コメを噛め

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rerofumi の電子工作メモ

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Heated Build Platform は Plustruder からコントロールするのだけれども、その際温度設定がおかしくなることがあるらしい。
話には聞いていたモノの今ひとつよくわからなかったのだが、自分のところでそれが頻発するようになってきてようやく事の重大さが理解できた。
現象としては何らかのショック(多くは出力の強制停止時)でノズルの設定温度とホットテーブルの設定温度が入れ替わってしまうらしい。それだけでなく、温度に達していないのにノズルの電流が切れるという現象もいくつか経験した。
これは結構しゃれにならない現象である。なんせ出力中のバレルが低温になり樹脂が出てこなくなるのだから。平たく言うと、これが原因で熱障壁の破壊、すっぽぬけが生じる。現に1回なった。

そもそもで Heated Build Platform を Plustruder やGCODE でコントロールする意味はあるのだろうかと考え始めた。
適温に達するまで20分とかかかるものなので、ずっと入れっぱなしにしておきたいしON/OFFは使用者が行った方がよさそうなものである。

そこで、自作ホットテーブルの入り切りと温度制御を Plustruder から切り離して自前で行うようにしてみた。

DSC00495

要はサーミスタから温度を読み取って、冷たかったらヒーターに通電し、熱すぎたら切るといった簡単な制御である。
適当に部品箱を漁ってテスト品を作ってみた。

controller
回路図に起こすとこんな感じ。
12Vの電流スイッチは、モータードライブ用のダーリントントランジスタを使用。ニクロム線に 2.2A が流れるのだけれども、それだけの電流を制御できる FET がちょうど無かったので最大定格 3A のダーリントントランジスタでやってみた。今のところ実験レベルなんでまあいいんだけど、流石にやけどするくらい熱くなるので放熱は当然としてFETへの差し替えを考慮したいところ。
後は適当に温度設定用のボタンと状態表示用のLCDモジュール。

DSC00496
表示はこんな感じ。上部左が現在の温度で上部右が設定温度。
下部がヒーターOn/Off、右のアスタリスクは実際に通電しているとき表示される。
温度についてはセンサーから取れる電圧をテーブル化して取らないといけないのだけれども、今のところ実測から出された等比式で近似している 100℃前後はアテになるけれども、70℃以下はずれている。室温28℃で表示は42℃とかになっていた。まあ、この辺は今後の課題ということで。

PSoC Designer のプロジェクトファイルとHEX。
Download: hotplate_controller.zip

DSC00497
この外付けコントローラーのおかげでずいぶんと安定した出力ができるようになった。
写真のような面積のあるモノでも反り返り無く出力できるようになったのがうれしい。

関係ないけれども、スクレイパーが便利。

3 Comments to “Cupcake CNC Heated Build Platform を自作する、その2”

  1. まりん Says:

    うちもMakerbot製HBPを導入してからヒーターや押し出しモーターのON/OFF制御がうまくいかないという現象が発生しています。

    HBPのヒーターがONになるとノイズが発生するのかメインボードとPlustruder制御ボード間の通信で取りこぼしが起きているようで、ケーブルを変えるなどの対策をしたものの問題解決には至らず、とりあえずの対策としてGCODEを編集してヒーターやモーター制御のコマンドを複数回送ることで対処しています。
    最終的にはPlustruder制御ボードからHBPの切り離しをと考えていたところだったので参考になりました。

    温度表示については最新版のReplicatorGとファームで一度発生したので、旧版に戻してからはうちでは発生してません。

  2. Gobu Says:

    いつも参考にさせていただいています。

    サーミスタの精度が悪いのは、おそらく近似式だからだと思います。
    メーカーから温度-抵抗値の対応表を貰って、間の値は近似とかすると、まともになるかと思います。

    ウォームアップに10分もかかるものなのですね。
    アルミだし放熱が激しいのでしょうか?

  3. rerofumi Says:

    To: まりんさん
    あー、やっぱりなるんですね。コントローラの通信エラー。
    通電時に起こるというのもなんとなくわかるような気がします。

    To: Gobuさん
    サーミスタの電圧変化はカーブになるのですが、真ん中の微分値と同じ直線で適当にやっているのでずれていてあたりまえなのですわ。今回はテストなのでお手軽に。
    B値から2次曲線を演算するなんてマイコンには荷が重いからテーブルから計算するのですが、Extruderのソースから引っ張ってくるのが一番かな。

    久しぶりにプリント基板作ってちゃんとしたプロダクトにしようかな。

    ヒーターはいっそのこと別電源で100Vかけがっつり温めるというのはどうだろうと考えたこともあります。思っただけ。

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