたものの、工具を手に入れ、それをある程度操れるようになったところでさてどうしようと考え込んだのである。
技術屋は割と道具に惚れ込んで、道具を使いこなすことに腐心しがちである。極端な話、道具を使いたくてそのために何かを作ろうとする。道具が目的であり、その目的を満たすために仮の成果物を据えるような行動をとってしまうのではないか。
それは良くない。
道具はあくまで使うためにあるのであり、何のために使うのかというと目的を遂行するために使うのである。
つまり、本当に作りたい物を持っていなくてはいけない。
そしてそれを作るために最適な道具を選んで駆使するのである。

道具もそろってパーソナルファブっぽくなってきたはいいものの何を作ろうかと悩んでいた私のところに 1通のメールが届いた。
ごえもんP というか Magical-Soft の人というか、学生時代に SPS-NET というパソコン通信で知り合った人。インターネットへ場を変えた後もトゥルーラブストーリーのファンコミュニティーで再会したりゆるゆるとおつきあいさせていただいている。あの頃 TLS に入れ込んでいたメンバーはこぞってアイドルマスターというかニコマスクラスタへシフトしていったのだけれども、私はそんなに入れ込まなかったから久しかったのですな。
まあ、そのへんはいいや。で、メールに何が書いてあったかというと
「アイマスのライブで振りたいからフルカラーLEDのコンサートライト(サイリューム)を作ってくれ」
といった要望。
LEDコンサートライトといえばニコマスクラスタやニコニコ技術部界隈ではメジャー(?)なアイテム。yytuneさんの実装が一番有名どころ。
簡単に済ますのであればこの yytuneさんのコンサートライトを作成して渡せば良いのだけれども、いやまてよと思いを巡らせた。この「コンサートライトを作って欲しい、作ろう」という要望こそが貴重な『制作の目的』である。物自体は目新しくもないけれども、それを自分の手と工具を使って再実装していくというのは得難い体験となることだろう。
設計、フライスでの基板作成、マイコン電子工作、ファームの実装、外装を3Dプリンタで作成、組み立て、リリース。これらの行程をすべて自宅でできたなら、それはパーソナルファブリケーションと言えるのではないだろうか。
そう考えた私はフルカラーLEDコンサートライトの作成を請け負った。
焼き直しでも二番煎じでも良いのである。実際にできる機会に出会えた事が重要なのだから。

そんなこんなでコンサートライトを作成します。「いるみさん」はそのコードネーム。
プリント基板のフライス作成やそのツールをちびちび作ってきていたのを見ている賢明な方はもうお気づきのことであろうが、制作依頼が来たのはもうずいぶんと前の事である。たしか7月末あたり。
そして次のアイマスコンサートは 2011年1月10日である。それまでに完成させなくてはならない。しかもできれば冬コミに間に合うといいなとかいわれているし。
依頼を受けてからある程度のところへくるまで水面下での作業だったのだけれども、そろそろ形になりつつあるのといい加減期限が近づいてあわあわし始めているので表に出そうというあたり。

はてさて、どうなることやら。