posted by rerofumi
2010/5/22 土曜日 0:02:31
ノズルすっぽぬけによるPlustruder熱障壁破損はなぜ起こるのか。
その原因については水星工房のメモにだいたい書いてあるのだけれども、自分のところで起きた理由とかメンテナンスをしながら気がついた事を書き起こしておく。
主にすっぽ抜けが発生する原因についての考察である。
Cupcake CNC では、出力最初の掃除時に素材が出てこなかったらすぐに利用をやめ原因を調査すべし。即座に素材を逆転して引き抜いてみる。もし逆転しても出てこない様なら完全に以下の事象が発症しているものと考えられる。
決して無理に押し出してみてはならない。
通常のノズルの中は上図の様になっている。
ヒーターが先端だけなのと冷えたABSが次々と送られてくるのとで熱障壁のあたりではふにゃふにゃになりこそすれここでABSが溶けていることはあまりない。
ノズルが十分に加熱していて熱障壁内部でもABSが溶けるようなことがあった場合、大なり小なりねじ切りの隙間にABSが入り込むことになる。これは先端でも入り込んでいたように確実に起こる現象であろう。
出力中でノズルが暖まっているあいだなら良いのだが、出力が終わりヒーターが停止すると回り込んだ部位毎冷えて固まる。
次に出力しようとした際、通常の状態だと回り込んだ部位はまだ溶けていないのでこのまま押しだろうとするとノズルにふたをした形で上からノズル自体を押す形になる。
こうなると、PTFEを破壊してノズルがすっぽ抜けてくる。
なので、一度回り込みが発生したら十分な余熱を行って回り込み自体も溶かしてしまうか、メンテナンスで回り込みを除去する必要がある。
以上のことから考えるに要は熱障壁内部でABSが溶けるような事があってはならないということが言えるのではないかと思う。
熱障壁のすぐ下に放熱フィンを設置するなどで、そこから上が過熱しないよう遮断できると良いのかもしれない。
[追記 May.24.2010]
「放熱すればよいんじゃね?」というのを試してみました。結論から言うと失敗です。
こんな感じでなんか人工衛星みたいないかした形にしてみたのだが……
放熱が効いてノズル温度が220℃まであがらなくなりました!!(そりゃまそうよね
なんだかうちのセッティングだと割とぎりぎりらしく、上の写真のようにナットでアルミ板を挟んで熱伝導を良くするだけで220℃を下回る結果となっている次第。
なので放熱作戦は大失敗です。
結局のところどうあっても回り込みは起こるので、こまめなメンテナンスとやばそうだったらすぐ止めるという運用での回避が一番確実そうです。
5月 24th, 2010 at 9:32:12
ヒーターバレルを冷却しても、樹脂が思った以上にさかのぼるみたいで、
あまり意味がないかも知れません。
http://twitpic.com/1qhr1z
どこかで熱障壁をステンレスにして、放熱板を取り付けたりしてるの見たことありますが、
そんな具合に根本的に解決しないといけないのかも。
ただ、PEEKに変更しただけで、かなり効果がありますので、そこまでしなくてもいいかも知れないですね。
今度は、Insulator Retainerが破損しやすくなりますが、それはモーター圧力が原因というよりも、
プリントした樹脂がダマになっていて、そこにノズルがぶつかって、
左右にノズル全体がこじられて、その疲労で割れることのほうが大きいようです。
5月 25th, 2010 at 0:11:08
そんな風にさかのぼることがあるんですか!?
それじゃ何やってもだめっぽい感じですねえ。
ノウハウを蓄積して回避していく方が早いのかもしれません。