コメを噛め

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rerofumi の電子工作メモ

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第二回『データの種類とアプリケーション』

■ 沢山の過程と中間ファイル
CNCフライスでのプリント基板作成をするためには、プリント基板の設計データが必要になります。
そのプリント基板設計データはデジタルデータですのでPC上のアプリで作成するのですが、実際に工作機械で製作をするためにいくつものアプリケーションと中間のデータが必要となってきます。
途中途中のデータの形式とそれが必要な理由を理解することで、作業フローを把握しましょう。

■ 製作フロー

上のフロー図は私がプリント基板作成のために行う作業とそこで使うアプリケーション名です。
直接プリント基板設計から入り回路図を作成しないということも可能なのですが、より正確な設計を行うため、またドキュメントを残すためできるだけ回路図設計から入るのが良いと思います。
おおざっぱではありますが、この手順で作業をしていることを理解してください。

■ アプリケーションとデータフロー

作業ではなく、アプリケーションと中間生成データを軸とした図に書き直したものがこちらです。
使用するアプリケーションは大きく分けて3種類で、CAD/CAM/CNC と呼ばれています。
CAD は設計部分です。回路図の設計とプリント基板のパターン設計を行います。最近は回路図設計とパターン設計がセットになって一つの CAD アプリとなっているのが主流となってきています。
BSch3V や K2CAD/D2CAD はその二つが分かれている形ですね。
CADによって最終的に生成するのはプリント基板のパターン形状を表したガーバーデータと呼ばれる形式です。それとドリル穴を開ける位置を示したドリルコードも含まれますが、纏めてガーバーと呼ぶことがあります。
プリント基板の製作会社に製造を依頼する場合は、このガーバーデータを納品して作って貰います。プリント基板の設計書といったところですね。
私は K2CAD で設計する際に、BSch3V で設計したネットリストを利用します。これはパターン設計の時にまた説明します。

ガーバーデータがパターンの設計書になるわけですが、どのように機械を動かせばその設計書通りの物が製造できるかを計算するのが CAM アプリになります。拙作の Gynostemma がこれにあたります。
プリント基板製造では、CNCフライスでどのように刃を動かせばパターンが掘れるかといった切削パスを計算する作業を行います。
プリント基板の設計書であるガーバーデータを読み込んで、機械の動きを指示する G-Code を生成するといった作業を行います。立体加工とかでは、立体モデルデータを読み込んで掘り出すための切削パスを生成するといった働きをします。
個人やフリーで利用できる CAM アプリがあまりなく、プリント基板製作用には cam.py がありましたが入力データ形式に制限があったりと色々問題がありました。
最近は Gynostemma だけでなく、有償の OriminPCB や WINSTAR PCB など個人でも購入できるプリント基板製作 CAM が出てきたため幾分やりやすくなっているのではないかと思います。

切削パターンの G-Code が作成できたら CNC アプリで工作機械を制御して実際にプリント基板の作成を行います。CNC アプリに G-Code を読み込ませることで加工をしますので、G-Code次第でいろんなものが作れるというのが一般的な様です。
なお、WINSTAR PCB は CAM+CNC という位置づけのようです。

最終的に必要なのが G-Code や CNC 駆動ですので、CADでの設計から直接それが生成できるのであればそれで十分ですしそういったツールもあるようです。

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