コメを噛め

コメを噛め

rerofumi の電子工作メモ

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Interface誌 2007/5 号にはCQ系では恒例となりつつあるマイコン付き基板が付録であった。USBシリアルコンバータがついていてそこ経由でプログラムとデバッグができるというあたりはちょっと良い感じではある。
なんだかもう日常的になってしまったので当初はあまり興味を示していなかったのだが、ぼんよりと読んでいるうちにだんだん V850 が気に入ってきて、ちょいとやってみようかという気分になってきた。
そういえば V810 は国産プロセッサということで憧れていたときもあったんだよなあ。その V810 の後継かー。MMU やスーパーモードが無いので高度な OS を乗せるような向きではないけれども、32bit な割にこじんまりとしたアーキテクチャがなんか和む。SH2 よりは H8/300 と同じバンドといった感じかしらん。

まず最初に調べたくなったのはチップの入手性である。まあ、Interface誌を買いあさってストックを作るというのならばともかく、後々それ以外の方法でも入手できるかどうか。
個人の趣味工作だとここが一番ネックになる。なんせ「企業にしか売りませんよ」とか平然と言って突っぱねる所が多いから。
で、V850 を個人で入手しようとするとどうかというと、実は絶望的だった。チップ購入最後の砦である Digikey で扱っていないので。
個人が Interface誌以外で手に入れる方法は全くないかというとそうでもなく。サンハヤトが NEC マイコンの一部代理店をやってくれている。78K0 を扱っているから予想つくかもね。
そこで 78K0 に混じってV850のターゲット基板が見つかるが、これが現在での個人入手できるほぼ唯一の経路っぽい。
このターゲットボードは何かというと、NEC が作って売っているチップ評価ボードで、プログラムデバッガのMinicube2 とセットで使える形になっている。安価なプログラムデバッガと評価チップボードで気軽に試してもらおうということらしい。気軽と言っても 1万5千円くらいしますが。

Minicube2 は 78K0 と V850 の両方がプログラミング&デバッグできるというのでちょいとお得感があり。78K0 もやってみようかなあ。


てなわけでゲット。


評価ボードはこんなの。


最近のマイコンプログラム機器はちっこくて取り回しが楽やね。

さて、Interface誌の付録基板の方へお話を戻して。
NEC 純正の開発機材は上の Minicube2 なのだけれども、Interface誌付録のV850基板でもシリアル経由で書き込み、およびデバッグができるように配慮してくれている。
例えば、デバッガは ID850QB と ID850QB-MON の二つがインストールされるが前者が Minicube および Minicube2 で使われる物で、実質不要なものである。-MON とある方はInterface誌付録基板のシリアルポートに合わせたデバッグスタブを使う「特別版」の様だ。
プログラミングツールも FPL という古いツールになっている。
んじゃ、Interface誌付録基板を使うだけなら十分に環境が整っているから良いのではないかといったところだけれども、書き込みやデバッグの際にジャンパピンを設定しないとならないのがちょいと煩雑だったりする。あと、デバッガの調子が悪くてうまく動作させるためになんどか起動しないとならなかったのだけれども、これは私の運が悪かったからかもしれない。

Minicube2 を使って Interface誌付録基板の開発を行えばちょっとスマートかもしれない。そう思ってどきどきしながら接続しようとして思いっきり罠にははまる。
Interface誌付録基板にはデバッグポートと称して 10ピンの CN3 がついている。なんとなくJTAGっぽいシグナル名だから、ここにMinicube2をつなげばプログラミング&デバッグができるもんだと思っていたけれどもそうではなかった。
確かにJTAG系のコントロールでデバッグができるのだけれども、それはMinicube「1」の方の仕様だったのだ。Minicube2はプログラミングもできるかわりにその辺の使用ピンが変わっているとのこと。なので実はMinicube2も、Interface誌付録基板上に載っているUSBシリアルコンバータ経由のプログラミング&デバッグと大して変わらなかったりする。通信速度はMinicube2のほうが早いけれどもね。
Minicube2 でInterface誌付録基板をプログラミングしようとすると、デバッグ用コネクタではなく通常コネクタの方につなぐ必要があるのだ。


にんともかんとも。
上の写真は CSI3 での接続例。
Interface誌付録基板の下に母艦となるブレッドボードを用意して、そっちの方にプログラミング用のコネクタをつけた方がよいかも。んじゃデバッグ用 CN3 がいらないかというとそうでもなく、そこにしか来ていない線が一本(FLMD0)必要なのでどうにも美しくなく。

結論としては Interface誌付録基板で遊ぶだけであったら Minicube2 は無理に必要な物ではなさそうだ、ということで。

関係ないけれども、Minicube2のユーザー登録時に「会社名、部署、役職必須」だったのでちょっとムッとする。私は個人の趣味でこれを使いたいのっ。

One Comment to “If誌付録のV850基板とその周辺”

  1. 通りすがり Says:

    78K/V850のボード、私も探しましたが http://www.ndk-m.co.jp/asmis_shop/5.html で買うとお得ですよ

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